047-700-5118
logo logo

診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診

banner
NEWS&BLOG
不適切な安楽死の相談に対応できない理由と当院の基準について

本日、高齢のペットが夜泣きをしており、腎臓病に対する治療費、日常の餌代を負担できないため、ペットを一気に殺して欲しいほしいというご相談がありました。

治療を行うかどうかは飼い主様の自由な選択ですが、飼い主様にはペットがその命を終えるまで責任を持って適切に飼養する「終生飼養」の義務があります。

当院には応召義務があり、愛玩動物の診察をご希望された場合には対応する義務がありますが、違法な相談には対応する義務はありません。

また、当院では安楽死に関して明確な基準を設けており、以下に該当しない場合は一切ご相談に応じません:

1. ペットが発作で苦しんでいる場合
2. がんの骨転移による強烈な痛みがある場合
3. 呼吸不全がある場合

さらに、突然来院された他院の患者様や、適切な来院タイミングや診療内容を事前に案内しているにも関わらず、それを守らず久しぶりに来院され、安楽死を要求される患者様についても対応をお断りいたします。

殺処分に関しては市役所へお問い合わせください。

長時間スタッフを呼び止めたり、しつこく電話で対応を求めることもご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

これらのご相談を受けることは、私たちスタッフ一同にとって大きなストレスとなっております。そのため、診療に集中できない場合は、院内への滞在をお控えいただきますよう重ねてお願い申し上げます。

 

最後に

投げ出したいと思う時があるかもしれません。

その時は、ごはんを十分に与えられなくても、自分のできる範囲でペットのそばにいてください。

交通事故で全ての臓器が飛び出して道路で命を落とす猫や、シェルターでウイルス感染症による下痢と脱水で死んでいく子猫たち、カラスに突かれて命を落とす子猫たち、奇形が原因でペットショップで売れ残り、最終的に不衛生な狭いケージで一生を過ごす犬たちもいます。

治療をすべてやめても構いません。

ペットは、飼い主様を幸せにするために存在しています。

だからこそ、飼い主様の生活を超えてまでペットの終末期治療にかけるべきではないと私は思います。

限られた時間だったとしても、ただ一緒にいて、そばで見守るだけで、ペットにとっては十分に愛され、大切にされていると感じることができるのです。

幸運なことにペットは言葉を持たず、人間の4倍の速度で時が流れます。そのため、人間の介護に比べると悩む時間はそこまで長く残されていないと感じています。

 

無治療の場合の重症疾患の平均的な余命

胸水や肺水腫に至った重度心臓病 ;    数日から2週間

肺転移を起こした悪性腫瘍 ;  数日から3ヶ月

深部感染症により敗血症を起こした場合 ; 数時間から1週間

「ずーっと ずっと だいすきだよ」は、心不全で腹水が溜まり、突然死する犬との別れを描いた絵本です。その別れが悲しみだけでなく、愛情や感謝の気持ちで満たされるように描かれています。

 

2024年08月18日 記載

(19日,20日追記)

さだひろ動物病院
貞廣 優子