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肺葉切除(外科研修備忘録)

肺葉切除の備忘録

このページは、肺葉切除の手順を記した個人的なメモです。
手書きの資料をもとに、分かりやすくまとめてみました。

執刀のポイント


各ステップで使用する器具や注意点を、分かりやすく解説していきます。

1. 手術の準備

  • 体位: 左側を上にした横臥位(左肋間開胸)で行います。
  • 毛刈り: 肩甲骨、肘、背側正中、胸骨を越えて反対側、第13肋骨まで広範囲に毛を刈ります。

2. 開胸

  • 皮膚切開: 背側は正中近くから胸骨まで、皮膚と皮下脂肪を切開します。
  • 肋骨の確認: 皮下に指を入れ、頭側から肋骨を数え、第5肋骨を確認します。
  • 肋間開胸: 第5肋間を開けて胸腔にアプローチします。
  • (注意)腫瘍が大きくて肋間から出せない場合は、肋骨の切断も検討します。

3. 肺腫瘍の剥離

  • 肺と心臓の位置関係を確認しながら、慎重に剥離を進めます。
  • 電気メスを使い、腫瘍の表面から薄く剥がしていきます。
  • (注意)肺を長時間持ち上げ続けるとダメージになるため、7分経ったら一旦胸腔内に戻し、濡れたガーゼで保護して休ませます。
(ここに剥離中の写真を追加)

4. 血管と気管支の処理

  • 血管の結紮: 肺動脈を3重に結紮(けっさつ)します。血管の裏に直角鉗子を通し、糸でしっかりと縛ります。
  • 血管の離断: 結紮した部分を血管はさみでカットします。
  • 気管支の結紮: ミラーズ変法で気管支を結紮します。PDS(吸収性縫合糸)を生食で濡らしてから結紮するのがポイントです。
  • (注意)血管や気管支の近くには神経が走っているため、傷つけないように細心の注意を払います。

5. 閉胸

  • リークチェック: 胸腔内に生食を満たし、気管支や肺から空気の漏れ(リーク)がないか確認します。
  • 縦隔の切除: 残った肺葉が捻転するのを防ぐため、心臓の後ろにある後縦隔を切除します。
  • 胸腔チューブの設置: 胸腔内の液体や空気を排出するため、チューブを設置します。
  • 切開した肋骨や筋肉を縫合し、閉胸します。
(ここに閉胸後の写真を追加)

※この内容は、個人の学習と記録のためのものです。実際の医療行為については、専門家の指示に従ってください。