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骨の腫瘍

骨に発生する腫瘍には

①原発性【骨が最初のがんの発生源となるタイプ】

②転移性【最初に発生した部位は別の場所で、骨に転移を起こしているタイプ】

 

に分けられます。


最初の症状としては、びっこをひき、初期の鎮痛剤などで、一旦はよくなるのですが、再びびっこの症状が現れるなどの特徴があります。

当院では、鎮痛剤で5日以上経っても、経過がよくならない、または悪化している場合には、

初期に病変がなくとも、

以下の検査を行うことを推奨しています。


レントゲンで骨病変の変化【骨が溶けたり、再生している像がないか】

血液検査

CRPの上昇【腫瘍などの大きな病気を持つときに著しい異常値を示します】

ALPの上昇【骨が破壊されている時に上昇することがあります。】


①原発性疾患では

骨肉腫、組織球肉腫、軟骨肉腫、線維肉腫、血管肉腫

が挙げられます。

 

  • 骨肉腫

犬では骨に発生する85%を占めます。

通常、発生する骨は局所に留まり、関節を越えて隣の骨に行くことは少ないです。

非常に転移率が高いため、初期の発見時には、90%以上で、肺に転移している可能性があるため、肺のレントゲンを多角的に撮影し、転移を確認します。

大型犬に多く、前肢は後肢に比べて2倍発生しやすく。

🌼肘から遠い部位が好発部位になります。

(上腕骨の肩関節側と、橈骨の手根関節側)

🌼また、後肢では膝の近くが好発部位となります。

(大腿骨の膝関節側と、脛骨の膝関節側)

 

  • 組織球肉腫

骨の近くの筋肉などから発生し、骨に浸潤して広がっていきます。関節を超えて、隣の骨に浸潤するという特徴があります。

近くのリンパ節に転移するので、痛がる骨の部位の近くのリンパ節が大きくなっていたら、

細胞診【外来で麻酔をせずに針を腫瘍に刺して、顕微鏡でガン細胞の確認をする検査】にて、診断を下せる場合があります。

治療法は断脚と、微小の腫瘍細胞を撲滅するための、術後の抗がん剤治療となります。

断脚の目的は、持続的な痛みからの解放です。

痛みが持続することで、気分が暗くなったり、食欲がなくなったりし、弱っていきます。

3本足になった途端、顔をあげ、ご飯を食べるようになったり、活力を取り戻すことが多いです。

ただし、断脚しただけでは、残念ながら大きく寿命を伸ばすことができないため、傷が落ち着く2週間程度から、抗がん剤治療が必要となります。

 

過去に骨折の治療を行なっていたり、骨折のインプラントが入っている子では、腫瘍が発生しやすいため、びっこの症状が見られたら、気にしてあげる必要があります。


②転移性腫瘍では

多発性骨髄腫、リンパ腫などを疑います。

これらは主に抗がん剤で治療していくので、血液検査で、増えてくるグロブリンマーカーや、他の病変がないかを全身的に精査も行います。


③非腫瘍性疾患では、細菌などの感染などの可能性が考えられます。


確定診断を下す時には、骨生検が必要です。

全身麻酔にて、鎮静、鎮痛を行い、

皮膚を小さく切開して、太めの針を骨に刺し、組織を採取します。

膿が見られる場合には、細菌培養、抗生剤に対する薬剤感受性検査も行います。

 

 

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