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緩和ケアに使う薬

当院で使用する緩和ケアの薬をご紹介します。

それぞれに肝障害や、腎障害、鎮静などの副作用がありますが、これらの薬は発作や呼吸困難、鎮痛をメインに期待するので、使用時には、ある程度の臓器障害などはあきらめ、苦しみをとることを優先にした考えで投薬をお勧めしています。

終末期に、できるだけ苦しまないように、それぞれの症状に合わせたお薬を使用して、家族で最後の時間を、取っていただくためにご案内しています。

ダイアップ

発作止め

1. ダイアップ (成分名: ジアゼパム)
用量: 0.5 – 2mg/kg(直腸投与)(24時間で3回まで。10分以上間隔をあける)
効果発現時間: 5 – 10分以内
投薬回数: 必要時、単回投与。発作が続く場合は再投与可能。
注意事項: 長期使用は耐性ができやすく、頻繁な使用は推奨されません。

2. ジアゼパム注射薬
用量: 0.5 – 1 mg/kg(静脈内投与)
効果発現時間: 1 – 5分
投与量: 0.1 – 0.2 mL/kg(5 mg/mL)
投薬回数: 緊急時に単回投与。必要に応じて再投与可能。
注意事項: 短期間の使用が推奨され、長期使用は耐性や依存性のリスクがあります。

3. ミダゾラム注射薬
用量: 0.2 – 0.3 mg/kg(静脈内または筋肉内投与)
効果発現時間: 1 – 3分(静脈内投与)、5 – 10分(筋肉内投与)
投与量: 0.04 – 0.06 mL/kg(5 mg/mL)
投薬回数: 必要時、単回投与。鎮静効果が持続するまで追加投与可能。
注意事項: 呼吸抑制や血圧低下のリスクがあるため、使用中はモニタリングが必要です。単剤では十分な鎮静効果が得られないので、他の薬と併用する。

4. フェノバール注射薬
用量: 2 – 6 mg/kg(静脈内または筋肉内投与)
効果発現時間: 15 – 30分(静脈内投与)
投与量: 0.02 – 0.06 mL/kg(100 mg/mL)
投薬回数: 1日1 – 2回、または必要時に応じて投与。
注意事項: 経口投薬が難しいときに、注射薬として、持続時間の長い抗発作止めとして使用します。

※フェノバールとゾニサミドは併用不可

5. コンセーブ (成分名: ゾニサミド)
用量: 5 – 10 mg/kg(口腔投与)
効果発現時間: 1 – 2時間
投薬回数: 1日2回、毎日投与。

6. ガバペン (成分名: ガバペンチン)
用量: 10 – 30 mg/kg(口腔投与)
効果発現時間: 1 – 2時間
投薬回数: 1日2 – 3回、毎日投与。
注意事項: ゾニサミドだけで十分な抗発作効果が得られない時に追加する。粒が大きい。
ガバペン

吐き気止め(誤嚥抑制)

7. マロピタット (先発品セレニア) (成分名: マロピタント)
用量: 1 mg/kg(皮下注射または経口投与)
効果発現時間:
効果発現時間: 30分 – 1時間
投与量: 0.1 mL/kg
投薬回数: 1日1回、最大5日間連続投与可能。
注意事項: 長期使用は避けるべきで、急性腎障害のリスクがあるため、高齢動物や腎障害のある動物には慎重に投与する必要があります。

8. メトクロプラミド
用量: 0.2 – 0.5 mg/kg(静脈内または筋肉内投与)
効果発現時間: 30分 – 60分(静脈内投与)、30分 – 120分(筋肉内投与)
投与量: 0.04 – 0.1 mL/kg(5 mg/mL)
投薬回数: 1日1 – 3回

痛み止め

9. ベトルファール
用量: 0.2-0.5 mg/kg(皮下注射または静脈内投与)
効果発現時間: 15 – 30分
投与量: 0.04 – 0.1 mL/kg(5 mg/mL)
投薬回数: 必要に応じて投与。持続時間は4 – 6時間程度。
注意事項: 呼吸抑制や依存性のリスクがあるため、使用には慎重さが求められます。

10. ブプレノルフィン
用量: 0.005 – 0.02 mg/kg(皮下注射または静脈内投与)
効果発現時間: 15 – 30分
投与量: 0.025 – 0.1 mL/kg(0.2 mg/mL)
投薬回数: 6 – 12時間ごとに投与。
注意事項: 他のオピオイドと併用する場合、作用が拮抗する可能性があるため、呼吸抑制に注意が必要です。

※ブプレノルフィンとベトルファールは併用不可

11. メデトミジン
用量: 10 – 40 µg/kg(皮下注射または筋肉内投与)
効果発現時間: 15 – 30分
投与量: 0.01 – 0.04 mL/kg(1 mg/mL)
投薬回数: 必要に応じて単回投与。効果持続時間は数時間。
注意事項: 呼吸抑制や心血管系の副作用があるため、使用時はモニタリングが必要です。挿管を必要としない鎮静薬で、安楽死を迷う場合や終末期において使用されることがありますが、飼い主との十分な話し合いが必要です。

皮下点滴

皮下注射や筋肉注射で使用するお薬は、皮下点滴剤(例えばソルラクト30-50ml)程度に混ぜて皮下点滴として注射すると、注射だけで病院に通う必要がありません。