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舌の腫瘍

犬および猫の舌腫瘍に関する包括的ガイド

解剖学から先進的治療法、術後ケアまで

第1章 犬と猫の舌: 解剖学と生命維持機能

犬や猫の口腔内に存在する舌は、単なる味覚器官にとどまらない、生命維持に不可欠な多様な機能を持つ極めて重要な組織です。舌腫瘍の治療、特に外科的切除(舌切除術)が機能に与える影響を深く理解するためには、まずその精巧な解剖学的構造と生理学的役割を把握することが不可欠です。

1.1. 肉眼解剖と筋組織構造

舌は、その大部分が骨格筋で構成されており、口腔の後方にある舌根(ぜっこん)によって口腔底に繋がっています。構造的には、自由に動く舌先(舌尖)、中央の舌体(ぜったい)、そして基部の舌根の3つの部分に大別されます。この驚くべき運動性は、舌の内部に存在する「内舌筋」と、舌を外部の骨(下顎骨や舌骨)に連結する「外舌筋」という2つの筋群の協調作用によって実現されています。

  • 内舌筋群 (Intrinsic Muscles): 舌の内部に完全に収まっており、舌自体の形状(長くする、短くする、丸める、平らにするなど)を変化させる役割を担います。これにより、食物を巧みに操作したり、発声時に微細な調整を行ったりすることが可能になります。
  • 外舌筋群 (Extrinsic Muscles): 舌を口腔内で前後左右に動かす大きな運動を司ります。主な外舌筋には、舌を前方に突き出すオトガイ舌筋、後方に引き込む茎突舌筋、そして舌を引き下げて後退させる舌骨舌筋などがあります。これらの筋肉が舌切除術の際にどの程度影響を受けるかが、術後の機能回復の鍵となります。

1.2. 神経血管支配

舌は非常に血流が豊富な器官であり、その主要な血液供給は外頸動脈から分岐する舌動脈によって担われています。この豊富な血流は、迅速な治癒を促進する一方で、手術中の止血を困難にする要因ともなります。したがって、舌切除術においては、舌動脈やその分枝を正確に同定し、適切に処理することが、術中出血を最小限に抑える上で極めて重要です。

感覚神経の支配も複雑で、舌の前方3分の2の感覚(触覚や温度覚)は顔面神経、後方3分の1は舌咽神経によって支配されています。この神経支配を理解することは、手術による感覚の変化や、術後の採食行動への影響を予測する上で役立ちます。

1.3. 採食、嚥下、および毛づくろいにおける舌の役割

舌は、食物を口の中に取り込み(採食)、咀嚼し、唾液と混ぜ合わせて食塊を形成し、それを咽頭へ送り込む(嚥下)という一連のプロセスにおいて中心的な役割を果たします。嚥下は、口腔期、咽頭期、食道期の3つの段階に分かれる複雑な反射運動であり、舌の動きが咽頭や喉頭との協調を促し、食物が気道に入らないように(誤嚥を防ぐ)保護する上で不可欠です。

特に猫において、舌は単なる採食器官以上の意味を持ちます。猫の舌の表面には、後方に向いた糸状乳頭と呼ばれる無数の硬い突起が存在し、これが櫛のような役割を果たして被毛の手入れ(グルーミング)を可能にしています。グルーミングは、猫にとって体を清潔に保つだけでなく、精神的な安定を得るための重要な行動であり、ストレスを軽減し、エンドルフィンを放出させる効果があると考えられています。

1.4. 犬における体温調節という特殊機能

犬の舌は、採食機能に加えて、体温調節というユニークかつ重要な役割を担っています。犬は人間のように全身の汗腺から汗をかいて体温を下げることができず、その主な手段は「パンティング」と呼ばれる呼吸法です。パンティングの際、犬は舌を口の外に長く垂らし、浅く速い呼吸を繰り返します。これにより、舌の広大な表面積から唾液が蒸発し、その気化熱によって体温を効率的に放散させます。

