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アナフィラキシーは急速に起こり、死に至る可能性がある重いアレルギー反応と定義されます。これは主にIgEが関与して肥満細胞や好塩基球から化学物質が放出される全身性の即時型アレルギー反応です。この反応は、ワクチンや抗菌薬、麻酔薬、昆虫刺されなど、いろいろな原因で急に発症し、早急な対応が必要です。IgEが関与しない場合もありますが、治療方法は同じです。
アナフィラキシーは、アレルゲンに触れてから数分から数時間以内に発症し、症状が出ます。多くの場合、IgEが関与し、肥満細胞や好塩基球からヒスタミンなどが放出されます。これにより、血管が拡がり、透過性が高まり、平滑筋が収縮し、気道分泌物が増え、心臓の機能が抑制されます。
犬や猫のアナフィラキシーは、皮膚や消化器系に症状が出ることが多いです。犬の場合、肝臓や消化管が標的となり、嘔吐や下痢、紅斑、じんましん、かゆみ、血管性浮腫が見られます。猫の場合、主に呼吸器に症状が出て、呼吸困難や虚脱に至ることがあります。
アナフィラキシーの診断は、病歴や臨床症状から行います。急な嘔吐や下痢、顔のむくみ、虚脱などが見られた場合、血圧測定や超音波検査を行い、循環不全を疑います。
アナフィラキシーの治療には迅速な対応が必要です。主な治療法は以下の通りです。
1. アドレナリン:アナフィラキシーの第一選択薬で、筋肉内注射が推奨されます。ショック状態では静脈内注射が有効です。
2. 輸液:低血圧の場合、迅速に静脈内輸液を行います。
3. 抗ヒスタミン薬:皮膚症状や鼻の症状を和らげますが、重い症状には効果が限定的です。
4. 副腎皮質ステロイド薬:初期治療には第一選択ではありませんが、遅れて出る反応を抑えるために使います。
アナフィラキシーの治療は早急で適切な対応が必要です。再発の可能性があるため、症状が改善した後も72時間は注意深く観察することが重要です。