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前立腺がん

犬の前立腺腫瘍

犬の前立腺腫瘍は比較的稀ですが、高齢の去勢犬に多く発生します。最も一般的なタイプは移行上皮がんであり、全前立腺腫瘍の約80%を占めます。


症状

• 排尿困難: 頻尿、血尿、排尿時の痛み
• 排便困難: 腫瘍が直腸を圧迫することによる便秘や排便困難
• 全身症状: 体重減少、食欲不振、元気の低下、腰や背中の痛み

診断方法

• 触診: 直腸検査で前立腺の大きさや形状を確認
• 画像診断: 超音波検査、X線検査、CTスキャン
• 細胞診・組織診: 針生検を行い、腫瘍の細胞学的・組織学的評価を実施します。細胞診は腹壁、会陰部、直腸を介して行います。

前立腺がんの特徴

前立腺がんは膀胱内に広がることがあり、局所浸潤性が強く、尿道や膀胱、直腸、腰の下のリンパ節や骨盤、腰仙椎に転移しやすいです。

治療方法

1. 手術
• 前立腺全摘出術: 前立腺を完全に摘出する手術で、技術的に難しく合併症が多いですが、近年は効果が改善されています。尿失禁や術後の予後不良が問題となることがあります。


手術の詳細

前立腺全摘出術

適応と治療方法

前立腺の大きさが原因で排尿困難や排便困難がある場合に適応されます。骨や肺に広がることが多く、全身の治療法が決まっていません。

手術手順
• 後腹部正中切開を行い、前立腺周辺の状態を確認します。
• 必要に応じて骨盤切開を行い、前立腺を離断し、尿路吻合を行います。
• 骨盤切開・恥骨骨切り術
• 前立腺の露出が不十分な場合、骨盤切開を実施します。
• 前立腺と膀胱を露出させ、前立腺腹側の膜を剥離します。
• 必要に応じて、膀胱を反転させ、精管を並走する血管とともに結紮離断します。
• 綿棒やバイポーラーを使用し、前立腺被膜の近くで剥離を行います。
• 後膀胱動脈と中直腸動脈は温存します。

• 膀胱移行部と骨盤尿道の縫合
• 膀胱三角を確認し、白く腫瘍が浸潤している部分を切除します。
• 骨盤尿道と膀胱を縫合し、最初の一糸で尿道と膀胱を引き寄せます。
• 支持糸を用いながら、裏も縫合します。

• 合併症
• 合併症には、尿失禁、膀胱頸部の壊死、吻合部離開による尿腹、恥骨前部のヘルニア、尿道狭窄などがあります。

術後のケアも重要であり、定期的なフォローアップが必要です。

術後の化学療法

分子標的治療: 特定の分子を標的にする治療法が研究されています。