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避妊手術

 

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犬は2回目の発情まで、猫は約1歳までに避妊手術をすることで、乳腺腫瘍に対する予防効果が認められています。

犬の子宮は閉鎖型で、子宮蓄膿症を起こしやすく、膿が溜まる事で全身的に救急の状態になる事もあります。

卵巣と子宮を切除するという手術内容は変わりませんが、腎不全になっていたり、敗血症になっている事で、麻酔と、手術中のリスクが健常時よりも格段に上がってしまいます。

女性ホルモンの影響でできる乳腺腫瘍は猫ではほとんどが悪性で、犬では50%近くが悪性であると言われているため、

6カ月齢前後できちんと成長した段階での手術をお勧めしています。

尚、3回以降発情を迎えた後に卵巣を摘出しても、乳腺腫瘍の予防効果はほとんど得られないと言われています。

 

当院では安全に麻酔管理を行うため、術前の血液検査を行い、麻酔薬が代謝される肝臓、腎臓に異常がないかを確認してから避妊手術を行なっております。

 

手術では、臍の下数cmを切開し、卵巣と子宮を確認し、子宮に問題がなければ血管を縛った後に、卵巣のみを切除しています。

子宮ごと切除する方法では、尿道が変位し、尿失禁を起こしたり、結腸の近くの神経への影響を与える事で、便秘になるというリスクがあると報告されているため、この方法を選択しています。

 

 

卵巣摘出術

毛がりは対称になるように綺麗に

F spay

麻酔

ドミトール0.1ml,ケタミン0.2ml 猫3kgの場合

麻酔を筋注後吐き気が来るときはのうぼんに

圧迫排尿

毛刈り、コロコロ

術台に移動するまでが、呼吸停止しやすいので、術台についたら呼吸を確認

保定

術台では、前手は万歳の状態にする

十字の状態にすると、肺が膨らめず、呼吸不安定になるのと、骨盤が上にもちあがるので、想定切開ラインにずれが出る。

後肢はフロッグレッグにする。

皮膚切開

切開ラインがずれると全て上手くいかない。

麻酔を少し上げて、骨盤がまっすぐの状態を維持する。動物が動かないようにする。

切開ラインは猫の場合は骨盤縁から子宮と卵巣の位置を予測して決める。膀胱の位置もなんとなく予想をつけて。(犬は臍もランドマークになるが、猫は臍の位置がずれるため、ランドマークにならない

最後肋骨から、尾側3cmまでが腎臓、その尾側に卵巣という感じ骨盤からも確認して位置を決める

脂肪を切除して、白線を探す

脂肪が多い時、死腔が出来ないように切除する

白線を切開 

猫は白線を持ち上げず、そのままメスで跳ね上げて切開する

ハサミは先が丸い方を体腔内へ鋭い方は体腔外に出して切る。

筋膜一層目を通常のメスの角度で切開。

筋繊維が左右腹壁から集まる中央の白線部を確認して、メスを立てすぎず、なるべく寝かせた状態で、跳ね上げ白線切開する。

白線を一気に切開すると、メスが立ち上がってしまい、脾臓をきずつけやすい

白線が分かりづらいこともあるので、層ごとに切って、位置を確認する。

スペイフックで子宮を探し、釣り上げる

膀胱の頭側あたりを、尾側に行きすぎない

膀胱の間膜から出血する

尿管も近い位置なので、むやみに引っかけない

側腹に行き過ぎない。サイドは乳頭のあたりまで

後腹膜の脂肪のマットのところまで、ゆっくり探索する。

フックは子宮体に交差するように操作

切開部位までゆっくり釣り上げて行く。

左右に少しずつ振りながら

子宮は白く分厚い脂肪

大網は血管が密で、薄く赤っぽい

腸間膜から出していないか

左側の子宮、一本目を出す時に、子宮孔で腸間膜に穴をあけ、そこから子宮を釣り出してしまうことがあるので

子宮のみ引き上げられるか確認する。

 

腸を掴んだと思ったら

引き上げずに、離すこと

小さな術野で、腸間膜などから出血させるとリカバーできない。

 

