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血小板減少症

免疫が関係する血小板が少なくなる病気(IMT)とは

IMTは、体の免疫が血小板を壊してしまい、血小板が足りなくなる病気です。犬ではよく見られますが、猫ではあまりありません。IMTは、原因がはっきりしていないものと、別の病気が関係しているものの2つに分かれます。症状は、皮膚や粘膜から血が出ることがあります。ただし、猫ではあまり起こらないので、どのくらいの頻度で起こるかはわかりません。

診断方法

原因がはっきりしていないIMTは、他の血小板が少なくなる病気を除外して診断します。そのために、病歴や身体検査、血液検査、尿検査、便検査、X線検査や超音波検査などを行います。

治療方法

軽い症状の場合は、通院治療を行います。しかし、血が出るような症状がある場合は、入院して治療を始め、慎重に経過を見ます。

IMTの一番大切な治療は、免疫を抑える治療です。最初に使う薬は副腎皮質ステロイド薬です。猫では、犬と違って、副腎皮質ステロイド薬以外の薬を使うことが効果的かはっきりしていません。しかし、血が出るような症状がある場合は、血小板が早く回復することを期待して、ヒト免疫グロブリン製剤(IVIG)を使うことがあります。

猫のIMTの治療の結果については、まだ十分にわかっていません。しかし、過去の報告では、寛解(症状が消えること)が見られた症例もあるので、猫でも免疫抑制療法が効果的な可能性があります。ただし、寛解した場合でも再発することがあるため、経過を慎重に見る必要があります。

薬による治療

最初の症状が落ち着くための治療として、薬1を使います。薬1をたくさん使う場合は、薬2か3のどちらかを一緒に使います。重い症状で、急いで血小板を増やす必要があるときは、薬4を使うことを考えます。薬1だけでは症状がよくならないときは、薬5から7のどれかを一緒に使います。消化管から血が出るときは、薬8も使います。

薬1: プレドニゾロン(プレドニン錠)
2〜4mg/kg/日、口から、1日に1〜2回

薬2: ファモチジン(ファモチジン錠)
0.5~1mg/kg、口から、1日に2回

薬3: オメプラゾール(オメプラゾール錠)
0.5〜1mg/kg、口から、1日に1〜2回

薬4: ヒト免疫グロブリン製剤(ガンマガード注)
0.5〜2g/kg、6~8時間かけて点滴

薬5: シクロスポリン(アトピカ錠など)
5~10mg/kg、口から、1日に12回

薬6: ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト錠)
10mg/kg、口から、1日に2回

予後

猫のIMTの予後についての情報はまだ少ないですが、過去に報告されたいくつかの症例では、最初の治療で症状がよくなった猫もいました。これから、猫でも免疫抑制療法が効果的である可能性があると考えられます。ただし、症状がよくなった猫でも再発することがあるため、治療がうまくいっても、注意深く経過を見る必要があります。