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安心して預けていただくために。去勢手術前の検診が守るもの

去勢手術を「当たり前」の日常にしないために。
去勢手術は、多くのペットが一生に一度経験する一般的な手術です。しかし、全身麻酔を伴う以上、そこには必ず「安全へのステップ」が必要です。当院では手術当日を万全の状態で迎えるため、事前の検診を非常に重視しています。

【事前検診の目的】
それは、目には見えない体の内側のサインを読み解き、その子に最適な麻酔プランを組み立てることにあります。術前検査の内容とその意義について詳しく解説します。


「健康そう」を「安全」という確信に変えるプロセスです。

1. 獣医師による丁寧な身体検査

まずは数値化できない細かな変化を、五感を使って確認します。

  • ・聴診: 心音に雑音がないか、リズムに乱れがないかを詳しく確認します。心臓の機能は麻酔中の循環管理に直結します。
  • ・精巣の確認: 2つの精巣が正しく陰嚢内に降りているかを触診します。お腹の中に留まっている「潜伏精巣」の場合、手術時間が長くなるため、事前の把握が不可欠です。
  • ・粘膜のチェック: 歯茎の色などから貧血の有無や、血液の巡りがスムーズかを確認します。

2. 血液検査(内臓の機能評価)

麻酔薬を安全に代謝し、体から排出する能力があるかを客観的に評価します。

  • ・血球計算(CBC): 赤血球や白血球の状態を調べます。特に「血小板」の数は、手術中の止血能力を判断する重要な指標となります。
  • ・生化学検査: 肝臓や腎臓の数値を測定します。これらは麻酔を分解・排泄する中心的な臓器であり、ここの機能に問題がないことを確認して初めて、安全な麻酔が実行できます。

3. 歯科検診(一生使う歯を守るために)

去勢手術の時期は、永久歯への生え変わりのタイミングと重なります。この機会にお口の状態を詳しく診察します。

  • 【ワンちゃんの場合:乳歯遺残のチェック】
    小型犬では特に、乳歯が抜けずに残ってしまうことが多く、それが歯並びの悪化や早期の歯周病を招きます。麻酔下で同時に処置が必要かどうかを判断します。
  • 【ネコちゃんの場合:歯肉の状態と噛み合わせ】
    猫は骨格と歯のサイズのバランスが自然であるため、犬ほど乳歯のトラブルは多くありません。これは、永久歯が乳歯の真下から正確に生えてくることで、乳歯の根っこをスムーズに溶かして吸収できるからです。
  • しかし、猫でも若年性の歯肉炎や噛み合わせの異常は起こり得ます。普段見えにくい奥歯の裏まで、麻酔の機会を利用して徹底的にチェックします。


事前検診をおすすめする理由

手術当日ではなく、数日前に検査を済ませることには大きな意味があります。

  • ・万全の準備: 検査で小さな異常が見つかれば、先に治療を行ったり、麻酔薬の種類を調整したりすることで、リスクを最小限に抑えられます。
  • ・動物への負担軽減: 当日に「今日は手術ができません」となるのを防ぎ、動物たちの絶食・絶水時間を無駄にしません。
  • ・飼い主様の安心: 事前に結果を詳しくご説明し、納得いただいた上で当日を迎えることができます。

English Summary

Pre-operative screening for neutering includes a thorough physical exam, blood work (CBC and Biochemistry), and dental check-up. We ensure your pet’s liver and kidney functions are optimal for anesthesia. For dogs, we check for retained deciduous teeth, while for cats, we focus on gingival health and occlusion. Early screening ensures a safer, tailored anesthetic plan and peace of mind for owners.

中文摘要

去势手术前的检查包括全面的体格检查、血液分析(CBC和生化检查)以及口腔检查。我们通过血液检查确认肝肾功能是否足以支持麻醉。针对狗狗,我们会重点检查乳牙残留;而对于猫咪,则侧重于牙龈健康和咬合情况。术前检查能让我们提前发现潜在风险,制定最安全的麻醉方案,让爱宠和主人更安心。