047-700-5118
logo logo

診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診

banner
NEWS&BLOG
けいれん発作

けいれん発作とは

けいれん発作は、脳に異常な電気信号が広がることで引き起こされる症状です。脳全体に異常な信号が行き渡ると、全身に影響を及ぼす全身けいれん発作が発生します。けいれん発作が繰り返し起こると、発作の頻度が増し、持続時間も長くなる可能性があります。


けいれん発作の原因(脳)

1. 特発性てんかん
• 特に犬に多く見られます。
• 治療には抗てんかん薬が用いられます。
2. 症候性てんかん
• 猫では、症候性てんかんが多く見られます。


けいれん発作の影響と対処

けいれん発作が発生すると、心停止や呼吸停止を引き起こす危険性があるため、発作を抑えるための治療が必要です。呼吸不全や発作を目の当たりにすると、飼い主もパニックに陥ることがあると思いますが、冷静に対応することが大切です。また、ペットがリラックスできる時間を多く確保してあげることも有効です。


けいれん発作の原因

脳以外にも以下の原因が考えられます:

  • 心臓
    • 不整脈や重度の心不全により、脳への血流が不足することが原因となります。
  • 肝臓
    • 門脈体循環シャント、肝硬変、肝炎により、解毒されるべき毒素が脳に影響を与え、発作が引き起こされることがあります。
  • 腎不全
    • 尿毒が体内に蓄積し、脳に作用して発作を引き起こします。
  • 副腎皮質機能低下症(アジソン病)
    • ステロイドホルモンの分泌異常により、電解質バランスが乱れ、発作や震えが生じます。
  • 低カルシウム血症
    • 震えを伴うことがあります。
  • 低血糖
    • 子犬や子猫で、適切に食事が取れないときに起こることがあります。

てんかんとは

てんかんは、脳の電気的異常によって、同じパターンの発作が繰り返し起こる病気です。特発性てんかんの診断には、以下の条件が必要です:

  • MRI検査で脳の器質的病変が見られないこと。
  • 脳脊髄液検査で代謝性の異常がないこと。

犬の特発性てんかんの罹患率は1〜2%とされており、特に1〜5歳で発症することが多いですが、6カ月〜10歳以上でも発症する可能性があるため注意が必要です。診断には発作の確認が重要であり、血液検査や尿検査で他の疾患を除外し、MRIや脳脊髄液検査を行うことで、特発性てんかんと診断します。猫では、特発性てんかんよりも、脳の病変や他の疾患に起因する症候性てんかんが多く見られます。


ゾニサミド(商品名:コンセーブ)

ゾニサミドは、特発性てんかんの治療に広く用いられ、80%以上の効果が期待されます。通常、ゾニサミドは2.5〜10mg/kgの範囲で1日2回投与されますが、最低用量では多くの個体で血中濃度が基準値に達しないことがあるため、重度の鎮静が見られない限り、まずは多少多めの用量で抗発作治療を行い、症状が安定してきたら徐々に用量を減らすようにします。また、ゾニサミドの効果が安定して得られるまでには10日から14日かかるため、途中で投薬を中止すると血中濃度が下がり、効果がなくなってしまいます。鎮静以外の副作用は考えにくいので、他の気になる臨床症状には異なるアプローチが必要です。

ゾニサミド治療の目的

てんかん治療の目標は、発作の頻度を減らし、副作用を最小限に抑え、犬とその家族の生活の質を向上させることです。治療はほぼ一生続くため、家族にはてんかんの理解を深め、長期的な治療に協力していただく必要があります。ゾニサミド使用時には、肝臓の薬剤代謝酵素を阻害する薬剤との併用に注意が必要です。

ゾニサミドの使用法

ゾニサミドは、犬の体重に応じて2.5〜10mg/kgの投与量1日2回、経口投与します。投薬後2週間で診察を受け、血液検査により投薬量を調整します。投与中の副作用は軽度であり、1日〜数日で消失することが多いです。発作が再発した場合には、投薬量の増加を検討し、副作用がなくても発作が改善しない場合は、他の薬剤の併用を考慮します。

投薬開始後は、肝炎などの副作用がないか、抗てんかん薬の血中濃度が適切に維持されているかを定期的に血液検査で確認する必要があります。発作薬(ゾニサミドやフェノバール)の有効血中濃度を測定する際は、最後に薬を服用してから6時間程度間隔を空けたタイミングで測定するのが理想的です。トラフ値(薬が代謝されて血中濃度が最も低下した時点)が有効血中濃度に達している場合、安定して発作を抑制できていると評価されます。朝一番の検査をご希望される場合は、投薬しない状態で採血し、その後に投薬を行うことをお勧めします。

ジアゼパム坐薬(ダイアップ)

頻繁な発作ではなく、単発の発作が見られる場合には、ジアゼパム坐薬(ダイアップ)を処方することがあります。使用方法は以下の通りです:

  • ダイアップ (成分名: ジアゼパム)
  • 用量: 0.5 – 2mg/kg(直腸投与)
  • 効果発現時間: 5 – 10分以内
  • 投薬回数: 24時間で最大3回まで。10分以上の間隔をあけて投与。
  • 注意事項: 長期使用は耐性ができやすく、頻繁な使用は推奨されません。