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NEWS&BLOG
犬の心臓病 MR 僧帽弁閉鎖不全症

心拡大があったら治療スタートです

心拡大は画像検査で評価します

エコー検査や、
レントゲン検査を組み合わせて
心臓の大きさや、
心臓の内部の血流を

確認します。

 

エコー検査

横向きに寝かせて検査しますが、
興奮して息が切れてしまったり、
チアノーゼになる子はお座りの状態で、
お顔元に飼い主様に付き添っていただき検査を行なっています。 僧帽弁が閉じているか
左心房の大きさはどの程度かを評価することに重点を置いています。

LA/AOは2.5以上になると、
肺水腫のリスクが高まるため、
正常の基準を越えたら、
強心剤をスタートします。

レントゲン

心臓の大きさに加えて、
肺水腫がないかも見ています。

肺で酸素交換ができていると、黒く映ります。
白くなっている場合、肺水腫を起こし、呼吸不全に陥っているサインです。
利尿剤と鎮咳薬を投与し、酸素室に入れるなどの、救急の処置が必要となります。

 

強心剤

心臓が拡大している場合は
心臓を強く動かして全身に血液を送ることで、
症状の進行を遅らせることができます。

ピモベハート
体重1kg当たり0.25mg以上の用量で、1日2回の投与が必要です。
5kgまでは1.25mg
5kg〜10kgでは2.5mg
が1回の投薬量になります。

重症の子では
体重1kgあたり、0.5mg、1日3回の投与が必要になります。

 

大きい錠型の方が、割安です。

ピモベハートは分割線が入っているお薬なので、ご自宅で簡単に半分に割ることができます。

ピモベハートは1.25mg、2.5mg、5mgの錠型があります。

 

利尿剤

強心剤だけでは治療が困難な場合には、
たまった血液をおしっこにする治療を加えます。
ルプラック🤞1日1回の投薬です。
腎臓に負荷がかかっていないかどうかを血液検査で確認します。
体重1kgあたり0.1mgで1日1回の投薬が最低必要量になります。
5kgまでは1/8錠が1回に必要な量になります。
投薬中に排尿量が減っていたら、利尿剤へ耐性を獲得してしまっている可能性があるため、
増量又は、他の利尿剤の増薬が必要になります。

 

血管拡張剤

血管を広げることで、
心臓から血液を送りだす負担を軽くします。
血圧の低下に注意が必要です。
ふらつきなどが見られたら、休薬して、病院にご相談ください。

1kgあたり、0.05mg以上、1日1から2回で投薬をお願いしています。
5kgの子で1/8錠からスタートします。

ACVIM分類

ステージA: 心臓に構造的異常(雑音)がない。心疾患の進行に関して高い危険性がある(キャバリア)

ステージB: 心臓に構造的異常(雑音)がある 臨床症状はない

ステージC: 心臓に構造的異常(雑音)がある。臨床症状がある(咳など) 投薬治療に良好に反応する

ステージD: 標準的な治療に反応しない。末期的な状態

治療について

ステージA: 日頃の検診で早期発見を心がけてください

ステージB: B1では薬の治療は必要ありませんが、過度な運動を避け、適切な体重管理が必要です。定期検査をお勧めします B2ではもう少し時間が経つと症状に現れる状態です。強心剤の投薬管理が必要です。

ステージC: 血管拡張薬の投薬は継続し、必要に応じて強心薬や利尿剤の投薬治療が必要です。

ステージD: 血管拡張薬は1日2回 利尿剤は増量、強心薬は1日3回 必要に応じて更に強い血管拡張薬(アムロジピン)の投薬が必要です。

心不全の症状

僧帽弁閉鎖不全症になると、心拡大がおこり、気管支が圧迫されて咳が出ます。また、全身への血流がうまく回らず、元気も低下します。さらに心臓の動きが悪くなると、心臓に入る前の肺血管に血液がたまってきます。血管内に血液をためきれないと、肺に水分が漏れて呼吸困難に至ります。心拡大が進むと心筋が伸び、刺激がうまく伝わらず、不整脈を起こします(脳に血液が回らず、失神します)。

治療

心臓を小さくして、気管を圧迫しないようにすることが重要です。全身の血管を開いて、心臓にたまっている血液が血管に流れやすくする (血管拡張薬 フォルテコール、エースワーカー)。

心臓の収縮力を強化する (強心薬 ピモベハート)(ピモベハートは血管を拡張させる機能も持っています。)。尿を排泄させて心臓に溜まる血液量を減らす(利尿剤)。強力に血管を拡張させる(カルシウム受容体拮抗薬 アムロジピン)。心臓病が重度になると、お薬の種類が増えてくることが一般的です。

心臓の検査

1. 聴診: 心臓の雑音を検出します。肺の雑音を検出します。健康なわんちゃんも、一年に一回の検査をお勧めします。

2. 胸部レントゲン検査: 心臓の大きさ、肺水腫、胸水の評価が可能です。

3. 超音波検査: 心臓のどの部位に異常があるのか、どの程度の逆流が起きているのかを細かく評価することが可能です。

4. NT-proBNP: 血液の流れが悪くなると、上昇します。心臓病があるかが、血液をとることでわかります。

5. 心電図検査: 不整脈を検出します。

6. 血液検査: 血流が悪くなると肝酵素が上がったり、腎臓の数値が上がることがあります。

一旦心臓病になると、もとの状態に戻すことはできません。症状にあった治療を行い、心臓病の進行を遅らせることが重要です。