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私が愛犬たちと過ごした最後の日々
愛犬が年を取って、介護が必要になると、本当にいろいろなことに悩まされますよね。私も、その経験を何度もしてきました。その中で気づいたこと、学んだことが、少しでも皆さんのお役に立てればと思います。
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愛犬が年を取って、介護が必要になると、本当にいろいろなことに悩まされますよね。私も、その経験を何度もしてきました。その中で気づいたこと、学んだことが、少しでも皆さんのお役に立てればと思います。
私が試してきた方法の一つに、ベビーサークルをヨガマットやジョイントマットの上に置くというものがあります。その上に大きなペットシーツを敷き詰めることで、部屋を汚さずに済みました。外出する際には、その中に愛犬を入れておくことで、安心して出かけることができました。
また、おむつも工夫しました。犬用よりも、赤ちゃん用のおむつが安く、吸収力も良いので、それを活用していました。お腹と背中を反対にして装着し、尻尾用にバッテンの切り込みを入れると、犬にとっても違和感が少なくて済みました。
夜泣きが続くと、飼い主としてはとても心配になりますよね。私も同じでした。犬が夜泣きする理由は、姿勢の違和感や、思うように体が動かないことへの不安から来ることが多いのではないかと感じました。
そのため、ベビー用の布団にプロテクションシーツ(おねしょシーツのようなもの)を敷き、背後から腕枕をするように抱きしめてあげると、少し落ち着くことがありました。もし、私の腕が硬くて犬がリラックスできていないように感じた時は、タオルで頭を支えてあげると、犬が安心して眠れることがありました。それでもうまくいかない時は、体勢を変えて反対側にしてあげると効果がありました。
介護中の褥瘡(床ずれ)は避けられないことも多いですが、私はそこまで気にしたことはありませんでした。基本的には消毒をして清潔を保つことに努め、特別なテーピングなどはしませんでした。それでも愛犬が苦しんでいるようには見えなかったので、無理に処置を増やさないことが、犬にとっても良いのではないかと感じていました。糞尿で汚れた場合はお風呂でお尻をシャワーで洗っていました。
水をうまく飲めなくなった時、どうしようかと悩みました。私が試した方法の一つに、ハチミツのボトルを使って、オリゴ糖を混ぜたものを舐めさせるというものがあります。これで少しでも水分を補えたらと思って、試してみました。結果的に、犬が喜んで舐めてくれたので、安心しました。
介護が続くと、どうしても心が疲れてしまうことがありますよね。でも私は、できるだけ泣かないようにしていました。犬を撫でていると、自然と細かいことが気にならなくなってくるからです。食べられるものなら何でもあげていました。カステラ、牛肉、プリン…とにかく、犬が少しでも栄養を取れるなら、それで良いと考えました。もちろん、獣医師としては理想的な食事管理も大切だと思いますが、実際に介護していると、何よりも犬が喜んで食べることが大切だと感じました。
発作の薬だけは、必ず時間を守って投与するように心がけました。発作の苦しみは、見ている側も辛いですが、犬にとってはもっと辛いことです。呼吸や痛みを楽にする薬も、4時間ごとに使いましたが、時計を見なくても、一緒に寝ていると犬が苦しそうにしていることに気づけるので、その都度対応していました。呼吸が乱れて眠れない様子が見られると、私も自然と目が覚めて対応していたことが多かったです。
私も何度も悩みました。でも、悩む時間を減らして、できる限り愛犬と一緒にいる時にできることをすることが一番大切だと思うようになりました。私は仕事があるので、いつも愛犬の死に目に会えたわけではありません。でも、それは仕方のないことだと受け入れています。愛犬たちが私と過ごした時間を大切に感じてくれていたなら、それで十分だと思うようになりました。
ペットを失った後の辛さは、想像以上です。私は、特に直後と1ヶ月目が辛いと感じました。直後は、散歩している他の犬と飼い主さんを見て、家に帰ってから大泣きしました。そして、1ヶ月が経つ頃には、犬が大好きだったおやつを見て、また涙が止まらなくなりました。正直、ペットロスを乗り越えたことはありません。いつも、売れ残った犬を飼ってしまう自分がいます。偉そうなことは言えません。
こうして私は、様々な病気で愛犬たちを見送りました。衰弱痴呆、乳腺がんの脳転移による発作、肺水腫、ケンネルコフによる片肺機能不全の呼吸困難…それぞれの犬が、私に多くのことを教えてくれました。介護を通して愛犬との絆が深まることを、心から願っています。彼らは、あなたと過ごす時間を本当に幸せに感じていると思います。