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舌の腫瘍

舌の腫瘍の原因と治療

舌の腫瘍の原因には、悪性黒色腫(メラノーマ)、扁平上皮癌、線維肉腫、形質細胞腫などがあります。舌の腫瘍がリンパ節に成長することがあるので、注意が必要です。手術で舌の腫瘍を取り除ける場合は、できるだけ手術する方がいいです。特に扁平上皮癌は、リンパ節転移や肺転移の可能性があるため、早期治療が大切です。舌の腫瘍は、組織生検を行って確認することが推奨されています。

舌の機能と構造

舌は、食べ物をつかんだり咀嚼したり、体温調節や発声などに使われる大切な組織です。舌は、骨格筋でできており、舌根が口の中につながっています。

舌の切除について

舌の切除には、部分的摘出術、亜全摘出術、全摘出術の3種類があります。犬の舌の切除限界は、舌の50%までの切除であれば、問題なく生活できることが多いです。手術直後は、縫合部の癒合が完了するまで胃造瘻チューブなどの

給餌経路を確保しておくことが大切です。部分的摘出術は、舌の一部を切り取る場合や、舌小帯の側の自由に動く部分を全部切り取る場合があります。

亜全摘出術(subtotal)は、舌小帯の尾側までの舌を取り去り、オトガイ舌筋やオトガイ舌骨筋も切り取る手術です。亜全摘出術(near total)は、舌全体の75%以上を切り取る手術です。

全摘出術は、舌の全部を取り去る手術です。犬の場合、舌の50%までの切除であれば、機能的に問題はほとんどありません。しかし、全摘出術のように舌を大きく切除する場合、手術直後は自力で食べることができないため、胃造瘻チューブなどの給餌方法を確保しておく必要があります。

猫の場合、50%以上の舌切除術は推奨されず、広範囲の切除は機能面や術後の合併症を考慮する必要があります。犬では、手術後は、縫合部の癒合が完了したら、徐々に食べることを学習させます。ただし、広範囲の舌を切除した猫には、訓練があまり意味がない場合があります。人では、手術後の誤嚥性肺炎が報告されています。犬での報告はなく、起こりにくいかもしれませんが、注意が必要です。

手術の実際

舌の裏側には中央に大きな血管が走っているので、損傷しないように、丁寧に切開、剥離を行います。





舌の裏の太い血管

損傷すると、術後に舌への栄養血管がなくなり、舌が壊死します。損傷しないように、丁寧に切開、剥離を行います。