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愛玩動物看護師国家試験対策ノート:血液循環とその調節(愛玩1巻3章)

愛玩動物看護師国家試験対策ノート:血液循環とその調節(わかりやすい版)

このノートは、愛玩動物看護師国家試験の「血液循環とその調節」の範囲について、特にテストに出やすいポイントを、勉強が苦手な人にもわかりやすくまとめたものです。

1. 血液循環の基本

  • 血液の流れには2種類ある!
  • 体循環:左心室 → 全身 → 右心房。全身に酸素や栄養を届ける。
  • 肺循環:右心室 → 肺 → 左心房。肺で酸素をもらってくる。


  • 門脈って特別?普通は「動脈 → 毛細血管 → 静脈」だけど、毛細血管が2回連続で現れる場所がある。これを門脈系という。肝臓(肝門脈)や下垂体にあるよ。

  • 注意!腎臓にも毛細血管が2つ続くけど、間の血管は動脈なので門脈とは呼ばない。
  • リンパ系とは?毛細血管からしみ出た血液の液体成分(血漿)の一部は、そのまま静脈に戻らずリンパ管に入ってリンパ液になる。最終的には静脈に合流する。

2. 心臓のしくみ:血液を送り出すポンプ

  • 心臓の部屋:右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋がある。
  • 血液の流れ(一方通行!):
    1. 全身から戻った血液(静脈血)が右心房へ。
    2. 三尖弁を通って右心室へ。
    3. 右心室が収縮 → 肺動脈弁を通って肺動脈へ → 肺へGO!
    4. 肺で酸素をもらった血液(動脈血)が左心房へ。
    5. 僧帽弁(二尖弁)を通って左心室へ。
    6. 左心室が収縮 → 大動脈弁を通って大動脈へ → 全身へGO!
  • 弁の役割:血液が逆流しないようにするドア。腱索と乳頭筋が弁を支えている。
  • 壁の厚さ:全身に血液を送る左心室の壁は、右心室より約3倍厚い!力持ち!
  • 心臓自身の栄養:冠状動脈が心筋に酸素や栄養を送っている。

3. 心筋の性質

  • 心筋の種類:「固有心筋」と「特殊心筋(興奮伝導系)」がある。
  • 構造:横紋筋で、介在板のギャップ結合により電気信号がスムーズに伝わる(機能的合胞体)。
  • 活動電位:持続時間が長い(約200ms以上)。プラトー相があり、Caイオン流入によるもの。
  • 不応期が長い理由:心臓は骨格筋のように連続収縮せず、ちゃんと拡張時間を確保できる。

4. 自動性と興奮伝導

  • 自動性:神経を切っても自律的に拍動を続ける能力。
  • ペースメーカー:洞房結節がリズムの中心。
  • 拡張期脱分極:洞房結節細胞が閾値に達すると活動電位が発生。
  • 他の自動性部位:房室結節・プルキンエ線維もあるが、洞房結節が最速。
  • 刺激伝導系:
    1. 洞房結節 → 心房収縮
    2. 房室結節(伝導遅延)
    3. ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維
    4. 心室全体 → 心室収縮

5. 心周期と心音

  • 心周期:収縮と拡張の1サイクル。
  • フェーズ:
    1. 等容性収縮期:弁が閉じ圧↑(房室弁閉鎖音)
    2. 駆出期:動脈弁開放→血液駆出
    3. 等容性弛緩期:動脈弁閉鎖音
    4. 充満期:房室弁開放→流入
    5. 心房収縮期:心房が収縮し残血を押し込む
  • 心音:
    • Ⅰ音(ドッ):房室弁閉鎖音
    • Ⅱ音(クン):動脈弁閉鎖音
    • Ⅲ音:急速充満音(しばしば聴取困難)

6. 心電図

  • 定義:心臓の電気活動を体表面から記録したもの。
  • 誘導法:四肢に電極をつける標準肢誘導(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)。
  • 波形:
    • P波:心房脱分極
    • PQ(PR)間隔:房室伝導時間
    • QRS波:心室脱分極(最大波)
    • ST部分:プラトー相
    • T波:心室再分極
    • RR間隔:心拍数算出

7. 心臓機能の調節

  • 心拍出量:1回心拍出量(SV)× 心拍数(HR)。
  • SVの調節:
    • 前負荷:フランク–スターリングの法則 → SV↑
    • 後負荷:抵抗大 → SV↓
    • 収縮力:交感神経活性化でSV↑(陽性変力作用)
    • コンプライアンス:伸びやすいほどSV↑
  • HRの調節:
    • 交感神経:洞房結節速める → HR↑(陽性変時作用)
    • 副交感神経:洞房結節遅くする → HR↓(陰性変時作用)

8. 血管のしくみと働き

  • 動脈:壁厚く弾力・筋肉に富む。
  • 弾性型動脈:大動脈など、血圧変動を緩和。
  • 筋型動脈:収縮で血流調節。
  • 細動脈:抵抗大 → 血圧制御の主役。
  • 毛細血管:物質交換。連続性・有窓性・洞様性。
  • 静脈:壁薄く高コンプライアンス。弁・筋ポンプで逆流防止。

9. 血液循環の調節:血圧コントロール

  • 血圧:心拍出量 × 総末梢抵抗。
  • 短期調節(神経性):圧受容器反射 → 自律神経調整。
  • 長期調節(液性):RAAS、カテコールアミン、ANP、NOなど。

10. 毛細血管での物質移動

  • 拡散:高濃度→低濃度。
  • 濾過/再吸収:
    • 動脈側:血圧>膠質浸透圧 → 濾過
    • 静脈側:血圧<膠質浸透圧 → 再吸収
  • 血液脳関門:厳格なバリア。
  • 浮腫:毛細血管圧↑、膠質浸透圧↓、リンパ閉塞など。

11. リンパ系のしくみ

  • 役割:間質液回収、免疫、脂肪輸送。
  • 構造:毛細リンパ管→集合リンパ管→主幹リンパ管→静脈。
  • リンパ節:マクロファージ・リンパ球が免疫応答。
  • 乳び:キロミクロン含有で白濁。

12. 脾臓のしくみ

  • 場所と構造:左上腹部にあり、赤脾髄と白脾髄で構成。
  • 赤脾髄:古い赤血球破壊・血液貯蔵。
  • 白脾髄:リンパ球集結の免疫場。

このノートが、試験勉強の助けになれば嬉しいです。頑張ってください!