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猫の歯周病、口内炎🦷🦷

原因

猫の口内炎は、猫の口腔内に炎症が生じる病気です。

・歯周病:歯肉炎や歯周病などの歯の病気が口内炎を引き起こすことがあります。
・ウイルス感染:猫カリシウイルス(FCV)や猫白血病ウイルス(FeLV)、猫免疫不全ウイルス(FIV)などのウイルス感染が関与することがあります。
・アレルギー反応:食物や環境中のアレルゲンに対するアレルギー反応が口内炎を引き起こすことがあります。
・免疫異常:猫の免疫系が自分の口腔内組織を攻撃する自己免疫疾患が関与することがあります。

症状

・よだれ:口からよだれがたれることが多くなります。
・口臭:口臭がひどくなることがあります。
・食欲不振:口の痛みや不快感から食欲が減退し、食べ物を避けることがあります。
・口の中の痛み:口を触ると痛がる、あるいは口を開けるのを嫌がることがあります。
・体重減少:食べ物を摂取しなくなるため、体重が減少することがあります。

診断

・視診:口腔内を直接観察し、炎症や潰瘍の状態を確認します。
・血液検査:ウイルス感染や免疫異常の有無を確認します。
・生検:必要に応じて、口腔内の組織を採取し、詳細な検査を行います。

治療

内科療法
抗生剤や、ステロイドの治療がありますが、口を痛がる猫ちゃんに投薬することが困難です。
そのため、コンベニア(2週間効果が持続する注射薬)や、デポメドロール(長期持続するステロイド薬注射)がありますが、抗生剤の長期使用による耐性化の問題、強力なステロイド剤を繰り返し投与することによる糖尿病の発生リスクがあり、どちらも長い目で見た場合には、適切な治療とは言えません。

・抗生物質:細菌感染が関与している場合、抗生物質を使用します。
・抗ウイルス薬:ウイルス感染が原因の場合、抗ウイルス薬が使われることがあります。
・消炎剤:炎症を抑えるための消炎剤が使用されます。
・免疫抑制剤:免疫系が関与している場合、免疫抑制剤を使用することがあります。
・栄養管理:食欲不振に対応するため、栄養価の高い食事や補助食を提供します。

歯科処置
歯周病が原因の場合、歯石除去や抜歯などの歯科処置が必要になることがあります。

全臼歯抜歯

当院では、顎を支える犬歯を残す全臼歯抜歯を提案しています。猫ちゃんが栄養失調や、脱水に陥る前に、安全な麻酔下の元、行うのが適切です。また猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症や、腎臓病の症状として口内炎が発症することもあります。術前に適切な検査も選択しています。

術後は点滴を行い、当日の夕方か翌日退院です。
翌日まではよだれに血が混じることがありますが、にじむ程度の出血なら様子を見て大丈夫なことが多いです。

予防

・定期的な歯科検診: 定期的に歯科検診を受け、早期発見と治療を行います。
・適切な口腔ケア:歯磨きや口腔内のケアを日常的に行い、歯周病の予防に努めます。
・ワクチン接種:猫カリシウイルスなどのウイルス感染を予防するため、適切なワクチン接種を行います。

 

 


猫の全臼歯抜歯の手順(愛玩動物看護師用)

口角にガーゼを噛ませる

処置と反対方向

クラウンクリッパーでガーゼの端を喉の奥につめ、処置と反対側の口角にガーゼを噛ませる

歯肉を剥がす

ガーゼを折った状態で、2枚重ねて、エレベーターに巻く。

歯根部に押し当て、押し下げるように操作、歯肉を剥がしていく

ガーゼは1枚で巻くと、エレベーターで破けてしまうため、厚めに巻く。

歯肉の過形成

肉芽の整形はメスで、歯に沿ってカットする。ガーゼを巻いたエレベータでスクラッチして、歯肉を押し下げる。歯肉の押し下げが甘いと、その後の抜歯が困難。きちんと根元まで、歯肉を剥がす

歯根の分割

エレベーターを歯肉に対して垂直に入れ、ネジネジして歯根に入れ込む

歯肉が邪魔なので、ガーゼをエレベーターの先端に巻いて操作すると、上手く歯肉が剥がれてくれる

歯根にエレベーターを差し込んだら

エレベーターを抜いて、歯根からラウンドバーを入れて行く。ラウンドバーは太めの方で

硬口蓋の面に平行

口腔内側まで貫通したら歯の方へラウンドバーを少し上にずらしてすでに開いた穴に向かってラウンドバーを押し付けるように穴を繋げていき分割する。2根歯、3根歯を割る。最短距離で割って行く

歯の分割は一気に複数の歯を行い、分割してから抜根する。


ガーゼ圧迫で止血

エレベータからラウンドバーに持ち替える時など、処置していないときは、常にガーゼで歯茎を圧迫して、出血を抑える。歯肉を剥がす時や、エレベーターの時は結構出血する。

止血は左手で歯の近くにガーゼをセットして親指ですぐに圧迫

歯の動揺 抜根

割ったところにエレベーターを差し込んで左右に振って、一気に二つの歯を動揺させる。

歯の軸に沿ってエレベーターが入らない時は、斜め45度くらいから分割間から手前の根元に向かって、エレベーターを入れて、左右に振る。なるべく根元にエレベーターを入れて、慎重に左右に振る。

分割面に垂直にエレベーターを入れない

大きい分割歯の歯根辺縁に沿ってエレベーターを動かして行く

顎を左手で固定して、

エレベーターの刃先1-2cmのところに右手人差し指を添え、ズドンと奥まで行かないように保護する。

小指側の手の平にエレベーターのお尻をホールドして

※指先に集中しすぎると手のひらのホールドがうまくいかなくなるので注意する

上顎なら目、下顎なら、下顎骨骨折が起きてはならない。

必ずしも全周の歯周靭帯をエレベーターで切断する必要はない。

一点にエレベーターを入れたら、奥にグリグリ掘るのではなく、浅く広い面で剥がしていくように、お尻を大きく振っていく。

面ごとに繰り返す。

抜根鉗子

歯が動揺するのを確認したら、抜歯鉗子で歯のなるべく根元を持ち、円周方向に少しずつ回転させる。無理に回転させると折れるので、動揺が得られたら、可動を広げながら回転させる。

左手の固定が重要

動揺させる歯の顎を親指と人差し指でサンドイッチするように顎の骨を持つ。

特に、エレベーターの力が加わる先に指を置いておく


残根鉗子

途中で折れてしまった歯は抜根鉗子で抜くか、ラウンドバーで削る。

歯肉をガーゼで剥がして、海綿骨をきちんと露出。

奥が残しやすい。

触診で不安なときはエレベーターでたどっていって、突起の部分を確認して、ガーゼで歯肉を剥がす。

海綿骨との境目を見て、

海綿骨と歯の間にエレベーターを入れていく。

海綿骨の外側にエレベーターがいかないように注意

全周掘っていくようにして、スポッと入るところがあれば、エレベーターを差し込んで、掘るようにてこの原理で、歯を浮かせていく。

あとは残根鉗子で根元を持ち、くるくるまわして抜根する。

破折している歯の根を見つける

臼歯で破折している場合、きちんと抜根ができない。反対側の穴と同じ場所を確認して、歯槽骨と色の違う残根を確認する。歯肉を綺麗にガーゼで剥がして、確認する。残根の処理は同じ。

歯槽骨を整える

ラウンドバーで抜根したところを滑らかにして、

下顎はナイロンで歯肉を寄せる。

針がすぐダメになってしまうので、角針への糸の付け替えをスムーズにできるようにしておく

 

 

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