診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
肺炎は深部の感染症であるため、通常より多めの抗生物質を投与します。
犬の場合:
猫の場合:
アモキシシリンの強化版であるオーグメンチンがあります。犬では投与の切り替えが可能ですが、猫では投与実績が少なく文献データも不足しているため、安全性の観点から慎重に対応しています。この点については飼い主様に説明し、相談の上で決定します。
右中葉や右前葉の肺炎は、誤嚥性肺炎の場合があります。特に短頭種では気管と食道の解剖学的な問題により、唾液の誤嚥が起こりやすいです。そのため、以下の薬を処方しています。
レントゲンでは
犬は肺胞パターン(気管支周囲に白い陰影が映る)、猫は間質パターンが多いです。
🐱⚠️高齢の猫では肺炎のようにレントゲンで見えたとしても(明確な腫瘤でなくても)肺腫瘍の可能性があります。
スクロールして続きの画像が見れます。
初診日から3〜4日後に以下の検査を行います。
症状が落ち着いている場合は、飼い主様のご都合に合わせて1週間後に再度チェックを行います。
ただし、高齢の猫では肺炎に見える症状が、実は肺腫瘍である場合もまれにありますので、慎重な評価が必要です。
症状が悪化している場合、以下の高度な検査を二次施設で受けることが望ましいです。
これらの検査はすべて麻酔が必要で、50万〜100万円近い費用がかかることもあります。経済的なご負担や麻酔リスクについてもご相談いただき、治療方針を決定します。
二次施設での高度診断を受けずに、抗生物質の治療のみを続ける場合、診断が外れるとリスクが高まります。
肺腫瘍の場合、転移性肺腫瘍が多く、診断後も治療につながらないことがしばしばあります。トセラニブ(分子標的薬)が使用されることもありますが、効果は限定的で、積極的な治療とは言えません。
「きのこ系サプリメント」などの代替療法を検討される飼い主様もいらっしゃいますが、現時点では科学的な根拠が十分ではありません。ペットが苦しいときは、そばにいて安心させてあげることが大切です。
ベトルファール:処方可能ですが、鎮静作用があるため少量から開始します。効果の持続時間は約4時間で、1日最大4回まで投与可能です。
酸素室はレンタルをお勧めしています。月ごとの上限額が設定されており、入院するよりも経済的です。特にテルコム社の酸素室は迅速な設置が可能で、実際の使用経験からも信頼しています。
小児用のネブライザーがインターネットで購入できます。抗生物質のアンプル(アンピシリンやビクタスの注射液)や血管収縮剤のボスミンを生理食塩水と混ぜて使用します。量は少しずつ調整しながら使用します。決まった量はありません。注射針やシリンジも一緒にお渡しし、1日2回程度の使用を推奨しています。
可能であれば2週間程度で治療を完了させたいと考えています。
心臓の輪郭がきれいに出ているかも重要な評価ポイントです。
肺炎はウイルス性(例: 犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス1型と2型)、細菌性(例: パスツレラ菌、大腸菌)、真菌性(例: アスペルギルス、アクチノミセス)、寄生虫性(例: トキソプラズマ、肺吸虫)など様々な病原体によって引き起こされます。