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血液検査でタンパク質が高い(高タンパク血症)

TPの上昇

血液検査でタンパク質が高い場合、脱水または炎症が疑われます。

TP【総タンパク質濃度】の構成要素:

  • アルブミン: 摂取したタンパク質や、肝臓で作られたタンパク質。
  • グロブリン: 異物に対する抗体。

アルブミンの上昇 = 脱水
グロブリンの上昇 = 炎症

グロブリンが高いとき

炎症があるかどうかは、犬ではCRP、猫ではSAAで確認できます。

費用削減のため、当院では顕微鏡で白血球を確認し、若い好中球がないかをチェックしています。

好中球が見つからない場合、血液検査所見に「bandなし」と記載します。

グロブリンが上昇する原因

  • 腫瘍
  • ウイルス、細菌感染
  • 自己免疫疾患

腫瘍の検査

体表に腫瘍がないか確認し、必要に応じて腹部エコーを実施。

肝臓や脾臓に細胞診検査を行い、腫瘍細胞を確認します。検査後、5分後に出血がないか確認します。

リンパ腫や、形質細胞性ではエコー画像で正常に見える事もあるため、腫瘍細胞が検出されないかを確認します。

脳や骨に腫瘍がある場合は、院内の画像検査ではわからないため、歩き方に問題がないかなどを確認しています。

感染症の検査

腫瘍がない場合、感染症を疑い、尿検査で細菌を確認します。

試験的に抗生剤を投与することがありますが、耐性菌になり、必要なときに使える薬がなくなる恐れがあるため、外注の培養検査をすることもあります。

ウイルス感染を調べるため、抗原抗体検査を行います。

  • エイズウイルス(FIV)
  • 白血病ウイルス(FeLV)
  • コロナウイルス
  • FIV/FeLVの検査は院内で調べることができます。

おうちでできる健康チェック

  • 呼吸状態(荒くなったり、口を開けて呼吸している、鼻で閉塞音がするなど)
  • 尿の匂いや色、頻度
  • 便の色調や形、頻度
  • 歩行状態
  • 食べ方の変化
  • 眼の濁り(ブドウ膜炎)
  • 体表のしこり(体を左右対称にさわり、反対側にないものがしこりです。)

蛋白電気泳動

高齢の場合には、蛋白電気泳動(高グロブリン血症に対する検査)を外注機関に委託することがあります。

この検査は、腫瘍性疾患特有のモノクローナルガンモパシーが疑われるかどうかを確認するために行われます。一部のリンパ腫や白血病、形質細胞性の腫瘍が原因で起こります。

モノクローナルガンモパシーは、単一の遺伝子を持つ腫瘍細胞が、単一の抗体を産生することが特徴です。

グロブリンを4つの分画に分けて分析し、以下のように区別されます:

  • ポリクローナルガンモパチー: 多種類のグロブリンが増えている場合 (主に感染によって様々な抗体が体内で作られています)。
  • モノクローナルガンモパシー: 単一のグロブリンが増えている場合 (腫瘍細胞が1種類の抗体を産生します)。

モノクローナルガンモパシーの場合には、Bリンパ球からの腫瘍性疾患が疑われます (Tリンパ球は抗体を作らないため)。