診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
🫢当院の治療内容の動画になります。
🫢手術の画像が含まれます。
去勢をしていない雄犬に多い病気です。
肛門周りの筋肉が薄くなり、
隙間ができることで、直腸や膀胱、前立腺が
おしりに飛び出てしまいます。
会陰ヘルニアは再発率の高い病気で、
以前は筋肉を縫い合わせるなどの手法が取られてきましたが、
筋肉を縫合するだけだと、いずれ筋肉が薄くなった時に、
再発を繰り返すため、
人用のヘルニアのポリプロピレンメッシュを用いて
隙間を埋める手術を選択しています。
SURGEON 100より転載
直腸が飛び出た場合は、便をうまく出せずに、溜まっていく事で直腸の一部がふくらみ、便秘の悪循環になります。(直腸憩室)
膀胱や前立腺が出た場合は、尿道の位置が変わる事で、おしっこをうまく出せず、急性腎不全になり命に関わる事があります。
去勢手術、
結着固定(腹腔内に直腸を固定してお尻に飛び出ないように予防する手術)
膀胱や前立腺固定(結腸固定と併用して、腹壁に固定する手術)
等を組み合わせて、
最後に会陰部の隙間をメッシュで塞いで手術を終了します。
会陰部のメッシュの整復は、坐骨の骨膜と、浅結節靭帯と、外肛門括約筋にメッシュを縫い付けていきます。
メッシュを、筋肉に縫い付ける方法では、筋肉が萎縮する可能性もあるため、骨膜と靭帯などの硬い組織に固定することで、再発率をできるだけ下げるように工夫しています。
両側が穴が空いている事が多いので、同時に両方を固定しています。
直腸憩室が長引き、直腸が伸びきってしまった場合には、
病的な直腸を一部切除しています。(直腸プルスルー)
当院では、全ての手術を同日に行い、麻酔回数を減らすように行なっています。
お腹の中に結腸を戻して、腹壁に直腸を縫い付けて固定しています。
*会陰部にコーン状に整形したメッシュを入れているところ*
靭帯のすぐ後ろには坐骨神経があるため、糸を引っ掛けないように、靭帯を触診しながら、確実に縫合を行なっていきます。
坐骨の骨膜も利用し、メッシュが外れないように縫合しています。
術後の注意事項
1.強い結合組織がないため6時方向の会陰ヘルニアは最初に注意が必要です。
2.坐骨神経
仙結節靭帯の後ろに坐骨神経が走っている為、
結合の際に引っ掛けると後肢の麻痺(ナックリング) が見られます。
翌日にナックリングがみられた場合には再手術にて 縫合糸を取り除きます。
前立腺肥大 があって、お腹の中に戻せない場合には、
まず去勢手術を行い、2週間ほどで前立腺が縮んでから整復し、会陰ヘルニアの整復を行います。
3.肛門腺損傷(まれ)
4.前立腺膿胞による腹膜炎・下痢・尿道の損傷(まれ)
5.直腸憩室の再発(まれ)
術後の外観
術後2週間経過した様子です。
お尻の突出もひき、うんちもスムーズに出るようになりました。
松戸市新松戸 さだひろ動物病院