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腹膜透析

腹膜透析をご自宅で行われるかたへ

腹膜透析は、急性腎不全の治療や、消化管の穿孔により、毒素が腹腔内に散らばり、敗血症に至るのを防ぐのを目的とした治療です。

当院ではオープンドレナージシステムにて、治療を行っております。

ご自宅で、家族の時間を作りつつ、できることをやってあげたい場合に、ご参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

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お腹に2本のチューブが入っており、3方割栓か、キャップの付いているチューブに、温めた生理食塩水を接続します。

点滴バックと点滴ラインの接続方法などは動画にも移してありますが、多少、空気が入っても、大きな害とならないことが多いので、あまり神経質に気泡を抜く必要はないと思います。

①レンジで点滴バックを1分ごとに加熱し、人肌より、少し暖かい程度まで、温めてください。

②輸液ラインを、点滴バックのゴムキャップに刺し、クレンメ(ねじ)を上までスクロールします。

点滴が勢いよく輸液ラインの出口まで出たら、クレンメを閉じます。

(クレンメは1番下にスクロールすると、液体の流れがストップする仕組みです。)

③お腹のチューブのラップをとり、アルコール綿で拭き、輸液ラインを接続します。

④3方括栓のoff弁を何も接続のない出口に向けてください。(off方向には液体は流れません。)

⑤腹腔内に生理食塩水が入っていくと、お腹が膨らみ、横隔膜(肺と腹腔内を隔てる筋膜)が胸の方向に押されます。

この時、肺がうまく膨らめず、呼吸が苦しくなることがあるので、呼吸が速くなったら、クレンメを閉じ、腹膜透析を中止してください。

目安となる呼吸回数は、15秒で10回の呼吸が見られたら、早い呼吸です。

15秒6回程度で正常、2秒に一回と考えていただくと良いと思います。

⑥もう一本の緑色の廃液チューブから、液が出ていることを確認します。

⑦猫ちゃんをうつ伏せにすると、肺が膨らみやすいです。

⑧体温が下がることがあるので、生理食塩水が暖かいこと、室温や保温バックの温度管理にも気を使ってあげてください。

⑨動き回る子はシーツを敷き詰めてあげてください。

⑩からだが濡れたままだと、冷えてしまうので、時々タオルドライもしてあげてください。

病院では5分流し、ストップ、様子を見て、また5分再開といった感じで看護をしています。

透析が終わったら、アルコール綿で、3方括栓を消毒して、ラップなどで巻いてください。

たれ下がって邪魔な場合は背中でテープをお腹一周ぐるっと巻いて、固定すると良いと思います。

廃液ドレーンから出る液体が黄色いときは腹腔内の感染を疑い、透析を行なっています。

また、生理食塩水でお腹を洗うと、腸が浮腫になり、下痢をする子がいるので、事前に下痢止めや、吐き気どめなども、投与のご案内をしています。

重症期治療をご家族でご案内するのは賛否両論ある事は承知しております。

術後でグッタリしている猫ちゃんが、お父さんとお母さんが面会に来るだけで立ち上がったり、ご飯を手差しで食べる様子を見ると、この子たちにもきちんと気持ちがあって、落ち着ける環境があるんだなと日々の診療で感じることが多くあります。

 

飼い主様の精神的な支えが必要な時に、私たちがサポートすることで、通院ストレスを減らし、一緒に居られる時間を少しでも長く作る事ができれば、それ以上に幸せな事はありません。

 

初めての事や、大きな病気と向き合う時、不安で胸がいっぱいになると思います。

病気と闘う猫ちゃんわんちゃんは自分の病気を理解することはありません。

家族が泣いていると心配になり、不安になるのだろうと思います。

闘病中はなるべく落ち着いて接してあげて、たくさん話しかけてあげたり、撫でたりしてあげてください。

辛い事や不安な事が有れば、当院スタッフまでご相談いただき、お力添えできれば幸いです。

 

腹膜透析 さだひろ動物病院