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骨髄検査

犬猫の骨髄検査について

骨髄検査は、犬や猫の血液疾患や一部のがんを診断するための重要な検査です。この検査は最終的な診断を確定するために使用され、病気を探すための初期検査ではありません。

 

骨髄検査が必要な場合

 

  1. 好中球減少症が続くとき
    • 除外すべき原因:
      • 急性のウイルス感染
      • 重度の細菌感染
      • 薬の影響(抗生物質、抗がん剤など)
    • 考えられる病気:
      • 白血病の初期
      • 骨髄異形成症候群(MDS)
  2. 血液中のすべての細胞が減少(汎血球減少症)
    • 除外すべき原因:
      • 感染症や免疫の問題など
    • 考えられる病気:
      • 骨髄のがん(骨髄増殖性疾患、リンパ性白血病、MDS)
      • 再生不良性貧血
      • 骨髄線維症・骨髄壊死
      • 猫の白血病ウイルス(FeLV)感染の急性期
  3. 重度の貧血で、白血球と血小板が正常なとき
    • 除外すべき原因:
      • 腎臓の病気
      • 重い炎症
      • 出血や溶血の初期
    • 考えられる病気:
      • 赤芽球ろう(PRCA)
      • 骨髄のがん(赤白血病、MDS)
      • FeLV感染による免疫介在性溶血性貧血

  1. 血小板減少症
    • 除外すべき要因:
      • 検査の誤差(血液の凝固、血小板の凝集)
      • 大型血小板の存在
      • 犬種による影響(キャバリアなど)
    • 検査が必要な目安:
      • 血小板数が5万/μL以下の場合

骨髄検査の方法

骨髄検査は、専門の獣医師によって安全に行われます。一般的には上腕骨から骨髄液を採取します。

  • 準備:動物を安定した姿勢に固定し、穿刺部位を消毒します。
  • 針の挿入:骨髄針を斜め45度の角度で骨髄腔に挿入します。
  • 骨髄液の採取:シリンジで骨髄液を吸引します。
  • 検体の処理:採取した骨髄液を適切に検査します。

主な病気とその対策

  • 非再生性免疫介在性貧血(NRIMA):免疫抑制剤での治療が有効です。
  • 赤芽球ろう(PRCA):免疫抑制療法が有効です。
  • 急性白血病:予後は厳しいですが、抗がん剤治療を行います。
  • 骨髄異形成症候群(MDS):ステロイド剤やビタミンK2が有効な場合があります。

骨髄検査は、適切なタイミングで行うことで、正確な診断と治療計画の立案に役立ちます。飼い主の皆さんは、獣医師とよく相談し、検査の必要性を理解することが重要です。