脂肪の色が違ったり、太い血管がみえたらいったん離すそのままひっぱると損傷しちゃう

右の対側を探索して右卵巣を摘出してから

左の卵巣を再TRYする

大網がからんでいないか

左側の子宮を釣り出す時に

大網がかぶさっていたら、頭側に引いて戻す。子宮には被らないように。

大網カーテン

大網や腸間膜と一緒にリガシュアで焼くと、反対側の子宮がひっかかって反対側の子宮を釣り出すことが出来ない。

犬の切開範囲なら、膀胱の腹側(大網がない)に左手の薬指を入れて大網や脂肪を頭側へよける

卵巣までたどる

①卵巣と腎臓の間の卵巣動脈、卵巣堤索に鉗子をかける

卵巣牽引時は周囲の脂肪をガーゼで被せて避ける。

子宮と卵巣の間が丈夫なので、左手の人差し指と親指で間を挟んで持ち、常に卵巣の位置は意識しておく

中指と薬指で卵巣提索や動脈を露出する

薬指で卵巣靭帯を触知

中指で、子宮間膜の脂肪の薄いところを確認する

👿卵巣靭帯と卵巣動静脈の後ろに中指を入れ、術者に向かって血管走行が、一直線に見えるようにする。(犬の場合は中指と薬指を添える)

※卵巣靭帯側の視野確保が犬で甘い

小指と薬指で、腹壁を圧迫して、視野を確保する。

デベーキで卵巣動脈を挟む時は、血管と靭帯を全て並べてからデベーキで挟む

デベーキは腹壁のラインと平行につける

ロックは2回

1回だと抜けてしまう。止血の時にスポっとぬけてモスキートで卵巣靱帯を掴めなかった。

近くのガーゼや腹壁などがデベーキに巻き込まれてしまったら、無理にデベーキを抜かない。組織が腹腔内に入り込み、出血のコントロールができない。

ガーゼを抜かず、下から押し上げて、隙間からデベーキかモスキートで掴み直し、最初のデベーキを外す。

卵巣ていさくの位置と血管の位置を確認する

犬は脂肪をガーゼで圧迫して、ガーゼに脂肪を染み込ませる(犬は必要)

②卵巣ていさくのところ(デベーキ摂氏でつまみ、)リガシュアで焼く

犬リガシュアは幅広くとる。最短で焼いていく

デベーキの上(デベーキと卵巣の間)

結紮糸の時は二重結紮(デベーキの下)

糸と糸の間は隙間を作らず、連結するようにする。

隙間をつくると断端嚢腫になる。

③卵巣と子宮の間をリガシュアで焼く

卵管を含めないように、きちんと視野を確保して、リガシュアする部位を確認すること。

焼いたところを切断

④卵巣ていさくをモスキート摂氏でつまみ、卵巣の頭側(②で焼いたところ)を切る

ハサミの向きに注意

ハサミのV字のラインが術者側から見えるようにハサミを持つ。

⑤デベーキで摘んだところに出血がないかを確認

卵巣動脈のところのシーリングが甘い時は、デベーキの下を腹壁を下に押し下げて、

視野を確保して、

デベーキの下にペアンをかけて、

上にかかっているデベーキを外し、

ペアンの上をリガシュアで焼く

⑥卵巣と子宮の間(③を)カットする

反対側の子宮を出す

ちぎらないように注意

トイプードルの子宮は細く

産後の猫の子宮は弱い

 

