診察時間
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心臓腫瘍は犬と猫のどちらにも極めて稀であり、犬での発生率は0.19%、猫では0.03%未満です。犬の場合、原発性および悪性が多く、近年では転移性腫瘍の方が多いとされています。
原発性腫瘍の中では、血管肉腫が69%、大動脈小体腫瘍が8%、リンパ腫が4%を占めます。転移性腫瘍はリンパ腫、乳腺癌、肺癌、唾液腺癌、悪性黒色腫、横紋筋肉腫などがあります。
※転移病巣は左心室の心筋層内に好発します。
猫は転移性および悪性が多く、原発性では大動脈小体腫瘍や血管肉腫(9%未満)が報告されています。転移性ではリンパ腫(多中心型で発症することが多い)、乳腺癌、肺癌、唾液腺癌、悪性黒色腫、横紋筋肉腫などが見られます。
心臓腫瘍は右心房、血管肉腫、大動脈小体腫瘍、中皮腫が一般的です。心タンポナーデはこれらの腫瘍と関連する可能性があります。
犬の心臓腫瘍の40~50%は心臓に原発する血管肉腫です。特に、右心房外側前部の下部(右心房と右心耳との接合部で冠状溝付近)に多く発生します。
ゴールデンレトリバー、マルチーズ、ミニチュアダックスフンドなどがこの腫瘍に罹患しやすいです。ゴールデンレトリバーでは脾臓の血管肉腫が心臓に併発するリスクが他犬種の10倍です。
血管肉腫では肺への粟粒状転移が見られ、非肺転移で腫瘤を切除した場合の平均生存期間は4ヶ月です。ドキソルビシンを基本としたプロトコルを使うとMSTは6ヶ月です。
大動脈小体腫瘍、ケモデクトーマ(非クロム親和性傍神経節腫)、心基底部腫瘍の3種類が見られます。特に、短頭種(ボストンテリア)が罹患しやすい傾向があります。※短頭種気道症候群;慢性酸素症と関連
非機能性で増大が極めて緩徐であり、時に大型化(13cm以上)しますが、局所浸潤性が強いため、心臓や血管、胸椎に浸潤しやすいです。しかし、遠隔転移は少ないです。
心タンポナーデによる右心症状を呈することがあり、外科的摘出は浸潤性のため困難です。心膜切除により症状が劇的に改善し、MSTは心膜切除を実施した症例で2年以上、未実施の場合は2ヶ月未満です。