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会陰ヘルニア

🫢当院の治療内容の動画になります。

🫢手術の画像が含まれます。

 

去勢をしていない雄犬に多い病気です。
肛門周りの筋肉が薄くなり、

隙間ができることで、直腸や膀胱、前立腺

おしりに飛び出てしまいます。

会陰ヘルニアは再発率の高い病気で、

以前は筋肉を縫い合わせるなどの手法が取られてきましたが、

筋肉を縫合するだけだと、いずれ筋肉が薄くなった時に、

再発を繰り返すため、

人用のヘルニアのポリプロピレンメッシュを用いて

隙間を埋める手術を選択しています。

 


SURGEON 100より転載

 


直腸が飛び出た場合は、便をうまく出せずに、溜まっていく事で直腸の一部がふくらみ、便秘の悪循環になります。(直腸憩室)


膀胱や前立腺が出た場合は、尿道の位置が変わる事で、おしっこをうまく出せず、急性腎不全になり命に関わる事があります。


去勢手術

結着固定(腹腔内に直腸を固定してお尻に飛び出ないように予防する手術)

膀胱や前立腺固定(結腸固定と併用して、腹壁に固定する手術)
等を組み合わせて、
最後に会陰部の隙間をメッシュで塞いで手術を終了します。

会陰部のメッシュの整復は、坐骨の骨膜と、浅結節靭帯と、外肛門括約筋にメッシュを縫い付けていきます。

メッシュを、筋肉に縫い付ける方法では、筋肉が萎縮する可能性もあるため、骨膜と靭帯などの硬い組織に固定することで、再発率をできるだけ下げるように工夫しています。

両側が穴が空いている事が多いので、同時に両方を固定しています。


直腸憩室が長引き、直腸が伸びきってしまった場合には、

病的な直腸を一部切除しています。(直腸プルスルー)

 

当院では、全ての手術を同日に行い、麻酔回数を減らすように行なっています。


結腸固定

お腹の中に結腸を戻して、腹壁に直腸を縫い付けて固定しています。


両側会陰ヘルニア整復

*会陰部にコーン状に整形したメッシュを入れているところ*

靭帯のすぐ後ろには坐骨神経があるため、糸を引っ掛けないように、靭帯を触診しながら、確実に縫合を行なっていきます。

坐骨の骨膜も利用し、メッシュが外れないように縫合しています。

 

 


術後の注意事項

1.強い結合組織がないため6時方向の会陰ヘルニアは最初に注意が必要です。

2.坐骨神経

仙結節靭帯の後ろに坐骨神経が走っている為、

結合の際に引っ掛けると後肢の麻痺(ナックリング) が見られます。

翌日にナックリングがみられた場合には再手術にて 縫合糸を取り除きます。

前立腺肥大 があって、お腹の中に戻せない場合には、

まず去勢手術を行い、2週間ほどで前立腺が縮んでから整復し、会陰ヘルニアの整復を行います。

3.肛門腺損傷(まれ)

 

4.前立腺膿胞による腹膜炎・下痢・尿道の損傷(まれ)

5.直腸憩室の再発(まれ)


術後の外観

術後2週間経過した様子です。

お尻の突出もひき、うんちもスムーズに出るようになりました。

 

 

松戸市新松戸 さだひろ動物病院