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愛するペットの健康は飼い主にとって非常に大切ですね🐕🐈。最近、ペットの中で胃の腫瘍が話題になっています。実は、犬や猫の胃に腫瘍が発生することは非常にまれで、全体の1%に満たないのです。🤔
最も多いのは腺癌で、約6割を占めます。特に胃の幽門側や曲門付近での発生が多いとされています。しかし、小型犬にはほとんど報告されていません。その他にも、平滑筋腫や腺腫、平滑筋肉腫などが存在します。症状としては、食欲不振や嘔吐が多く、体重減少や貧血なども見られることがあります🤒。
診断に関して、腹部X線検査や超音波検査が役立つことが多いです。特に、超音波検査では胃壁の構造の消失やリンパ節腫大が重要な手がかりとなります🔍。
胃の腫瘍の診断は、早期発見と治療のために非常に重要です。適切な検査を行うことで、ペットの健康状態を正確に把握することができます🐶🐱。
腹部X線検査は、検出感度は高くはありませんが、造影を伴った場合には胃の変位や石灰化、胃内容物の排出速度の遅延などの変化が確認できることがあります。この検査はスクリーニングとしての意義があります📸。
一方、超音波検査は非常に有用です。胃壁の5層構造が消失することは、腫瘍の存在を示す重要な手がかりです。また、リンパ節の腫大も確認することができるため、転移の可能性も調査できます🏥。
私たちの動物病院では、これらの診断方法を駆使して、愛するペットの健康をサポートしています。質の高い治療とともに、飼い主様とペットの健康を第一に考えています🌟。
ビルロート1法は、ペットの胃や十二指腸に腫瘍や潰瘍がある場合に行う手術です。この手術では、術者は胃や十二指腸の病気の部分を取り除き、健康な部分をつなぎ合わせることで、食物が体内を通る道を確保します。🌾 外科学体系より転載
まず、術者は胃を完全に見えるようにするためにペットの腹部を開きます。その後、病変部と健康な部分を分けるための特殊な器具を使って分離します。次に、病変部を取り除き、その部分が全て取り除かれたかを確認します。
十二指腸と胃の切り口がサイズ的に合わない場合、術者は胃の切り口を調整して、十二指腸の切り口と合わせます。その後、二つの断面を縫い合わせます。これは縫い合わせる糸を2層使うことで行われ、食物がスムーズに流れる形になるように調整します。
十二指腸を切断する際には、胆管や膵管(消化液を運ぶ管)の位置を確認します。これらの管が十二指腸の切開線より上に位置することを確認します。胃を切除する際には、胃と十二指腸をつなぐ動脈や胆管を傷つけないよう注意します。もし、これらの管が切開線に巻き込まれてしまった場合には、胆管や膵管を縫い合わせる手術が必要になる場合もあります。
この手術は、病変部を取り除き、胃と腸の間
の食物の通路を保持することを目的としています。そのため、ペットの食事や消化が改善され、健康状態が改善する可能性があります。手術は複雑ですが、適切な手術を受けることでペットの生活の質が向上することが期待できます。
犬や猫が腫瘍を発症する場合、全体の約1%から3%が胃に出現するとされています。犬について考えると、胃の腫瘍は平滑筋腫という良性のものや、腺癌、消化管間質腫瘍(GIST)、リンパ腫、平滑筋肉腫といった悪性のものが存在します。一方、猫では胃リンパ腫が特に多いという特徴があります。
特に犬の胃腺癌は注意が必要で、この病気が起こると、その76%(132例中100例)が他の臓器へ転移してしまうことが報告されています。特にリンパ節、腹膜、肝臓、脾臓、肺、副腎、膵臓などが転移先として挙げられます。治療を行わないと、犬は発症から約3ヶ月で亡くなってしまうことが多いのです。
一方、平滑筋腫と平滑筋肉腫は見分けるのが難しいことがあります。平滑筋腫は胃の筋層内にとどまる一方、平滑筋肉腫は胃の粘膜内にまで広がることがあります。また、平滑筋腫は胃の中央部に、平滑筋肉腫やGISTは胃の入口に近い部分に発生する傾向があります。
消化管間質腫瘍(GIST)は比較的稀な病気で、胃の粘膜下から発生します。c-kit遺伝子の変異が引き金となることが明らかになっています。この変異が見つかった場合、チロシンキナーゼ阻害薬による治療が有効とされています。しかし、GISTはその形態によって症状が大きく異なり、見た目だけでは平滑筋肉腫と区別することは難しいです。
中齢の犬が食欲不振と吐き気の慢性経過で来院しました。各種血液検査では胃以外の異常は検出されず、画像診断で胃壁が正常よりも分厚く、一部石灰化が見られました。このような場合、さらなる詳しい検査が必要です。
胃壁の異常を正確に特定し、適切な治療を行うために、胃のバイオプシー(組織検査)を提案します。
胃のバイオプシーの必要性
胃のバイオプシーには以下の2つの方法があります
1. 内視鏡生検
・方法:内視鏡を口から挿入し、胃の内壁を観察しながら組織を採取します。
・メリット:非侵襲的で回復が早いです。
・デメリット:表層の組織のみを採取するため、深部の異常が見逃される可能性があります。
・リスク:軽度の出血、感染、麻酔リスク(一般的には低い)。
2. 開腹下全層生検
・方法:手術によって腹部を開き、胃の全層から組織を採取します。
・メリット:深部の組織まで含めて詳細に検査できる。
・デメリット:侵襲的で回復に時間がかかる
・リスク:出血、感染、手術後の回復期間が必要です。
胃の肥厚を伴う病気として以下の可能性が考えられます。
・慢性胃炎
・胃潰瘍
・胃腫瘍
・胃粘膜下腫瘍
・ピロリ菌感染
・胃のリンパ腫
・肥厚性幽門症候群
・リンパ球形質細胞性胃腸炎
・病状の慢性化
・腫瘍の進行と転移
・栄養不良と体重減少
・二次感染のリスク
胃壁の異常が確認されているため、組織の詳細な検査が必要です。バイオプシーにより正確な診断を行い、適切な治療計画を立てることで、犬の健康と生活の質を改善することができます。