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【症例報告】10か月パテラグレード3で前十字靭帯断裂を整復


今回は、まだ生後10ヶ月のポメラニアンちゃんが両後ろ足の膝のお皿(パテラ)が外れてしまう
「パテラ脱臼」のグレード3(重度)と診断され、特に右後ろ足は前十字靭帯が断裂してしまい、
完全に足を上げたままになっていた症例をご紹介します。


セカンドオピニオンとして来院

最初に診察を受けた病院では、両後ろ足ともに手術が必要と言われていたのですが、
飼い主さまがセカンドオピニオンとして当院にご相談にいらっしゃいました。


治療方針

  • 左後ろ足:リハビリを中心に、筋力アップを図りながら様子を見ます。
  • 右後ろ足:膝の構造自体が大きく乱れていたため、手術で解剖学的なバランスを整えることにしました。具体的には、大腿骨(太ももの骨)の膝のお皿がはまる溝を深くする「滑車溝形成術」と、「関節外制動術」という方法で膝を安定させています。



手術後は、患肢をまっすぐに伸ばすために「ロバートジョーンズ包帯」で固定しながら、
足裏を地面につける練習を始めます。その後、本格的なリハビリを進めていく予定です。


さらに重度(グレード4)の場合

パテラ脱臼がグレード4まで進行すると、大腿骨そのものが弯曲してしまい、
骨を切ってまっすぐに修正する大掛かりな手術が必要になる場合があります。
ここまで進むと、当院の設備や技術では対応が難しいため、
整形外科専門の病院(いわゆる「2次施設」)にご紹介することになります。


費用面・リスク面のご相談

2次施設での手術は、高度な医療が受けられる反面、費用が高額になりやすい傾向があります。
また、手術の種類が増えるほど合併症のリスクも高まります。
そこで、まずは当院で可能な治療やリハビリで対応できるかどうか検討し、
飼い主さまのご予算やご希望を含めて、最適な治療法を一緒に考えていきたいと思っています。


パテラ脱臼は放っておくと進行してしまうこともありますが、
早めに適切なケアをすることで、わんちゃんが快適に過ごせるようになる可能性は十分にあります。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談くださいね。