診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
猫のアレルギーが原因となって起こる皮膚炎です。原因は、ノミなどの寄生虫が接触することでおこったり、皮膚が弱くなったところに、細菌感染を起こしたり、食餌中のタンパク質が合わない、アトピー性皮膚炎などが考えられます。
診断は、細胞診、または、病理診断で炎症細胞や細菌などを確認しています。細胞診は皮膚にスライドグラスを当て細胞を集める検査で、大まかな診断ができ、痛みを伴わない検査です。病理検査は皮膚の一部を再材し、肉片を検査します。小さな肉片をパンチで採取するので、大人しい子だと、局所麻酔での採材ができますが、怖がってしまう場合は、短時間の鎮静処置を行った方が安全な採材ができます。病理検査はより確実な検査です。
ノミ感染(節足動物による刺咬):スポット剤でノミ駆虫、自宅環境を掃除機で物理的に節足動物を排除します。
細菌感染:抗生剤の投薬、適切な抗生剤を選択するための感受性検査で合う薬を選択します。
食物アレルギー:低アレルゲンのフード(タンパク質を細かく分解し、消化管
への負担を減らしてあります)を1~3週間続けて皮膚病変、消化器症状が改善するかを見ます。
アトピー性皮膚炎:異常な免疫反応が起こり、自己組織の皮膚を攻撃することで、激しい皮膚炎を起こします。免疫抑制剤の治療により、炎症反応を抑えます。感染症が原因の場合は悪化する可能性があるため、感染症のコントロールができてから使用開始します。また、長期で服用する場合には、自分の免疫細胞(白血球など)が減りすぎていないかも定期的に血液検査で確認することが必要です。
速攻性があり、2~3日から効果を発します。副作用があり、肝臓や腎臓への負担があります。胃炎を起こすので、胃粘膜保護剤、胃酸分泌抑制剤などの併用で対処します。錠剤で、粉砕すると苦いため、粉や液体ではなく、錠剤のまま飲ませる方が良いです。長期継続する時は定期的に血液検査を行い、肝臓や腎臓の状態を確認します。
液体またはカプセルの薬です。効果が出るまで1ヶ月ほどかかります。その間はステロイドを併用して、シクロスポリンの効果を確認してからステロイドを減らして行きます。肝臓や腎臓への副作用はほとんどありません。一過性の消化器症状があり、吐き気や下痢を起こします。
副作用に対する治療を行いながら乗り越えるとその後は安定して投薬可能なことが多いです。歯肉が盛り上がる副作用も報告されていますが、ごくわずかです。
犬用のアトピー製剤ですが、猫でも一部効果が認められるようになりました。ただし、比較的新しい薬であることから、投薬を開始してから、内臓の副作用などがないかを定期的に確認する必要があります。また、再発を繰り返すので、一旦改善しても、一生かけてお薬と付き合っていかなければならないことも多いです。