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心タンポナーデ

心タンポナーデとは

心臓の周囲に液体が溜まり、心臓の機能を著しく妨げる重篤な状態です。
迅速な診断と治療が必要です。

症状

・ 呼吸困難

・極度の元気喪失

・弱い脈拍

治療方法

・ 緊急穿刺術で心嚢内の液体を除去

・原因となる疾患(腫瘍、感染症など)の治療

心嚢水の抜去は場合によっては半永続的に続ける必要があります。
また、出血、感染、心臓や肺の損傷などのリスクもあります。

呼吸困難の対応

胸の動きが大きく、呼吸が苦しそうな場合は、ベトルファールを投与して、呼吸を楽にしてあげてください。
例え寝ている態勢を取っていたとしても、胸の動きが大きく、早い時は投薬をお勧めします。

重要なポイント

厳しい病気の際には、経済的な面や治療効果のバランスを考慮しながら、どこまで治療を行うか、通院治療を続けるかを相談することが大切です。

心嚢穿刺

準備 
17Gの留置針、翼状針、普通の針のどれかを使用。
穿刺部の毛刈りと消毒を行う。

穿刺の注意点
肋間から穿刺することを意識し、肋骨に触れないようにする。
肋間神経への障害は疼痛を伴うため注意する。
針を刺入する際は、心臓に向かう方向には刺さない(10mmくらい幅があるところを避ける)。

心嚢穿刺の詳細
出血性心嚢水: 多くの場合85~90%が出血性心嚢水であり、通常は凝固しない。左房破裂時には凝血塊が取れることもある。
状態確認: 心嚢穿刺後、心室内腔がちゃんと膨らむかどうかを確認する。
循環血液量の考慮: 循環血液量が減少している可能性を考慮し、十分な心拍出量を得られるまで輸液療法と昇圧を行う。
犬: 心嚢水抜去後にも輸液療法を行い、血圧が維持されるかを確認する。
猫: うっ血性心不全が原因の場合が多いため、心嚢水抜去後に輸液してはいけない。場合によっては利尿をかける必要がある。

心嚢穿刺の手技
心タンポナーデ: 第5-6肋間の腹側から心臓周囲に穿刺。
穿刺位置:
右前葉と中葉の間から刺す。
広範囲に皮下と筋肉にリドカイン0.9ml+メイロン0.1mlを使用。
右心は血管が少ないため、心臓を刺してもやや安全。
右前葉と中葉の間に心切痕があり、ここで穿刺するのが安全。