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小型犬の骨折(トイ犬種の橈骨尺骨骨折)🐕骨折治療と検査

X線検査と骨折の種類

骨折に対するX線検査の目的は、骨折の種類を詳しく分析し、その後の治療の計画を立てるためです。骨が正しい位置に戻るためには、反対側の肢を見本として使用します。X線検査を行う際、必ず両側の肢を一つずつ撮影し、手と肘を含む2つの方向(上から下、そして横から)を正確な位置で撮影します。このような正確なX線画像を使うことで、はじめて骨折の詳しい分類が可能となるのです。

骨折した部位とその隣の関節を同時に正しい位置に合わせるのは難しい場合もあります。そうした場合は、関節ごとに正しい位置に合わせてから、2枚のX線画像を撮影します。

骨折は、骨折の場所や修正の難易度、骨折線の方向や数、そして骨が外に出てしまっているかどうか(開放性骨折)などにより、いくつかの種類に分けられます。

小型犬種の骨折

一般的に、骨折は骨折線の方向と数により、単純な骨折(横方向、斜め、または螺旋状の骨折)、楔状の骨折、または粉々になった骨折に分類されます。また、骨折の場所によっては、骨の上部、中央部、または下部の骨折に分けられます。

例えば、小型犬種でよく見られる前足の骨(橈骨と尺骨)の骨折では、全体の85%が下部1/3の場所で起こり、骨が外に出てしまう開放性骨折や楔状の骨折、または粉々になった骨折はあまり見られません。

橈骨と尺骨の骨折の中でも、尺骨が無事で橈骨だけが骨折している場合は、手術が比較的簡単です。これは、周りの軟部組織があまり影響を受けていないためです。しかし、両方の骨が骨折している場合は、特に骨折部位が下部に近いほど、骨を正しい位置に戻すことが難しく、手術の難易度が高くなります。

骨折の形状と治療の難易度

骨折した部分を適切に修正する方法や、治療の難易度を正確に判断するためには、骨折の形状をよく観察することが大切です。横骨折と短斜骨折が最も一般的な骨折の形状です。

横骨折の中には、骨折線の一部に凹凸があるものがあります。これらの凹凸は、骨折部分を正しい位置に戻す際の目印となります。また、凹凸を合わせることで、骨を正しい位置に戻しやすくなるため、比較的治療が容易な骨折の形状といえます。

一方、短斜骨折では、骨の断片同士が互いに擦れ合おうとする力が生じるため、横骨折よりも骨を正しい位置に戻すことが難しくなります。特に、前足の橈骨の下部で起こる短斜骨折は、治療が最も難しい骨折の一つとされています。

ペットの飼い主様の判断基準

骨折の種類を正確に分類し、治療の難易度を理解することで、ペットの飼い主様は一次臨床医で対処できるか、それとも専門の施設に相談すべきかを判断することができます。骨折の状況によっては、獣医師による専門的な治療が必要となることもあります。そのため、ペットが骨折した場合は早急に獣医師に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。