💡【ポイント】犬と猫での”舌”の重要性の違い


犬と猫における舌切除後の予後や手術の許容範囲が大きく異なる背景には、単なる解剖学的な違いだけでなく、それぞれの種にとって舌が持つ機能的な重要性の違いが深く関わっています。

猫の場合、舌は生存に不可欠な採食機能に加え、心身の健康を維持するための極めて重要な行動であるグルーミングに必須の道具です。舌の大部分を失うことは、この行動を不可能にし、QOL(生活の質)の深刻な低下に直結します。これが、猫では舌の50%以上の切除が推奨されない大きな理由です。

一方、犬にとって舌の主要な特殊機能は体温調節です。舌を広範囲に切除するとこの機能は損なわれますが、飼い主が生活環境を管理することで、熱中症のリスクをある程度軽減することが可能です。採食に関しても、犬は比較的順応性が高く、舌が短くなっても自力採食を再学習できることが多いと報告されています。

第2章 舌腫瘍の基礎知識

舌に発生する腫瘍は、良性のものから悪性のものまで多岐にわたりますが、犬や猫では悪性腫瘍の発生が比較的多く見られます。これらの腫瘍はしばしば進行が速く、早期発見と早期治療が予後を大きく左右します。

2.1. 犬と猫における一般的な口腔内腫瘍の概要

犬の口腔内に発生する悪性腫瘍で最も多いのは、悪性黒色腫(メラノーマ)、次いで扁平上皮癌、線維肉腫の順です。一方、猫では扁平上皮癌が圧倒的に多く、口腔内悪性腫瘍の70-80%を占め、次いで線維肉腫が発生します。

2.2. 臨床症状と早期発見の重要性

舌腫瘍の初期症状は非常に見過ごされやすく、飼い主が異変に気づいた時にはすでに病状が進行しているケースが少なくありません。日頃からペットの口腔内をチェックする習慣を持つことが、早期発見の鍵となります。以下に挙げる症状は注意深く観察する必要があります。

  • 口臭の悪化: 特に急に強くなった、または腐敗臭や生臭いような特異な臭いがする場合。
  • 流涎(よだれ)の増加: よだれの量が増えたり、血液が混じったりする場合。
  • 口腔内からの出血: 食事中や、おもちゃで遊んだ後などに見られることがあります。
  • 採食困難・食欲不振: 食べ物をこぼす、硬いものを避ける、食べるのに時間がかかるなど。
  • 体重減少: 食事が十分に摂れないことによる二次的な症状。
  • 顔の腫れや変形: 腫瘍が顎の骨に浸潤すると見られることがあります。
  • 口を触られるのを嫌がる: 口腔内の痛みや不快感から見られます。

これらの症状は歯周病など他の口腔疾患でも見られますが、自己判断せずに、一つでも当てはまる場合は速やかに動物病院を受診することが強く推奨されます。

表1: 犬と猫における一般的な舌腫瘍の比較概要

腫瘍の種類 主な発生種 典型的な生物学的挙動 一般的な予後
悪性黒色腫 非常に高い局所浸潤性と、極めて高いリンパ節・遠隔転移率 不良
扁平上皮癌 猫(最多)、犬 非常に高い局所浸潤性。犬の吻側部では転移率が低いが、猫や犬の尾側部(舌根部)では転移率が高い 部位によるが、猫では一般的に不良
線維肉腫 犬、猫 極めて高い局所浸潤性(骨への浸潤が多い)。転移率は中程度 不良〜要注意
形質細胞腫 局所的で、浸潤性や転移は稀。良性に近い挙動を示すことが多い 良好(完全切除により治癒が期待できる)

第3章 診断プロセス: 確定診断と進行度評価

舌腫瘍の治療を成功させるためには、まず正確な診断を下し、次に病気がどの程度進行しているか(病期分類、ステージング)を精密に評価することが不可欠です。

3.1. 初期検査と生検による確定診断

飼い主からの問診と身体検査の後、獣医師は口腔内の詳細な視診と触診を行います。最終的な確定診断は、腫瘍組織の一部を採取し、病理組織学的検査にかけることで得られます。この手技を「生検(バイオプシー)」と呼びます。

