047-700-5118
logo logo

診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診

banner
NEWS&BLOG
脾臓腫瘍とは:ペットオーナーのための詳細ガイド

脾臓腫瘍について

脾臓腫瘍は半分が悪性で、特に中高齢の大型犬に多く見られます。ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーは、特に好発犬種です。

悪性腫瘍の半分は血管肉腫と診断されます。破裂による症状としては、腹腔内出血、虚脱、出血性ショック、腹囲膨満、DICなどが挙げられます。転移の可能性もあり、特に右心房、肝臓、肺、腹膜、大網、横隔膜に転移する可能性があります。

検査方法と予後

脾臓腫瘍の検査方法にはX線、腹部エコー、術前心エコーが含まれます。予後不良因子としては、血小板数1万以下、HT 30%以下、腹腔内転移、腹膜に黒い点々があります。

血管肉腫の予後は、手術単独での生存中央値は約2.7ヶ月、手術後48時間以内に死亡するケースが約1/3、術後6ヶ月生存率は13%とされています。化学療法(ドキソルビシン)の場合、生存期間は5.6ヶ月(完全切除できている場合)、2ヶ月(完全切除できていない場合)です。脾臓摘出+化学療法で生存期間は2~3倍延長する可能性があります。

腫瘍の発生と病因

脾臓の腫瘍の発生は、食事中のジメチルニトロソアミンや、化学物質・紫外線への暴露が病因とされています。腫瘍の境界が不明瞭で、周囲組織との癒着、破裂が見られることもあります。

腹腔内播種性転移に注意が必要で、肝臓への転移でも必ずしも血管肉腫とは限りません。組織球疾患にも留意が必要です。

組織球性疾患と診療の取り組み

組織球性疾患は、良性から悪性に至る多様な挙動を示す疾患で、そのグレードは1から3まで存在します。予後因子としては、リンパ球と線維組織球比が重要とされ(p<0.003)、これにより病状の進行を詳細に診断いたします。

血管肉腫の診療

血管肉腫は侵襲性が強く、転移率が高い(>80%)病態です。約80%の症例で肝臓に転移し、特に脾臓の血管肉腫は15~25%の確率で右心耳に転移します。この疾患は、肉腫の中で最も脳への転移率が高い(14%)とされています。出血性ショックに起因する突然死、腹腔内出血を伴う症例もあり、早期の診断と治療が重要です。