診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-19:00
手術時間12:00-15:00
水曜・土日午後休診
まぶたに発生した約5mmの腫瘤(しこり)に対して、眼瞼の全層切除術および外眼角切開を実施した中高齢(シニア期)の小型犬の症例について解説します。まぶたのしこりは初期段階では軽視されがちですが、物理的なサイズが大きくなれば、それは瞬きのたびに角膜を傷つける凶器へと変わります。外科医としての論理的な視点から、早期介入の必要性と当院の管理体制のリアルを詳述します。
眼科領域において、「痛がっていないから様子を見る」という選択がいかに残酷な結果を招くか。そして、外科手術に伴う不可避なリスクをどうコントロールすべきか、その本質をお伝えします。
初診時、左まぶたに確認された約5mmの腫瘤は、小型犬の小さな眼球に対して極めて支配的なサイズでした。物理的に眼球を圧迫し、角膜を摩擦し続けるため、外科的摘出が強く適応される状態です。術前の検査では重篤な臓器疾患は認められませんでしたが、音に対する恐怖心や過去の発作様の既往を考慮し、中高齢であることを踏まえた慎重な麻酔計画を立案しました。
「様子を見る」という選択肢を選んだ場合に想定される予後は以下の通りです。
当院では麻酔の安全域を広げるため、全身麻酔薬にのみ依存しないプロトコルを徹底しています。術創部への局所浸潤麻酔を確実に併用し、痛みの信号を末梢で遮断することで、全身麻酔の深度を浅く保ちます。これにより、中高齢犬において懸念される術中の血圧低下や不整脈のリスクを論理的に最小化しています。
腫瘤の根絶のため、まぶたの表皮から結膜までをV字型に切除する「眼瞼全層切除」を実施しました。5mm幅の欠損を単純に縫合すると、まぶたの緊張が強まり眼が閉じられなくなるため、目尻を切開する「外眼角切開」を併用して皮膚をスライドさせ、縫合部の張力を解除しました。
想定される重篤な合併症:




術後管理においては、動物の精神的ストレスを最優先に考え、原則1〜3日での早期退院を方針としています。病院という非日常的な環境での長期滞在は、回復を妨げる要因となり得るため、早期に家庭内リハビリへと移行します。
夜間の管理体制についても事実を隠さずお伝えします。当院の夜間はスタッフ不在の無人となりますが、高精度のカメラによる遠隔監視を徹底しています。異常を検知した際は院長が深夜であっても駆けつけますが、自宅からの移動には約30分を要し、数分を争う急変には対応しきれない物理的な限界が存在します。 これが嘘偽りのない医療の現場のリアルです。
病理組織検査の結果は「肉芽腫性炎」でした。悪性腫瘍(がん)ではありませんでしたが、強い炎症反応が充実性のしこりを形成していました。術後、カラーが緩んだ隙に自身で患部を引っ掻き、出血と赤みが生じる合併症が発生しましたが、直ちにオフロキサシン眼軟膏等による対症療法を行い、事なきを得ました。外科手術は切って終わりではなく、術後の管理こそが予後を左右します。
体表腫瘍や一般軟部外科については当院で広く対応可能ですが、副腎摘出などの最深部アプローチ、尿管結石摘出、および輸血準備が必要な重度貧血が想定される症例については、命を最優先とし、高度医療機関・二次施設へ直ちに紹介するポリシーを維持しています。
手術とは生体に計画的な傷を負わせる行為であり、そこには常に「残酷な現実」と「合併症のリスク」が伴います。私たちはその事実を隠さずにお伝えします。ご家族にはそのリスクを受け止め、共に戦う覚悟を決めていただきたいと考えています。その覚悟に対し、私たちは論理的な誠実さをもって最善を尽くします。
We performed a full-thickness eyelid excision and lateral canthotomy on a senior dog with a 5mm eyelid mass. Leaving such masses untreated risks corneal perforation and permanent vision loss. To minimize anesthetic risk, we utilized local infiltration anesthesia to reduce the depth of general anesthesia. Pathology confirmed granulomatous inflammation (benign). Post-operative care involves 1-3 days of hospitalization with remote camera monitoring at night. Please note that immediate emergency response is physically limited during unstaffed night hours. We maintain a policy of referring complex cases to secondary institutions to prioritize life safety.
针对一只患有5毫米眼睑肿块的中老年犬,我们实施了眼睑全层切除术和外眼角切开术。如果任其发展,可能会导致角膜穿孔甚至失明。为降低麻醉风险,我们采用了局部浸润麻醉以减少全身麻醉深度。病理结果显示为肉芽肿性炎(良性)。术后住院时间通常为1至3天,夜间通过摄像头进行远程监控。需要说明的是,夜间无医护驻守,存在约30分钟的应对延迟。对于极高难度的病例,我们坚持转诊至二次医疗机构,以生命安全为首要目标。