  • 穿刺吸引生検 (FNA): 細い針を腫瘍に刺して細胞を吸引する方法。侵襲は少ないですが、確定診断に至らない場合もあります。
  • 切開生検(Incisional Biopsy): 腫瘍の一部をメスで切り取って検査する方法。より正確な診断が可能です。
  • 切除生検(Excisional Biopsy): 小さな腫瘍の場合、診断と治療を兼ねて腫瘍全体を切除する方法。

3.2. 外科計画のための高度画像診断(CT検査)

舌腫瘍、特に悪性が疑われる場合、CT(コンピュータ断層撮影)検査は現代の獣医腫瘍学において標準的な検査となっています。CT検査は、通常のレントゲン検査よりもはるかに詳細な三次元画像を提供し、以下のような重要な情報を明らかにします。

  • 腫瘍の正確な範囲: 腫瘍が周囲の軟部組織や舌の深部へどの程度広がっているかを精密に評価します。
  • 骨への浸潤: 腫瘍が下顎骨や上顎骨に浸潤(侵食)しているかどうかを正確に判断します。
  • 所属リンパ節の評価: 腫瘍からのリンパ液が最初に流れ込む「所属リンパ節」の大きさや形状の変化を評価し、転移の可能性を判断します。

3.3. 腫瘍の広がりを理解する:リンパ管ドレナージと転移

癌細胞が原発巣から体の他の部分へ広がることを「転移」と呼びます。舌腫瘍においては、リンパ管を通って広がる「リンパ行性転移」が特に重要です。

3.4. TNM分類システムとその予後予測における価値

腫瘍の進行度を客観的に評価し、世界共通の基準で記述するために、世界保健機関(WHO)が定めた「TNM分類」が用いられます。

  • T (Tumor): 原発腫瘍の大きさ
  • N (Node): 所属リンパ節への転移の有無と程度
  • M (Metastasis): 遠隔転移の有無

これらT、N、Mの評価を組み合わせて、総合的な臨床ステージ(病期)がI期からIV期までに分類されます。ステージが進むほど、予後も厳しくなる傾向があります。

表2: 口腔内腫瘍に対する世界保健機関(WHO) TNM臨床病期分類

分類要素 カテゴリー 詳細な記述
T(原発腫瘍) Tis 上皮内癌
T1 最大直径が2cm未満の腫瘍
T2 最大直径が2cm以上4cm未満の腫瘍
T3 最大直径が4cm以上の腫瘍
N(所属リンパ節) N0 所属リンパ節への転移を認めない
N1 同側の可動性リンパ節に転移あり
N2 対側または両側の可動性リンパ節に転移あり
N3 周囲組織に固着したリンパ節に転移あり
(a)/(b) リンパ節に腫瘍細胞を(a)認めない/(b)認める
M(遠隔転移) M0 遠隔転移を認めない
M1 遠隔転移を認める

出典: に基づき作成。

第4章 悪性舌腫瘍の詳細解説

舌に発生する悪性腫瘍は、それぞれが特有の生物学的挙動を示し、治療法や予後も大きく異なります。

4.1. 悪性黒色腫(Malignant Melanoma): 転移性の高い脅威

悪性黒色腫は、犬の口腔内悪性腫瘍の中で最も発生頻度が高く、その悪性度も極めて高いことで知られています。最大の特徴は、急速な増殖と、非常に高い転移能です。

臨床的特徴: 典型的には黒色または褐色の隆起した腫瘤として認識されますが、色素を産生しない「無色素性メラノーマ」もあります。

治療と予後: 治療の基本は広範な外科的切除です。予後は臨床ステージに大きく依存し、ステージが進むにつれて急激に悪化します。高い転移率のため、手術などの局所治療だけでは不十分であり、全身療法が不可欠です。近年、最も期待されているのが免疫療法です。

