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「16歳の猫ちゃん、歯が腐っている? – SOAP・POSで考える安全な治療と飼い主さんの理解度の重要性 –」

16歳の猫ちゃん、歯が腐っている…と言われたら?

看護師・動物看護師の皆さんへ、SOAPPOSを使ったカルテ記載と論理的思考、そして飼い主さんの理解度がいかに治療成功に大きく影響するかをお伝えします。

症例の概要:歯が腐ってるからすぐ治してほしい!という主訴で来院した16歳の猫ちゃん。

  • 体重減少:6kg → 4kg(短期間で2kg減)
  • 粘膜蒼白(貧血や慢性疾患を疑う)
  • 高齢猫(16歳)

飼い主さんは血液検査やレントゲン検査の必要性を説明しても拒否…。
安全な医療行為が行えないため、最終的には治療をお断りせざるを得ない状況に。

SOAPやPOSを使う理由

  • SOAP(S:主観 / O:客観 / A:評価 / P:計画)

    主観情報と客観情報を整理し、評価・計画につなげることで思考の流れを明確にできます。
  • POS(Problem Oriented System)

    問題リストを作成し、一つひとつにSOAPを当てはめるから、重複や見落としが減ります。

看護師(動物看護師)の視点

  • 💡 情報整理と優先順位
    麻酔が必要な歯の処置には、まず血液検査で腎機能などを把握する必要があります。
  • 💡 飼い主さんへの説明サポート
    なぜ検査が必要か、検査をしないリスクは何かを噛み砕いて説明し、理解度を確認しましょう。
  • 💡 エビデンスとリスク管理
    高齢猫の腎不全や耐性菌リスクなどを無視して治療を進めると、重大な合併症を起こす可能性があります。
  • 💡 飼い主さんの理解=治療成功の鍵
    同意や協力を得られなければ適切なケアが難しく、最終的にお断りせざるを得ない場合もあります。


まとめ

高齢猫の「歯が腐っている」という主訴の裏には、腎不全などの全身疾患が潜んでいる可能性があります。
SOAPやPOSを用いて論理的に問題点を洗い出し、必要な検査と治療方針を提案していきましょう。
それでも飼い主さんが検査を拒否される場合、動物の安全を守るため治療をお断りする選択もやむを得ません。
看護師・動物看護師の皆さんも、獣医師の説明をサポートしながら、飼い主さんの理解度を高めるお手伝いをぜひお願いします。