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抗がん剤は、人の治療と比べて、動物に対する治療では、入院せずに生活の質を重視する計画が立てられます。白血病やリンパ腫など、全身性の腫瘍や悪性度が高い腫瘍に対して効果があります。
腫瘍の種類によっては、抗がん剤が効きやすいものと効きにくいものがあります。抗がん剤治療を行う場合、無治療と比べて平均的な生存期間に3倍ほどの差が出ることがあります。少しでも長く生きることを目的として治療が行われます。
がんの治療法は、大きく分けて以下の3つがあります。
がん細胞は常に分裂を行っており、この分裂している細胞にダメージを与えるのが抗がん剤です。そのため、正常な細胞でも分裂している細胞にはダメージが及ぶ可能性があります。以下は主な副作用です。
動物の抗がん剤は、延命よりも生活の質を重視し、副作用が少ないものを選びます。そのため、重度の副作用が出ることは稀です。80%の動物に副作用が出ず、20%で軽度の副作用が見られることが多いです。
副作用の予防として、吐き気を止めるセレニアや、下痢を止めるディアバスターの処方があります。抗がん剤投与後、4〜5日目くらいから、骨髄抑制による血液中の好中球が減少し、細菌感染しやすくなります。
敗血症になると急な発熱や体調不良を引き起こす可能性があるため、ご自宅での体温測定や呼吸数測定が有効です。発熱や食欲不振が見られたら、すぐに受診することをお勧めします。
抗がん剤には、いくつかの種類があり、病院での注射薬や経口薬があります。1週間毎に投与するスケジュールが組まれ、耐性がつかないように薬を組み合わせます。
投与方法:投与前に血液検査を行い、肝臓や腎臓、骨髄機能に異常がないか確認します。静脈留置を取り、点滴をしながら抗がん剤を投与します。
副作用:吐き気や下痢などの消化器障害、ふらつきなどの神経症状が現れることがあります。投薬中は随時薬剤の漏れがないかをチェックし、動物が協力的でない場合は血管外に漏れることがあります。
投与方法:投与前に血液検査を行い、肝臓や腎臓、骨髄機能に異常がないか確認します。必要に応じて静脈点滴か皮下捕液を行い、その後、30分以上かけてドキソルビシンを静脈点滴します。
副作用:投与後3〜5日に血便をすることがあります。また、血管外漏出が起こると、周囲の組織が壊死します。
投与方法:投与前に血液検査を行い、肝臓や腎臓、骨髄機能に異常がないか確認します。必要に応じて静脈点滴か皮下捕液を行い、シクロフォスファミド(エンドキサン)を皮下注射します。
副作用:まれに出血性膀胱炎を引き起こし、血尿をすることがあります。この抗がん剤を投与した際には、おしっこを我慢させない工夫が必要です。