047-700-5118
logo logo

診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診

banner
NEWS&BLOG
膀胱結石、尿道結石、膀胱炎💎何度もトイレに行っても少ししかおしっこをしない、血尿をしてる。

初診時に絶対見逃してはいけない疾患は、尿道閉塞と、ストルバイト結石です。

オス猫の細い尿道は、結石や血液凝固塊がすぐにつまり、容易に排尿できなくなります。これを解除してあげないと、おしっことして体外に出されるはずの毒素が身体に周り危険な状態になります。重篤な腎不全に至ることがあります。

何度もトイレに行くのに、おしっこがわずかしかでない。異様な声を出してうろうろしている、食欲不振や、嘔吐がある場合にはできるだけ早い受診が必要です。

また、結石は、いくつかの種類に分類され、代表的な結石はストルバイト、シュウ酸カルシウムです。内科療法で治療可能なのはストルバイトであり、他の結石は基本的に外科治療が適応となります。

まずは触診またはエコー検査やレントゲン検査で、膀胱を確認します。

排尿ができていれば膀胱は小さい状態です。膀胱結石も同時に確認します。

ただし、腎不全の場合には、そもそも尿が作れていないこともあるので、全身状態に懸念がある子では、血液検査で腎機能も確認します。

膀胱が大きく拡張している場合には、特にオス猫ではカテーテルで、ペニスから膀胱へ通過障害がないかを確認し、さらに尿検査を行い、内科治療可能なストルバイト結石か、外科治療の必要な他の結石かを診断します。

膀胱内に大きな結石がある場合には、ストルバイト結石だとしても、膀胱切開による結石の摘出が必要です。

また、オス猫で尿道が閉塞している場合には、膀胱から排尿ルートを別に作る手術(会陰尿道瘻造設術)が必要になります。

まとめると、初診時は、尿路結石の診断には、カテーテル検査で尿道から膀胱までの通過障害を確認し(尿道の細いオス猫の場合)、膀胱、尿道、腎結石を超音波検査、X線検査で確認、尿検査で結石分析が行われます。

尿路結石症とは

尿路結石症は、腎臓、尿管、膀胱、尿道の尿路系に結石が形成されることによって起こる疾患です。

また、石による痛みから食欲や元気がなくなることもあります。

排尿が1日見られなかったら尿路が閉塞していないかを確認します。

細菌感染による膀胱炎が合併することもあります。尿道が短くて細菌の進入を容易に許しやすい女の子のワンちゃんの方がかかりやすい傾向にあります。

猫に多いのが特発性膀胱炎です。特発性膀胱炎の炎症の原因は分かっていませんが、ストレスが重要な因子であると考えられています。ただ個人的には、原因不明の病気に対してストレスと言っているだけで、どんなに生活環境を気をつけたとしても再発すると考えています。

水分摂取量を増やすことで、尿を薄くして、血液凝固塊が細い尿道に詰まらないようにケアをしてうまく付き合っていくことが重要だと考えています。

尿路疾患の治療を受けたことがある猫ちゃんは、再発するリスクがあります。

ストルバイト結石症の食事

スクロールすると画像が見れます

 

ストルバイト結石症の食事は、尿pHを下げるミネラル排泄量を減らす尿量を増やすことを考えたフードに変えてあげることをおすすめします。ただし、子猫と子犬の場合は治療が異なります。また、煮干し、のり、ミネラルウォーターの摂取が多くなると、ストルバイト結石になりやすくなります。特に硬水は注意しましょう。

ストルバイト用の療法食は腎臓への負担がデメリットとなります。

腎臓病の子でストルバイト性膀胱結石になってしまった場合は尿pH値を下げるお薬、または腎臓への影響を配慮して食事ユリナリーS/Oエイジングを選択します。

他のストルバイト溶解食は:

  • ストルバイトケアスターター(Dr’s care)
  • S/d(ヒルズ)
  • ユリナリーS/O(ロイヤルカナン)