4.2. 扁平上皮癌(Squamous Cell Carcinoma): 二つの種で異なる様相

扁平上皮癌は、犬と猫でその発生頻度、挙動、予後が大きく異なる、「二つの顔を持つ」腫瘍です。

  • 犬の扁平上皮癌: 極めて高い局所浸潤性で、しばしば周囲の骨を破壊しながら増殖しますが、転移率は比較的低いとされています。ただし、口腔の後方(舌根部など)に発生した場合は悪性度が高く、予後不良となります。
  • 猫の扁平上皮癌: 猫では最も一般的な口腔内悪性腫瘍です。発生部位にかかわらず予後が極めて悪いことで知られています。局所での制御が非常に困難であり、多くの猫は局所病変の進行による痛みや採食不能によってQOLが著しく低下します。無治療の場合の生存期間中央値は約1-3ヶ月と非常に短く、厳しい疾患です。

4.3. 線維肉腫(Fibrosarcoma): 局所再発との闘い

犬の口腔内悪性腫瘍では3番目に多く、比較的若い年齢でも発生が見られます。この腫瘍の最も厄介な特徴は、木の根のように周囲の組織へ深く浸潤していく極めて高い局所浸潤性です。遠隔転移率は悪性黒色腫ほど高くはありませんが、局所での再発率が非常に高いです。

治療の成功は、初回の手術でいかに広範囲に、十分なマージン(安全域)を確保して切除できるかにかかっています。

第5章 その他の特筆すべき舌腫瘍

5.1. 髄外性形質細胞腫: 一般的に良性の経過をたどる腫瘍

比較的安心できる腫瘍


これまで述べてきた悪性腫瘍とは対照的に、舌に発生する髄外性形質細胞腫は、一般的に良性に近い挙動を示します。局所での浸潤性は低く、転移することは極めてまれです。

治療は外科的な完全切除が基本であり、これが達成できれば治癒が期待できます。予後は良好です。

第6章 外科的介入: 舌切除術の原則と実践

舌腫瘍の治療において、外科的切除は最も重要な治療法であり、根治を目指す上での中心的な役割を担います。

6.1. 外科的目標: クリーンマージンの達成

がん外科の基本原則は、目に見える腫瘍だけでなく、その周囲に浸潤している可能性のある微小な癌細胞も含めて、十分な「安全域(サージカルマージン)」を確保して切除することです。

6.2. 舌切除術の分類

  • 部分的舌切除術 (Partial Glossectomy): 舌の自由に動く部分の一部を切除する手術。
  • 亜全摘出術 (Subtotal Glossectomy): 舌の50%以上を切除する場合がこれにあたります。
  • 準全摘出術 (Near-Total Glossectomy): 舌全体の75%以上を切除する広範な手術。
  • 全摘出術 (Total Glossectomy): 舌をすべて切除する手術。

6.4. 種特異的な考慮事項: 犬と猫の決定的な違い

舌切除術の適応と限界は、犬と猫で大きく異なります。

🐶 犬における許容範囲

犬は驚くほど広範囲の舌切除に耐えることができます。最大50%までの切除であれば、機能的な問題はほとんど生じないと報告されています。適切な術後管理とリハビリにより、多くの犬は自力での採食・飲水方法を再学習し、良好なQOLを維持することが可能です。

🐱 猫における厳しい制約

猫では、舌の50%以上の切除は推奨されていません。これは、猫が採食・飲水方法の変更にうまく適応できないことに加え、グルーミングという極めて重要な行動ができなくなるためです。グルーミングができないと、猫は強いストレスを感じ、QOLが著しく低下します。

第7章 舌切除術後の管理と長期的な適応

舌切除術の成功は、手術手技そのものだけでなく、術後の周到な管理と、動物自身が新しい状態に適応していくプロセスにかかっています。

7.2. 栄養サポート: 経管栄養の役割

広範囲の舌切除術を受けた動物は、術後すぐに自力で十分な栄養を摂取することはできません。この期間の栄養と水分補給を確実に行うために、経食道チューブや胃瘻(いろう)チューブといった栄養チューブの設置が不可欠です。

