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【症例報告】 パテラと前十字靭帯断裂を合併したトイプードルの手術症例

パテラ(膝蓋骨脱臼)と前十字靭帯断裂を同時に患ったトイプードルの手術

こんにちは。今回は後肢の跛行(足をずっとつけられない状態)で来院したトイプードルの症例をご紹介します。
触診とドロワーサインによる検査の結果、パテラ(膝蓋骨脱臼)だけでなく、
前十字靭帯断裂も同時に起こしていることがわかりました。

レントゲンは膝内部で前十字靭帯が切れて大腿骨と脛骨の連結が切れているので大腿骨が脛骨に乗らず、後方に落ちてしまっています。(前十字靭帯断裂)

症状が複数重なると治療も
複雑になりがちですが、しっかりと手術・術後ケアを行うことで改善を目指します。

手術概要

    • 🏥 滑車溝形成:膝蓋骨が安定して収まるよう、膝関節の滑車溝を深く形成

  • 🏥 lateral suture(外側支帯固定法):前十字靭帯断裂による関節のぐらつきを防ぐため、人工糸で補強

  • 🔧 周囲の組織・筋肉損傷にも注意:2つの処置を同時に行うため、組織への侵襲が大きく、痛みが強く出やすい

術後ケアのポイント

  • 十分な鎮痛管理
    周囲の筋肉や靭帯への負担が大きいため、痛みが出やすいのが特徴です。獣医師の指示に従い、
    鎮痛薬や冷却(アイシング)などを行い、痛みを緩和してあげることが大切です。
  • 傷口を舐めさせない対策
    手術後はどうしても傷口が気になり、舐めてしまう子がいます。エリザベスカラー
    や術後ウェアを使用して傷口を保護し、感染予防に努めましょう。
  • リハビリテーション
    手術後は患肢をかばってうまく使わない状態が続くと、筋力が低下し関節の可動域も狭まります。獣医師の指示のもと、
    散歩の距離や時間を段階的に増やしつつ、リハビリを行ってください。無理な運動は再負傷につながる恐れがあります。

注意点と今後の見通し

  • 再発リスクの低減:床が滑りやすい環境だと、関節に負担がかかりやすいため、
    フローリングの滑り止めマットの使用や
    適切な体重管理を行い、再発リスクを減らしましょう。
  • 定期健診:術後の経過観察のため、動物病院での定期的な健診が欠かせません。痛みや違和感が少しでも
    あれば、早めに受診し、適切な処置を受けましょう。


トイプードルのような小型犬ではパテラ(膝蓋骨脱臼)が珍しくなく、
前十字靭帯断裂を合併することもしばしば見受けられます。手術
適切な術後ケア、そして
リハビリをしっかり行うことで、再び元気に走り回れるようになる可能性は十分にあります。