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細胞診と病理検査(しこりを見つけたら👓腫瘍の診断)

しこりを見つけたら

がんか、それ以外かをまず診断をつける事が、その後の治療を選択する上で非常に重要です。

外来で細い針をしこりに刺して、顕微鏡で細胞を観察して診断する細胞診

外科手術でしこりを切除して確定診断をつける病理診断の2つの方法があります。

病理診断は、小さなしこりなら全身麻酔ではなく、局所に痛み止めを打つ事で行うことができます。詳しくはご相談ください。

病理診断の概要

腫瘍を外科的に切除した後は、病理検査に提出して診断を待ちます。病理診断では最初に、炎症か、腫瘍かを病名で診断し、腫瘍の場合は、良性か、悪性かを確認します。特に悪性の場合は、がんが取り切れているかを確認します。

病理組織学的診断

病理組織学的診断では、診断名の最後に、〜との記載であれば、良性腫瘍、〜、〜肉腫とついたら、悪性腫瘍です。例外として、リンパ腫肥満細胞腫は血液系の悪性腫瘍に分類されます。

核分裂像と分化度

説明部分では、核分裂像は腫瘍細胞が分裂して、がんが増える速度を表しています。分裂像が多い場合は、全身に広がりやすいので、注意が必要です。分化度は腫瘍細胞の成熟度を示しています。低分化は腫瘍が若く勢いがあるので、増殖しやすく、大きくなりやすく、転移もしやすいということになります。

腫瘍境界と切除縁

腫瘍境界は悪性腫瘍が塊を明瞭に作らず、アメーバ状に周囲に広がるので、腫瘍境界が不明瞭と出たら、再発に注意が必要です。切除縁は、近くに腫瘍細胞がいると、再発のリスクがあるため、注意して経過を見ます。

脈管侵襲

脈管侵襲は、腫瘍から出ている血管やリンパ管に腫瘍細胞がいるかを見ています。脈管侵襲がある場合は、全身の血管やリンパ管に腫瘍細胞が入り込み、転移する可能性があるということになります。

その他の説明

病理診断の他の説明はおまけと考えて評価しています。病理診断の結果に基づいて、治療計画を立て、患者に適切な治療やフォローアップを提案します。

エコー検査で見つかったしこりの診断について

エコーなどの画像診断でお腹の中にしこりが見つかった場合、その性質を調べるために、まずは細胞診を行なっています。エコーでしこりの周辺に大きな血管がない事を確認しながら針を刺入して、細胞を採取します。

検査の種類によって診断が得意な病気が異なり、物によっては正しく診断が得られない事があります。細胞診は主に、血液系の腫瘍の診断を得意分野としており、リンパ腫や肥満細胞腫などの診断に長けています。

また、途中で動物が動いたりすると、大きな血管に針が当たってしまって出血を起こすなどのリスクがあります。

エコー画像の見え方によって、良性らしいなどの見当をつける事はある程度可能ですが、例外もしばしば見受けられるため、できればしこりの特性を正しく評価する事が大切です。

病理診断は、しこりの一部を採取して、肉の塊ごと検査センターに送り、悪性か良性かの判断を行うもので、また、取り切れているのかを評価する事ができます。

肝臓の場合は一部の組織を採取したり、脾臓の場合は全てを摘出したりなど、臓器によってどの程度切除するのかは異なります。また開腹手術になりますので、麻酔のリスクというデメリット、早期発見というメリットを天秤にかけてオーナー様とご相談しながら決めています。

下記症例は肝臓に一部しこりが見つかったので切除した症例です。