⚠️ データの解釈に関する注意点


ある研究では、栄養チューブを設置した犬の生存期間が、設置しなかった犬よりも短かったと報告されています。しかしこれは、そもそも栄養チューブは、腫瘍が大きく、より広範囲で侵襲的な手術を必要とした重症例に対して設置されることが多いからです。つまり、「栄養チューブを必要とするほどの進行した腫瘍であったこと」が、本来の予後不良の原因であると理解することが重要です。

7.3. 長期的な機能回復と適応

犬は非常に適応能力が高く、多くの個体が独自の食べ方を編み出します。飼い主は、食べやすいように食事をミートボール状に丸めたり、高さのある食器を使用したりといった工夫で、この学習プロセスを助けることができます。

一方で、広範囲の舌を切除した猫に対しては、このような訓練はほとんど意味をなさないとされています。

7.4. 起こりうる合併症とその管理

舌切除術後には、いくつかの合併症が発生する可能性があります。

  • 短期的な合併症: 縫合不全(縫合部が開いてしまうこと)などがあります。
  • 長期的な合併症: 流涎(よだれ)、グルーミング困難(猫)、熱中症リスクの増大(犬)、誤嚥性肺炎などが考えられます。

第8章 予後、生活の質(QOL)、そして治療の意思決定

舌腫瘍の診断を受けた飼い主にとって、最も知りたいのは「この先どうなるのか」という予後と、治療を通じてペットがどのような生活を送れるのかというQOLに関する情報です。

8.3. 生活の質(QOL)の評価: 飼い主の視点から

がん治療の究極的な目標は、単に延命することではなく、ペットがその子らしい、快適な生活を維持することです。QOLを評価する際には、以下のような点に着目すると良いでしょう。

QOL評価のチェックリスト

  • Hurt (痛み): 痛みの兆候はないか。
  • Hunger (食欲): 楽しんで食事を摂れているか。
  • Hydration (水分): 十分な水分を摂取できているか。
  • Hygiene (衛生): 体を清潔に保てているか(特に猫のグルーミング)。
  • Happiness (幸福): 家族との交流や好きな活動に興味を示しているか。
  • Mobility (運動能力): 不自由なく動けているか。
  • More good days than bad (良い日と悪い日のバランス): 全体として、苦痛よりも喜びが多い日々を送れているか。

8.5. 獣医療チームとの協調的意志決定

最終的な治療方針は、獣医師と飼い主が共に最善の道を探していく「協調的意志決定(シェアード・ディシジョン・メイキング)」が理想的な形です。獣医師に相談する際には、以下のような質問を準備しておくと、より深い理解につながります。

  • 診断について: 「この腫瘍はどのような性質ですか? どのくらい進行していますか?」
  • 治療の目標について: 「治療の目標は根治ですか、それともQOLを維持しながらの延命ですか?」
  • 治療選択肢について: 「それぞれの治療法の成功率、生存期間、副作用、費用はどのくらいですか?」
  • 予後について: 「治療をした場合としなかった場合、それぞれどのくらいの生存期間が期待できますか?」
  • QOLについて: 「治療によってペットの生活はどのように変わりますか?」

第9章 結論: 集学的かつ協調的なアプローチによるケア

犬と猫の舌腫瘍の管理は、画一的なアプローチでは対応できません。

成功への鍵


成功への鍵は、第一に正確な診断と精密なステージングです。第二に、外科手術、放射線治療、全身療法を適切に組み合わせた「集学的治療」の視点が不可欠です。

そして最も重要なのは、この治療プロセス全体を通じて、獣医療チームと飼い主が強固なパートナーシップを築くことです。舌腫瘍という厳しい診断に直面したとしても、この包括的かつ協調的なアプローチこそが、愛する家族の一員に最善の未来をもたらすための道筋となるでしょう。