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【症例報告】雄猫の尿路閉塞✖️心臓病の合併

症例の経過と治療内容

「おしっこが出ない」という症状で来院されました。一度、短期入院して静脈点滴を行ったところ、尿路閉塞が一時的に解除され、排尿ができました。しかし、2日後に再び詰まってしまったため、「会陰尿道瘻造瘻術」という手術を実施しました。

 

膀胱内には大量の浮遊物があります。

 

尿の排出方法

尿が排出できない場合、膀胱に針を刺して尿を抜き取りますが、この際、膀胱が膨らみすぎていると、針を刺した時に破裂することがあります。今回の症例では無事に尿を取り除くことができたため、翌日に会陰尿道瘻造瘻術を行いました。

 

大量の血尿です。膀胱がダメージを受けて出血しています。

会陰尿道瘻造瘻術について

この手術では、オス猫の細い尿道を肛門の近くに太い尿道として新しく出口を作り、排尿しやすくします。

 

スクロールすると写真が見れます

 

細い尿道の周りの筋肉を切って奥から太い尿道を手前に引っ張って来ています。

 

 

骨盤に着く筋肉を切断してさらに手間に引っ張ってきます。

 

尿道に先端の2.5倍のカテーテルが入るところで尿道をカットします。

 

肛門の下に尿道の出口をつくって固定縫合します。

 

この猫は洋猫で心筋症のリスクがあったため、心臓エコーで確認すると心筋が肥大しており、ACEI(ACE阻害薬)も併用することにしました。

分厚くなった心臓の筋肉がエコーで確認されます。

 

心臓の内部では逆流も確認されます。

今後の管理

  • 膀胱炎に関しては、適切な抗生剤を選ぶため、培養感受性検査の結果を待っています。
  • 新しい尿道の出口が肛門に近いため、便の菌が尿道に入りやすく、細菌性膀胱炎が起こりやすくなります。定期的な尿検査で感染を管理します。
  • アルカリ尿が原因でストルバイト尿石症になりやすいため、心臓に負担をかけないようにpHを下げる治療を行います。

肛門と尿道開口部が近くなるので💩の細菌🦠が入りやすくなります。

具体的には、心臓への負担が少ない腎臓サポートフードと、pHを下げるサプリ(ウロアクト)でコントロールしていきます。