子宮の分岐部から探す方法

モスキートで挟んだ左側子宮を上方+尾側へテンションをかける

子宮広間膜の脂肪は下に向けて、上方に脂肪が絡まないようにする

腹膜を後方斜め上に引っ張る

スペイフックはハの字に 

腹膜も尾側かつ上方に吊り上げる

子宮を引っ張る時は子宮広間膜が下向きになるように持ち、スペイフックに脂肪などの組織が絡まないようにする

子宮の分岐部が上に上がる

大網が下に下がる

大網が邪魔するときは左手の

Y字に開いて子宮頸管を探す

左側の子宮と腹壁の間に子宮孔を入れて、大網がからまないようにする。

大網が邪魔な時は左手の中指や薬指で頭側にどんどん移動させる

子宮頸管部を狙って子宮孔を右、尾側、腹側へ動かしていく。

膀胱の背側にあるが、釣り上がっているのですこし浅めに探る。

子宮孔は直角に立てて、子宮角から釣る。

孔を寝かせると釣れない。

子宮分岐部から探せなければ、左と同様の操作で右側子宮を釣り出す。

体壁に沿うところまで孔を入れて背中側へ孔をずらして行く。

垂直方向は背中まで孔は入れずに、少し上の後腹膜の脂肪に沿うように

水平に孔を沿わせて

正中まで来たら、孔をもちあげる。

f- spay 結紮糸 🌸🐱

モスキートを卵巣と腎臓の間にかける時、卵巣に近い方にモスキートをかける

モスキートの下に絹糸2-0を通して、ゆるく結紮しておく。モスキートから距離を空けて、結紮を行う。

 

右手の持針器で短く糸を持ち、薬指と小指でホールド。

結紮する際裏の糸が透けて見えるか、右手中指で卵巣靱帯うらから、糸を抑える。

おやゆびと人差し指で、卵巣とモスキートを保持する。

他の組織を絡めていないかの確認。

左手で糸を引く。ひきつづき数結。

連続するように2糸結紮

 

子宮を引っ張り、卵巣と子宮の間を確認

子宮側で結紮して、モスキートで、結紮糸からわずかに求心側を掴む。子宮側。血管までは掴まない。

卵巣とモスキートの間をそれぞれハサミでカット

卵巣靱帯をつかんで、止血確認は同じ。

妊娠spay

子宮は外側から圧迫して出す

切開ラインは子宮の太さ+1-2cmくらい

子宮頚管は鉗子で圧迫したところを結紮

左手中指で裏側の結び目を押さえて、鉗子で糸を短く持って、左手の小指と薬指に鉗子を持ち、右手で糸を引く

視野を確保するのに右手の甲で腹壁切開部位を尾側に圧迫牽引

▫️発情出血の確認

出血がある場合、発情後、1カ月から1ヶ月半(大型犬必ず守る)

黄体期の初期で。発情期だと子宮伸びやすい、黄体期だと乳腺が発達。

発情出血から、1ヶ月半過ぎちゃったら、乳腺が発達して、opeしづらいので(乳汁分泌)

3ヶ月以降にopeする。

小型犬、猫は6ヶ月以降

②乳歯の確認

8ヶ月まで待つと乳歯が抜けることが多い

(4-6ヶ月で取れることも。)

