診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
動物病院の役割は、動物たちの健康と命を守るだけでなく、そのご家族の安心を支えることにあります。
ある日、一頭のワンちゃんが「腰の腫瘤(できもの)」を主訴に来院されました。私たちは、臨床医学に則った検査と診断——細胞診による炎症や感染の評価、抗生物質の処方、さらには手術適応の判断と実施——を順序立てて進めていきました。
手術の際には、感染予防のために十分な毛刈りと消毒を徹底し、その一連の過程はカルテと写真にて詳細に記録しております。医療現場における「記録」は、トラブル防止のみならず、医療の質保証の観点から不可欠なものです。
術後、縫合部の一部が離開するという予期せぬ事態が発生しました。速やかな再縫合と細菌培養検査という判断を下しました。
この背景には、「過去に他院にて1ヶ月以上の抗生剤長期投与歴(ストルバイト尿路結石治療)がある」という飼い主様の報告をもとに、耐性菌の可能性をも視野に入れるという現場の洞察がありました。
さらに、創の治癒経過に応じて開放創管理や外科的洗浄などの最適なケアを選択し、スタッフ一同、最善を目指して協働しました。
病理検査の結果、摘出した腫瘤は良性表皮嚢胞であり、その内部からすでに細菌が検出されたことも明らかになりました。
これは、手術時の毛刈りや消毒の不備による感染ではないことを、科学的・客観的に裏付けるものです。
これらの結果は外部の専門機関により検証されており、私たちの行った医療行為が、標準的かつ適正であったことを証明しています。
それにもかかわらず、下記のようなご要望やご不満が繰り返し寄せられました。
これらのクレームは、科学的根拠や医療現場の倫理・運用ルールを無視し、個別の感情やご都合を一方的に押しつけるものであり、他の患者様・動物たちの診療、公平性、さらにはスタッフの心身の健康にも影響を及ぼします。
動物病院はチーム医療の場です。すべてのスタッフが責任をもって協力し合い、役割分担のもとで安全と質の高いケアを提供しています。
また別の飼い主様より別の看護師宛に下記のようなご要望が行くことがありました。
特定のスタッフへの排除要求や主観的な謝罪方法へのこだわりは、現場の協調を乱し、診療全体の質・安全性を脅かします。同時に、会計や受付の優先順位においても、全体最適と現場の安全を優先しており、「個人的な都合による最優先要求」は受け入れられません。
私たちは、可能な限りご家族の不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明・対応に努めてきました。
しかし、医学的根拠や現場運営上の合理性を説明しても受け入れていただけず、理不尽なクレームが繰り返される場合、結果として他の患者様や動物たちへの影響が大きくなります。
誠に遺憾ながら診療の継続をお断りし、他院への転院をご案内する決断をせざるを得ません。
診療経過や検査結果については、新しい主治医へ適切に情報提供を行います。
私たちの使命は、「全ての動物とご家族に公平で安全な医療を提供すること」です。
医学的根拠、客観的記録、そしてチーム医療の尊重——これらを犠牲にするご要望やクレームには、お応えできません。
理不尽な要求に屈することなく、現場の秩序・公正・倫理を守ることが、本当に多くの動物たちとご家族を救うことにつながると信じています。
動物医療は科学と誠意、そして現場の協調によって成り立つ営みです。すべての方が安心して頼れる場所であるために、また診療を支えるスタッフが安心して働く環境を整備して最善の治療を提供できるように、ご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
さだひろ動物病院
院長 貞廣優子