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直腸の腫瘍、ダックスの炎症性ポリープ

大抵の下痢は内科療法に反応し、1週間ほどで改善が見られることが多いです。
高齢で、内科療法に反応しない、形が平らな弁をする、血便が止まらない症状の場合には、直腸検査や造影検査でしこりがないかをチェックし、必要があれば切除手術を行なっています。

ダックスフントでは、免疫のトラブルから、炎症がおこり、ポリープを形成してしまうことがあります。
小さければ、内科療法で治療していきますが、大きい場合は切除が必要です。

直腸の出口付近に限られたしこりは直腸を肛門から引き抜き、腫瘍のない粘膜を目視して、切除します。
とったしこりは病理検査に提出して、腫瘍なのか、炎症なのかを診断してもらいます。

炎症性ポリープでは、手術後の再発や、他部位の多発を起こしやすいため、免疫抑制剤の継続的な投薬が必要です。

 


M.ダックスフンドの結直腸炎症性ポリープ

  • 日本で飼育頭数の多いM.ダックスに多く発生が見られ、欧米での報告は認められない。
  • 原因は不明であるが、免疫介在性疾患が多発するM.ダックスであることから、免疫介在性に大腸の炎症性腸疾患(IBD)が基礎疾患として存在し、その中でポリープ様の隆起病変が形成されると考えられている。
  • 基本的には良性の非腫瘤性病変であるが、悪性転化することがあり、前癌状態であったり、一部癌化しているものもある。
  • 多くは直腸に認められるが、経過により炎症が波及して結腸にまで拡大することもある。

診断

 

  • 臨床症状

・ 血便、便への血液の付着

・ しぶり

・ 軟便、便形状の変化(細くなる)

・ 通常一般状態には変化なし

  • 血液検査
  • X 線検査、腹部超音波検査、CT撮影

  • 直腸検査

・ 腸管内腔に突出する隆起物が触知される

・ 腫瘤病変の肛門からの位置、方向、直腸の狭窄の程度、易出血性などを確認。

  • 下部消化管内視鏡検査

・ 炎症とポリープの程度、大きさ、広がり、肛門からの距離/方向を確認

・ 内視鏡下生検


外科的治療

  • 粘膜‐粘膜下織プルスル―法

・ 中程度以上の症例では第一選択。

・ 粘膜を超えて筋層以上に浸潤している場合には全層プルスルー

・ 病変が結腸上部にまで浸潤している場合は開腹下手術を併用。

※ 術後は、再発予防としてリマダイルの投与、食事管理を継続する。


     内科的治療

一般的には内科療法に対する反応は悪く、初期の軽症例や外科的治療と併用して用いる。

  • ステロイド剤

・ プレドニゾロン2-4mg/kg/dayから開始し、徐々に漸減。

  • 免疫抑制剤

・ ステロイドのみでのコントロールがうまくいかない場合

・ シクロスポリン 5-10mg/kg sid

  • NSAIDS

・ 軽症例、ステロイド漸減終了後、外科的な病変部切除後。

・ リマダイル 4.4mg/kg/day

 

  • 抗生物質

・ 他の治療と併用して

・ メトロニダゾール 10-20mg/kg bid

  • 食事管理

・ 大腸IBDに対して

・ 低アレルゲン食:アミノプロテクトケア、低分子プロテイン

低脂肪食      :消化器サポート(低脂肪)