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皆様、こんにちは。
大切な家族である猫ちゃんの健康は、飼い主さんにとって何よりも気掛かりなことですよね。今回は、猫の体調不良のサインの一つである「黄疸(おうだん)」と、その背景に隠れている可能性のある病気について、詳しく解説していきます。
猫の黄疸でまず疑われるのは、胆管肝炎や膵炎です。
特に、黄疸と胆管の肥厚が確認されると、以下の3つの臓器が同時に炎症を起こす「三臓器炎」の可能性を考えます。
【知っておきたい検査のこと】
総胆汁酸(T-Bil)の数値に異常がある場合、追加の胆汁酸試験(TBA試験)は不要です。また、腸炎の治療は、人のIBD(炎症性腸疾患)と同じようなアプローチで行います。
胆管肝炎が疑われる場合、超音波検査で様子を見ながら細胞を採る検査(細胞診・FNA)を行うことがあります。しかし、その前には必ず血液が固まる機能(凝固系)のチェックが不可欠です。
この状態を改善するため、ビタミンKを注射で補い、血液が固まる時間を定期的にチェックします。胆汁の流れが元に戻れば、凝固系の異常も正常化していきます。
より正確な診断のために組織の一部を採取する「生検(バイオプシー)」には、いくつかの方法があります。
急な食欲不振で来院した4歳の男の子(去勢済)
症状:急性の食欲不振、触診で腸の肥厚あり。
検査:細胞検査でリンパ球優位の混合炎症。リンパ腫は否定。
治療:ビタミンB12の注射、加水分解食(アレルギー対応食)、プレドニゾロン(ステロイド)による治療を行いました。
猫の黄疸は、原因となる場所によって大きく3つに分類されます。
※薬物性では人の風邪薬に含まれるアセトアミノフェンによる中毒が最も多いので絶対に与えないでください。
猫の黄疸について、少し詳しく解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
「いつもと違うな」と感じたら、それは大切な愛猫からのサインかもしれません。気になることがあれば、早めに動物病院に相談してくださいね。
ご一読いただき、ありがとうございました。