診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
3日以内に治らない、また、治ってはすぐぶり返してしまう消化器症状(下痢や嘔吐)の場合には、総合的な診断をおこなって、基礎的な疾患がないか探索します。
肝臓病や腎臓病
本来、解毒、代謝されて体外に出されるはずの毒素が体内に溜まってしまうことで、元気食欲の低下や、嘔吐下痢の症状を引き起こしてしまいます。
血液検査では、膵炎、肝臓病、腎臓病の有無を確認します。
エコー検査
肝臓、胆嚢、腎臓、脾臓、膀胱、消化管の腹腔内にある臓器を全て形態的に異常がないかを確認します。
消化管の腫瘍
エコーで発見します。
中心の白いラインが、食物などの通り道です。ご飯が通っている時は太いラインになります。
その外側に黒く分厚い粘膜下織、さらに外側にはミルフィーユ状に白黒と薄いラインが重なって見えるのが正常です。
エコーは体を縦に見たり、横にみたりするので、消化管が丸く見えたり、ソーセージ状に楕円形で見えたりしますが、基本的にこの層構造と、それぞれの厚みは変わりません。
画像はCLINIQUE ADVETIA Hugues Galliot,DVM講義より抜粋
大細胞性リンパ腫
若いリンパ球が腫瘍化することで、早期に転移を起こしたり、消化管穿孔を起こし、無治療の場合1ヶ月以内になくなってしまいます。
腹腔内に大きなしこりを形成するのが特徴で、
外来で、エコー検査と、しこりの細胞診検査で、診断が可能です。
腺癌
消化管の内側を閉塞させるように拡大していきます。悪性腫瘍で、上記の腫瘍のように、大きな腫瘤を形成するため、同様の検査手順で、診断を行います。
🌼消化管腫瘍のエコー画像です。
免疫抑制剤を必要とする消化管のアレルギーや、低悪性度のリンパ腫【高分化型リンパ腫】では、一般的な胃腸炎の治療では完治しないことが多く、症状の程度を見ながら、お薬を調整する必要があります。
また、消化管の悪性腫瘍のように、明確な腫瘤を形成しないので、
全身麻酔下で、胃から結腸までを直接触ることで、流れの悪そうなところ、硬そうなところを、直径6mmほどの消化管を切除し、
病理検査【病態の把握】
遺伝子検査、免疫染色【腫瘍だった場合の細胞の種類の同定】
を行い、
病気に対する薬の選択を行います。
低悪性度のリンパ腫
挙動は比較的穏やかで、副作用の少ない抗がん剤で、長期の生存期間を得ることができます。
無治療の場合には、高悪性度のリンパ腫へ移行することもあるため、早期診断、早期治療をすることが大切です。
診断をつけるには、全身麻酔をかけなくてはいけないため、決断されるには、飼い主様にはご心痛を伴うものだと思います。
麻酔をかけて大丈夫かを
全身の血液検査、胸部のレントゲン検査で、広く全身の体調を把握し、
麻酔中の事故を防ぐため、
術中の十分な輸液管理、心電図モニタ、体温、血圧、酸素化に努めています。
消化管を切除したところは縫合し、穴を塞ぎます。
そこが離開し、腹膜炎に至らないかも、術後の腹部エコーで確認します。
一般的に術後3〜5日が消化管の離開が起こりやすいタイミングなので、
1週間を超えて、元気であれば、心配はありません。
摘出した検体は病理センターに診断を仰ぎ、1週間〜10日ほどで結果を得ることができます。
慢性の消化器症状
さだひろ動物病院