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けいれん発作は、脳に異常な電気信号が広がることで引き起こされる症状です。脳全体に異常な信号が行き渡ると、全身に影響を及ぼす全身けいれん発作が発生します。けいれん発作が繰り返し起こると、発作の頻度が増し、持続時間も長くなる可能性があります。
1. 特発性てんかん
• 特に犬に多く見られます。
• 治療には抗てんかん薬が用いられます。
2. 症候性てんかん
• 猫では、症候性てんかんが多く見られます。
けいれん発作が発生すると、心停止や呼吸停止を引き起こす危険性があるため、発作を抑えるための治療が必要です。呼吸不全や発作を目の当たりにすると、飼い主もパニックに陥ることがあると思いますが、冷静に対応することが大切です。また、ペットがリラックスできる時間を多く確保してあげることも有効です。
脳以外にも以下の原因が考えられます:
てんかんは、脳の電気的異常によって、同じパターンの発作が繰り返し起こる病気です。特発性てんかんの診断には、以下の条件が必要です:
犬の特発性てんかんの罹患率は1〜2%とされており、特に1〜5歳で発症することが多いですが、6カ月〜10歳以上でも発症する可能性があるため注意が必要です。診断には発作の確認が重要であり、血液検査や尿検査で他の疾患を除外し、MRIや脳脊髄液検査を行うことで、特発性てんかんと診断します。猫では、特発性てんかんよりも、脳の病変や他の疾患に起因する症候性てんかんが多く見られます。
ゾニサミドは、特発性てんかんの治療に広く用いられ、80%以上の効果が期待されます。通常、ゾニサミドは2.5〜10mg/kgの範囲で1日2回投与されますが、最低用量では多くの個体で血中濃度が基準値に達しないことがあるため、重度の鎮静が見られない限り、まずは多少多めの用量で抗発作治療を行い、症状が安定してきたら徐々に用量を減らすようにします。また、ゾニサミドの効果が安定して得られるまでには10日から14日かかるため、途中で投薬を中止すると血中濃度が下がり、効果がなくなってしまいます。鎮静以外の副作用は考えにくいので、他の気になる臨床症状には異なるアプローチが必要です。
てんかん治療の目標は、発作の頻度を減らし、副作用を最小限に抑え、犬とその家族の生活の質を向上させることです。治療はほぼ一生続くため、家族にはてんかんの理解を深め、長期的な治療に協力していただく必要があります。ゾニサミド使用時には、肝臓の薬剤代謝酵素を阻害する薬剤との併用に注意が必要です。
ゾニサミドは、犬の体重に応じて2.5〜10mg/kgの投与量を1日2回、経口投与します。投薬後2週間で診察を受け、血液検査により投薬量を調整します。投与中の副作用は軽度であり、1日〜数日で消失することが多いです。発作が再発した場合には、投薬量の増加を検討し、副作用がなくても発作が改善しない場合は、他の薬剤の併用を考慮します。
投薬開始後は、肝炎などの副作用がないか、抗てんかん薬の血中濃度が適切に維持されているかを定期的に血液検査で確認する必要があります。発作薬(ゾニサミドやフェノバール)の有効血中濃度を測定する際は、最後に薬を服用してから6時間程度間隔を空けたタイミングで測定するのが理想的です。トラフ値(薬が代謝されて血中濃度が最も低下した時点)が有効血中濃度に達している場合、安定して発作を抑制できていると評価されます。朝一番の検査をご希望される場合は、投薬しない状態で採血し、その後に投薬を行うことをお勧めします。
頻繁な発作ではなく、単発の発作が見られる場合には、ジアゼパム坐薬(ダイアップ)を処方することがあります。使用方法は以下の通りです: