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【症例報告】6歳のわんちゃんにできた肥満細胞腫の切除

6歳のわんちゃんのおへそ付近にできたしこりを切除しました。

細胞診の結果「肥満細胞腫」が疑われたため、広めのマージンを確保して摘出手術を行いました。術後の病理検査で完全切除と確認されましたが、再発や転移のリスクを考慮し、定期的にフォローアップを行います。


ポイント: 肥満細胞腫は悪性化する場合もあり、スキップ転移や遠隔転移が起こりうる腫瘍です。引き続き慎重に経過観察していくことが大切です。

しこりに気づいた経緯

  • 飼い主様が「おへその少し横にコリコリしたしこりがある」と発見
  • 痛みや発赤はなかったが、大きくなった気がするため当院を受診
  • 細胞診で肥満細胞腫を疑い、外科手術が勧められる

肥満細胞腫(Mast Cell Tumor)とは?

    • 免疫に関わる肥満細胞が腫瘍化した疾患
    • 稀に人間でも発生し、悪性の場合は周囲組織や遠隔臓器へ広がることも
    • 基本的には外科的切除が第一選択

分子標的薬(トセラニブ)の投与もあるが、1カ月程度で耐性化して効かなくなってしまうため、化学療法は最初の選択肢ではない。

手術のポイント

  • 腫瘍の周囲2~3cmと深部筋膜を含め、十分なマージンを確保
  • 術中に切除断面を割面スタンプ(印圧法)でチェックし、追加切除の要否を確認
  • 術後は大きな合併症なく、術直後から歩行など日常動作もスムーズ

病理検査と経過

  • 最終病理検査で腫瘍細胞が断端に及んでいないと判断され、完全切除
  • 肥満細胞腫特有のスキップ転移や遠隔転移を考慮し、定期的な検査を実施

まとめ

  • 6歳のわんちゃんの臍近くにできた肥満細胞腫を切除し、病理検査で完全切除を確認
  • 術後経過は良好だが、再発や転移の可能性があるため継続的にフォローアップ
  • 「しこりが気になる」場合は、放置せずに早期受診をおすすめ

最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。