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びっこ(跛行はこう)の診断

ペットの歩き方と立ち方の撮影指示

ペットが歩行に違和感を示す場合、正確な診断のために家庭でのビデオ撮影が非常に役立ちます。撮影された動画や画像を診察時に提供してください。これにより、迅速かつ正確な診断が可能になります。

  • 歩き方の撮影:ペットの歩行を前方からと後方から撮影してください。これにより、症状が明確に記録され、異常がある場合はその特定が容易になります。

立ち方の撮影

  • ペットが自然に立っている時の前肢と後肢の間隔を撮影してください。間隔が均等でない場合、何らかの問題がある可能性が示唆されます。

びっこを引いている場合の観察と撮影

ペットがびっこを引いている場合、足の向きや立ち方の間隔に異常があるかも確認し、撮影してください。異常がある足は通常と異なる方向を向くことがあります。

  • 前肢の異常:歩行時にペットが頭を上下に動かし、痛む前肢が地面に触れる際に頭を持ち上げて負担を軽減する(ヘッドボブ)。
  • 後肢の異常:腰を上下に動かし、痛む足が地面に触れる際に腰を持ち上げることで負担を軽減します。

お姉さん座り(シットテスト)

膝の前十字靱帯が損傷している場合に見られる症状で、足を前方に投げ出して座る姿勢をとります。

触診の方法

曲がっている関節は伸ばした時、伸びている関節は曲げた時に痛みを感じます。

診断を助ける検査

  • レントゲン検査:歩様や立ち方から病変部位を特定し、撮影します。左右の比較が診断に役立ちます。
  • 血液検査:発熱や複数の足に異常が見られる場合、免疫性のリウマチや多発性の関節炎などを排除します。

成長段階とサイズに基づく関節疾患

発育期の小型犬と大型犬は異なる疾患に好発します。成熟期の犬では、前十字帯疾患が片側に発生していても反対側の帯損傷が進行していることが多いです。両側性に生じやすい疾患は特に注意が必要です。

日常生活のリスク

    • 家具からの飛び降りやフローリングの滑りやすい床は、関節へのダメージを招くリスクがあります。
    • 脇に手を入れて抱き上げる方法は、肩関節脱臼や不安定性を引き起こす可能性があります。

特定の疾患とその特徴

前肢の跛行は、肘関節や肩関節の疾患に関連して起こります。

後肢の跛行の多くは、膝関節の疾患に関連しています。膝関節と股関節の疾患は併発しやすく、通常は膝関節が治療対象となります。

骨と関節の状態

橈骨折は1歳未満のトイ犬種に生じやすく、小型犬の肩関節脱臼や不安定性は生活習慣が原因である可能性があります。関節や肘の形成不全は遺伝性疾患です。

手根関節の問題が疑われる場合、免疫介在性関節炎を除外することが重要です。肘関節では骨折や腫瘍が見落とされることがあり、上腕骨と橈骨の主な疾患は骨折と骨肉腫です。

肩甲骨周囲の腫瘍で稀に跛行が見られることがあります。後肢の疾患では膝関節が最も問題を起こしやすく、股関節疾患が関連していることもあります。

大腿骨の骨の病気には、骨折や肉腫があります。膝関節と股関節の疾患は併発しやすく、治療は通常膝関節を対象とします。神経疾患としては、椎間板ヘルニアや末梢神経鞘腫が関節疾患に似た症状を引き起こすことがあります。

骨盤周囲の腫瘍も稀に跛行の原因となることがあります。