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犬のガマ腫について

概要

ガマ腫(ガマ腫瘍、ラヌラ)は、主に犬の口腔内に発生する嚢胞の一種で、唾液腺の閉塞や破裂によって唾液が組織内に漏れ出し、嚢胞を形成します。これは、舌下腺や顎下腺が関与することが多いです。

原因

唾液腺の閉塞: 唾液腺や導管の閉塞により唾液が正常に排出されず、組織内に溜まることが原因となります。
外傷: 口腔内や顎周辺への外傷が唾液腺や導管を損傷し、唾液の漏出を引き起こすことがあります。
感染: 感染による炎症が唾液腺を閉塞させることもあります。

症状

口腔内の膨張: 舌の下や顎の周辺に柔らかい腫れが見られることが多いです。
嚥下困難: 嚢胞が大きくなると食物の嚥下が困難になる場合があります。
呼吸困難: まれに嚢胞が大きくなりすぎると呼吸困難を引き起こすこともあります。
痛み: 痛みを感じる場合もありますが、無痛性であることが一般的です。

緊急の状態となる場合の症状

以下の症状が見られる場合は、緊急の対応が必要です。
急激な腫れの増大: 短時間で著しく腫れが増大した場合。
呼吸困難: 嚢胞が大きくなり、気道を圧迫することによって呼吸が困難になる場合。
嚥下困難の悪化: 食事が全くできなくなる、または飲み込むことが非常に困難になる場合。

お家で観察するべき注意点

腫れの有無と大きさ: 口腔内や顎周辺に異常な腫れがないかを定期的に確認する。
食欲の変化: 食欲が低下していないか、食べ物をうまく飲み込めているかを観察する。
呼吸の状態: 呼吸が正常であるか、特に異常な呼吸音や努力呼吸が見られないか確認する。
よだれの増加: 異常な量のよだれが出ていないかチェックする。
痛みの兆候: 口や顎に触れた際に痛みを示すかどうかを観察する。

治療法

外科的介入: 多くの場合、嚢胞の除去が必要となります。嚢胞を形成している唾液腺を完全に摘出する手術が一般的です。
排液: 一時的な処置として嚢胞内の液体を排出することがありますが、再発することが多いため根治的な治療にはならないことが多いです。
抗生物質: 感染が原因の場合、抗生物質の投与が必要です。