検査

尿検査を定期的に行います。

当院ではご飯を変えてから1週間後にします。

ストルバイトが溶けたら、再発していないか1~2ヶ月後に再度検査します。

1年以上再発がない場合は維持食に変えることができます。

  • ストルバイトケア
  • ユリナリーS/Oシリーズ
  • S/Oインデックスの表示があるフード

ストルバイト用サプリメント(pH調整)

ウロアクトプラス、メチオニンタブ、ウリナST、ウリナCAをお勧めしています。

ウロアクトプラスとメチオニンタブは院内で処方しています。

スクロールすると画像が見れます

細菌性膀胱炎の治療

どの抗生物質が効くのか検査(培養同定感受性試験)を同時に進めながら、結果が出るまでは(外注検査なので1週間程度かかります)、広域スペクトル抗生剤(広く内臓へ効く抗生剤)の投薬をおすすめしています。検査しないで投薬することもできますが、膀胱の上位は腎臓なので、細菌が上行に感染した場合には、腎盂腎炎になり、全身状態が悪化します。

水分摂取量を増やすために、トイレを1頭につき2つ用意してあげる、猫ちゃんが好んでお水を飲んでくれるようその子に合った水飲み場を作ってあげるなどをし予防してあげましょう。

犬では頻回に散歩に行くなど、尿を我慢させないように予防してあげましょう。

水分摂取量を増やし、尿を薄めることで、尿路結石のリスクを低減することができます。尿路結石を発症したことがある場合は、再発防止のために定期的な検査と治療を行うことが重要です。

飲水量が増えない場合には皮下点滴で対応することもできます。ただし心拡大を伴う心疾患がある子は禁忌です。

量は:

  • 犬は1kgあたり50ml
  • 猫は3kgまでは1kgあたり50mlですが、3kg以上で一律150mlまでとしています。

重度ではないけれど心臓に懸念がある子は半量で調整していただいています。

スクロールすると画像が見れます

膀胱切開の外科的な内容

膀胱結石切除(膀胱切開)は、膀胱内の結石を取り除くための手術です。手術後、3日から5日程度、血尿や頻尿の症状が出ますが、傷口の炎症が治まると、症状も落ち着いてきます。

尿路閉塞の治療方法

スクロールすると画像が見れます

排尿困難な猫の治療には、カテーテルを使用することがあります。しかし、カテーテルが正常に挿入されない場合、手術が必要になることがあります。

手術によって、尿路閉塞の原因となる狭窄部分を切開して尿の通り道を広げることができます。会陰尿道瘻造設術は外科治療の第一選択です。太い尿道を引き出してお尻に開口するように固定します。この手術によって、猫はより快適に尿を排出できるようになります。

術後は、摘出した結石を成分分析に提出して、食事療法の必要性を判断します。また、腎不全が継続する場合は、内科治療の継続が必要となります。尿の流れを改善する薬物療法や、猫の体内の不純物を除去する点滴療法があります。

他の手術様式

スクロールすると画像が見れます

②腹壁尿道瘻は、尿道が損傷しているなどで会陰尿道瘻造設術を行えない場合に行います。膀胱の近くで尿道を切断し、お腹に出口を作ります。外尿道括約筋を使い、自分の意思で排尿ができます。ただし、皮膚炎と膀胱炎になりやすく、対策が必要になります。

③腹壁膀胱瘻は、交通事故など、尿道全域を損傷している場合に行います。膀胱と腹壁を直接繋ぎます。自分の意思での排尿はできず、常に尿が出る状態となります。おむつ交換、皮膚炎・膀胱炎の治療が生涯必要になります。

いずれの術式でも、尿道が外界と近接するため、術後は細菌性膀胱炎が頻発します。定期的な尿検査で、適切な治療後でも、症状の再発や定期的な発症を避けられないことがあります。

高カリウム血症の治療