047-700-5118
logo logo

診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診

banner
NEWS&BLOG
難産:胎児と子宮卵巣摘出

主訴と検査

昨日出産をしたが胎児が出でこないとの主訴で来院されました。
エコーとレントゲンを行いました。
エコーでは左の子宮には内容物は確認されませんでしたが、右の子宮角には混合エコー性の浮遊物が確認されました。
レントゲンでは胎児の骨が確認できました。
膣や子宮頚管で胎児が詰まってしまい、内部で胎児が腐敗し、細菌が繁殖することで、ガスも溜まってしまっていました。
子宮が破裂した場合には、細菌が全身に周り、急性の腹膜炎となり、敗血症性のショック死を起こすため、手術で、胎児を摘出し、子宮と卵巣も一緒に摘出しました。

手術方法

子宮と膣の間で胎児がつまり、尿道の開口部も圧迫していて、排尿もすることができなかったため、開腹時には膀胱も限界まで拡張していました。
開腹しているので、腹腔内近くで子宮を切開すると、細菌がお腹の中に広がってしまうので、胎児を押すと少し移動することがわかったので、まず卵巣の血管を処理して切離し、子宮角をフリーにしました。
ドレープの上で子宮角を縦に切開して、胎児を1匹ずつだし、(帝王切開と同様の術式)、詰まっている胎児も含めて子宮を空にしてから子宮の根元の血管を処理して摘出しました。
子宮近辺には膀胱の栄養血管もあるので、これらの血管を損傷しないように配慮して行いました。
伸び切った膀胱は収縮できず、術後も排尿が自力でできない事があるので、術後排尿がない場合には、圧迫排尿でサポートする必要があります。

術後

エコーにより、お腹の中に出血がないことも確認できたため、翌日退院となりました。
院内での排尿がなかったため、圧迫排尿を行いました。
退院後は術後服を着てもらい、抗生剤で細菌に感染しないように注意してもらいました。