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腎臓病💉毒素がたまり、脱水で弱ってしまう病気です🐱加圧バッグを使った皮下点滴

腎臓の役割

腎臓は体内の水分を適切に保持することで脱水を防ぎ、体内に蓄積された毒素を尿として排出し、尿毒症を防ぎます。また、エリスロポエチンというホルモンを産生して貧血を防ぐ役割も担っています。

腎臓病とは

腎臓病には主に二つのタイプがあります。一つは急性腎臓病で、これは腎臓の機能が突然低下する状態を指し、結石の詰まりや薬物、毒物の影響によって起こることがあります。もう一つは慢性腎臓病で、主に高齢の動物に見られ、腎臓の機能が徐々に衰えていく状態です。

腎臓の半分が損傷を受けると、残った腎臓が尿毒素を排出するために余計な努力を強いられ、血管が収縮し尿の濾過に圧力がかかるため、結果として全身的な高血圧につながります。高血圧になることで脳内で出血が起こり、発作が発生することがあります。
腎臓の役割のイメージ

腎臓が悪くなると見られる症状

腎臓病が進行すると、脱水、薄い尿の大量排出、体内に尿毒素が溜まる、エリスロポエチンの減少による貧血などの症状が見られます。当院ではこれに対応するため、複数の検査を行っています。

  • 血液検査:貧血の程度、腎臓の機能マーカーであるBUNやクレアチニン (BUN、Cre:腎臓のマーカー 75%以上の腎臓のダメージで異常値 )、水分バランスを示すNaKCl(K(カリウム)の低値は食欲不振に繋がります。)リン濃度を測定します。
  • エコー検査:腎臓の異常を直接視覚的に確認し、尿検査では尿比重の低下(60%の障害)を確認します。

腎臓病のイメージ
エコー検査のイメージ
腎臓が悪化したときの症状のイメージ

エコー検査

エコー検査では腎臓のガン、尿管結石、腎嚢胞、腎臓萎縮がないかを診ています。青く囲ってある部分が腎臓で、赤く囲ってある部分が異常部位です。

血圧測定

血圧が維持できていないと尿からタンパク質が出ていってしまい、腹水が溜まることがあります。ただし、病院では緊張して血圧が高く出てしまうため、定期検査では行っていません。

飼い主様に見ていただくこと

以下の症状が見られた場合は、腎臓の状態が悪化している可能性がありますので、すぐにご相談ください。

  • 多飲多尿:水を飲む回数が増え、薄い尿を大量にする。
  • 体重減少:抱っこしたときに軽く感じる。

お家でのサポートのイメージ

お家でサポートできること

  • 脱水を防ぐ:飲水量を増やすために、飲み皿や飲み水の置き場所を工夫してください。
  • 尿毒素を溜めない:腎臓食(タンパク質、ナトリウム、リンの制限)を与え、ネフガードという吸着剤を使用してリンや尿毒素を腸内でキャッチし、体外に排出します。他のお薬と併用する場合は、薬の吸着を避けるため、1時間以上あけてから与えてください。
  • 貧血の防止:必要に応じて獣医師の指示に従い、治療を行います。
  • 血管拡張薬ラプロスを1日2回、錠剤として投与します。

症状が進んでいる場合

お家でのサポートが難しい場合は、獣医師の指示のもとで皮下点滴を行なってもらいます。使い終わった針は必ず病院で廃棄してください。

カリウム補正剤
血漿カリウム濃度 ソルラクト500ml ソルラクト250ml ソルデム3A(200ml) ソルデム3(200ml) 生食500ml 生食250ml
<2.0 38meq 19meq 12meq 12meq 40meq 20meq
2.1〜2.5 28meq 14meq 8meq 8meq 30meq 15meq
2.6〜3.0 18meq 9meq 4meq 4meq 20meq 10meq
3.1〜3.5 12meq 6meq 1.6meq 1.6meq 14meq 7meq

ソルデム輸液は、グルコースを含んでいるので、皮下点滴で使用できません。カリウム補正は静脈点滴を想定しているため、皮下点滴で行う場合は少量で補充し、食事でも補ってもらうためのサポートが必要です。