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クッシング🌸ステロイドがたくさん出る病気

ステロイドが過剰に分泌される病気です

ステロイドホルモン(別名コルチゾール)はストレスに対して対抗したり、イオンバランスの調整や、筋肉量の調整に関わっています。多すぎるとあらゆる悪影響が出てきてしまい、中には生命にかかわるものもあるので、注意が必要です。

症状

筋肉がうすくなって脂肪が溜まり、腹囲膨満(太ってきたり、ポテッ腹に)。呼吸筋がうすくなることでハァハァとパンティングしたり、多飲多尿(PUPD、水をたくさん飲み、尿をたくさんする)。血栓傾向になり、重要な血管に血栓が詰まる事で臓器が機能しなくなります。肺に血栓が飛び、呼吸困難に陥る事があります。糖尿病のリスクもあり、ステロイドホルモンは血糖値を上げるので10%の子で発症します。

脳の腫瘍が原因

脳下垂体が腫瘍化する(PDH)事で副腎を刺激するホルモン(ACTH)が多く分泌され、副腎から多くのステロイドが分泌されてしまいます。クッシングの80%はPDH性です。脳の腫瘍を摘出するのは大きなリスクがあるので、ステロイドホルモンを遮断する投薬治療を行います。トリロスタン(商品名;アドレスタン)を使用しますが、原因の治療を行なっているわけではないので、てんかんや失明などの症状には引き続き注意が必要です。クッシングの残り20%は副腎が腫瘍化するAT型です。摘出が治療法になります。

診断

ALPの上昇(90%)。ACTH製剤(コートロシン)を皮下注射して、1時間後のコルチゾール(ステロイド)が25以上の場合は確定します。

エコー検査

下垂体腫瘍ではACTHの分泌過剰で副腎が反応して、両副腎が大きくなります。副腎腫瘍では片方の副腎だけが大きくなります。

投薬中の注意事項

効きすぎてアジソンになっていないか、お薬が足りているかを症状と血液検査で判断しています。治療に反応があると体重が減って、飲水量が減ってきます。お薬が効きすぎるとアジソン病状態になり、ストレスによる虚脱、失神やふらつき、脱水、嘔吐、下痢などの消化器症状を引き起こすため、投薬初期2週間は注意が必要です。

継続の診察

ACTH刺激試験を行い、投薬コントロールを見ています。循環や脱水のチェックとして、心雑音の有無、ふらつきや吐き気がないか、腎臓、肝臓、電解質バランスの確認をしています。血液検査は12時間の絶食でご来院をお願いしています。