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免疫介在性溶血性貧血(IMHA)💉血液の病気

免疫介在性溶血性貧血 (IMHA) の解説

IMHAは、自分の免疫系が誤って赤血球を攻撃し、破壊することによって引き起こされる病気です。この結果、貧血が生じ、さまざまな症状が現れます。

症状

IMHAの一般的な症状には以下のものがあります:

  • 元気消失
  • 食欲廃絶
  • 吐き気
  • 多飲多尿
  • 黄疸
  • 可視粘膜の蒼白
  • 頻脈
  • 呼吸速迫
  • 発熱
  • 血尿
  • 脾腫 (脾臓の腫れ)
  • 肝腫 (肝臓の腫れ)

悪化すると、全身に血栓ができるDIC(播種性血管内凝固症候群)が発生し、多臓器不全になることもあります。

確定診断

IMHAの確定診断には以下の条件が含まれます:

  • 球状赤血球の増加
  • 自己凝集の存在
  • 直接クームス試験陽性
  • 肝前性高ビリルビン血症、血色素血症/尿症、赤血球ゴーストの存在

支持診断

IMHAの支持診断は、以下の条件に基づきます:

  • 免疫介在性徴候が1つあり、IMHA以外の溶血性疾患を除外

疑い診断

IMHAが疑われる場合の条件:

  • 溶血徴候なし

治療方針

IMHAの治療には以下の方法があります:

1. 免疫抑制療法:
  • プレドニゾロン: 2-3mg/kg/日、もしくは50-60mg/m²/日経口投与。
  • デキサメタゾン: 0.2-0.4mg/kg静脈内投与。
  • 治療反応: 7日以内に反応がない場合は免疫抑制薬を追加。
  • 副作用対策: グルココルチコイドの副作用が予測される場合や予後が悪い場合、最初から免疫抑制薬を併用。
  • 免疫抑制薬: アザチオプリン、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド。
2. 抗血栓療法:
  • 抗血小板療法: アスピリン、クロピドグレル硫酸塩の低用量投与。
  • 抗凝固薬: ダルテパリンナトリウム、リバーロキサバン。
  • 補助薬: ナファモスタットメシル酸塩。
3. 摘脾療法:
  • 効果: 抗体産生抑制と赤血球貪食・破壊の場を除去するため。
  • 適応: IgGが関与するタイプのIMHAで有効。IgMが関与するタイプには効果が低い。

予後

IMHAの予後に関する情報:

  • 死亡率: 38%(77例)、29%(42例)報告。
  • リスク因子:
    • 血小板数の減少
    • ビリルビン値の上昇
    • アルブミン値の低下
    • ALPの上昇

Key Points

IMHAの治療における重要なポイント:

  • 治療上の注意点:
    • 骨髄抑制や感染症に注意が必要。
    • 大型犬ではコルチコステロイドの副作用が強く出ることが多いため、用量調節や早期から免疫抑制薬との併用を考慮。