③臍ヘルニア、鼠径ヘルニアの確認

犬spay

臍から切皮

でべそがある場合はでべそ側から切開を進めると白線がわかる。

腹壁を切開

卵巣を引き上げるのと、腹壁を押し下げる

腹壁を押し下げて、多臓器を避けるので、しっかり腹壁を押す

脂肪に包まれた卵巣を触診で確認する

ガーゼを腹壁側に噛ませて、左手の中指に絡ませる。

右の卵巣が皮膚切開にかぶって視野が確保できないとき

無理に手術を進めず白線切開を鋏で数mm広げる

表面から右手で別ガーゼで少しこするように圧迫すると脂肪が潰れて血管がわかりやすい。

卵巣卵巣と腎臓の間の卵巣動脈、卵巣堤索を焼いたら、

卵巣を上に動かして、リガシュアを隣り合わせで上も焼き、ダブルで焼いたところをカットする。

反対側の子宮を釣り出す

※猫の避妊の項を参照

卵巣側の止血

切開を広げ、子宮広間膜から卵巣側へたどる

大型犬 避妊手術

大型犬の場合、脂肪が多いので、皮下脂肪の処理と、卵巣動脈のところの脂肪の処理が重要

左手は臓器を固定したら、もう動かさない

使う器具は右手手元や術台に並べておいて、すぐ取れるようにしておく。

準備

臍下にバスタオル一個敷く

小タオルでは全く役に立たない

1cm腹腔内臓器が上がると、アプローチが全然違う

皮膚切開

臍から、人差し指一本分の切開ライン

臍下の乳頭にはかからない程度

皮下脂肪の切除

メッツェンで、筋膜直上まで剥離する。

皮膚から迫り上がる脂肪はメッツェンで切除する

術者側の脂肪の切除は過剰に切除しがちなので、注意する。

せり出してくる脂肪だけ、切除する。

白線切開

卵巣動脈の視野確保

卵巣を確認して、視野を確保

卵巣と子宮の間を親指と人差し指で持ち、卵巣に付いている脂肪を広げるように、その他の指を伸ばして裏から保持する。

左手の角度は腹壁に対して垂直ではなく、術者の目の角度に垂直に見えるように、45度奥の腹壁に向かって傾ける。

脂肪の薄いところをデベーキで穴を開けて、子宮側まで穴を広げる

デベーキをかける

デベーキをかけた後に、脂肪の処理が必要

脂肪は袋(膜)に包まれているので、押しつぶすと、血管が見やすくなる。

左手の人差し指には何も巻かず、右手の人差し指にガーゼを巻いて正面から脂肪を押す。

ガーゼで感覚が分からなければ、ガーゼを巻かずに、指だけで圧迫しても良い。

感触は、ガーゼなしの方がわかりやすい

手がベトベトになるので、右手の近くにガーゼを置いておき、ベタついたらすぐに拭く

尾側から、脂肪を圧迫して、卵巣動脈にむかって脂肪を押して、薄くしていく。

脂肪を指で伸ばして優しくテンションをかける、指で圧迫して脂肪の膜を薄くする、またテンションをかける、圧迫するを繰り返していく

水っぽい脂肪

すぐにベトベトになり、損傷しやすい

硬い脂肪は損傷しにくい。筋肉質な個体は硬い脂肪が多い

リガシュアのシーリングは膜状にシールしないとダメ。

リガシュアで脂肪を焼く時は、脂肪を軽く牽引して、脂肪の裏から、左手の中指と薬指を使って脂肪を広げてテンションをかける。

脂肪に沈み込むようにリガシュアがかかっていると、うまくシールできない

リガシュア3クリック分焼いて、体腔側にぶ厚めにのこるようにメッツェンでカットする。

リガシュアの刀面は炭がつきやすいので、右手先にガーゼを置いておき、拭いてから、新しい場所をシーリングする。

ここはきちんとシーリングしないとリカバリーできない。しっかり炭を拭くのは大切

ハサミの刃の面がきちんと見えるように、斜めに刀面が見えるようにする

尾側から脂肪をシーリング、血管の手前でやめて、メッツェンでカット

脂肪を広げて、牽引部分の中央に卵巣動静脈があるので、確実にシーリングするようにする。

一連の作業がスムーズに行くように、右手の手元には、リガシュアと、メッツェン、ガーゼを揃えておき、いちいち器具を取りに行かない

卵巣側をシールしたら、一旦、メッツェンで切り離す。

子宮、卵巣間のシーリング

卵巣、子宮側はフリーにしてから、卵巣子宮間のリガシュアの処理を行う。

左手の指をうまく使って脂肪を広げてカウンタートラクション

子宮に到達する脂肪の最短距離を見つける。

リガシュアで焼いて、子宮ギリギリまで到達

メッツェンで切開して、子宮の淵に沿ってリガシュアで焼く

卵巣と子宮の間をリガシュアで焼いてメッツェンで切断する

卵巣動脈の出血を確認するのに、頭側の卵巣靭帯と尾側の脂肪両方にペアンをかける

尾側のペアンは、血管をかまないようにかつ、一点のみではないように、ある程度の範囲でかける。

デベーキを外して、尾側のペアンをはずす。

頭側のペアンを外す前に、真ん中にペアンをかける

頭側のペアンを外した時に腹腔内に沈むのを防ぐ。出血した時に止められない

問題がなければ、頭側のペアンを外す

次に真ん中のペアンを外す。

腹腔内から出血したら

出血する箇所

卵巣動静脈

子宮動脈

子宮頚管からの出血が最も厄介

腸間膜からの出血

①ガーゼを入れ込んで、圧迫して止血

静脈血は5分の圧迫で止血可能

動脈血だと止まらない

②ガーゼを腹腔内に入れて圧迫したまま

人差し指を腹腔内の正中指を入れて腹壁を持ち上げて、切開ラインを鋏で広げる

指で腹腔内の臓器を保護する

③腹腔内の表面の出血点を探す。

鑷子で腹壁を持って全体を見渡す。

膀胱を外側へ出し、出血店を探す。

静脈性なら脂肪のあたりで、内出血点を探す。

動脈性なら外側に臓器を出して引っ張って圧迫して止血