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「もう、検索しなくていいですよ」――愛犬・愛猫の介護と治療に疲れ果ててしまったあなたへ

今日は、病気の治療法や医学の話ではありません。
毎日、愛犬・愛猫のために必死に戦っている、飼い主である「あなた」自身の心のお話をさせてください。

診察室で、震える声でお話しされる飼い主様にお会いすることが増えました。

  • 「インスタの子は、あの治療で治ったのに…」
  • 「ネットで見かける飼い主さんは立派なのに、私はお金もなくてダメな飼い主です」
  • 「私がもっと早く気づいてあげていれば…」

もし今、画面の前のあなたが、誰にも相談できず、夜な夜なスマホで他人のキラキラした闘病日記を見ては、自分の無力さに打ちのめされているなら。
どうか、このブログを最後まで読んでください。

これは、獣医師として、そして多くの「命の現場」に立ち会ってきた人間として、あなたに処方したい「心の処方箋」です。


1. 夜の検索は「脳の毒」です

「この症状は癌かも?」「余命は?」
不安な時ほど、私たちは答えを求めて検索してしまいます。

しかし、獣医師として、これだけは強く言わせてください。
「夜22時以降の検索」は、今すぐやめてください。

これには、明確な脳科学的な理由があります。

夜になり脳が疲れてくると、理性のブレーキ役である「前頭葉」の機能が低下し、代わりに不安を感じる「扁桃体」が暴走し始めます。
この状態でネットを見ると、昼間なら冷静に流せる情報が、「私の身にも絶対に起きる恐怖」として突き刺さります。

ネット上にある極端な情報に振り回され、「悪い想像」だけが膨らんでパニックになる。
夜にお酒を飲んで大事な契約書にサインをするのと同じくらい、「夜中の検索」は危険な行為なのです。

【今日からのルール】

  • 日が暮れたら、スマホを置く。
  • 不安なことは検索せず、「ノート」に書き出して診察室に持っていく。

2. 「いいね」の数より、「撫でる」回数を

インスタグラムやブログを開けば、そこには「理想の飼い主さん」たちが溢れています。

  • 「18歳まで生きました!奇跡!」
  • 「高価なサプリと高度医療で、毛並みツヤツヤ!」

そんな他人の「キラキラした投稿」と自分を比べて、「なんでうちはあの子みたいにしてあげられないんだろう」と落ち込んでいませんか?

でも、少しだけ顔を上げてみてください。
あなたがスマホの画面を食い入るように見つめ、ため息をついているその瞬間も。
あなたの足元や膝の上で、あの子は、じっと「あなた」のことを見上げていませんか?

あの子たちは、スマホの中の「有名なワンちゃん・ネコちゃん」を羨ましがってはいません。
「もっとお金持ちの家がよかった」なんて顔もしていません。
あの子たちは、誰のこともフォローしていませんし、「いいね」の数なんてどうでもいいのです。

あの子が見ているのは、世界中でただ一人、パパとママだけです。

画面の中の誰かを羨む時間があるなら、その時間を使って、目の前のあの子を撫でてあげてください。
スマホのツルツルした画面ではなく、あの子の温かい背中や、ゴロゴロと鳴る喉に触れてください。

「よそはよそ、うちはうち」。
あの子が選んだのは、他の誰でもない、あなたです。

その事実に自信を持って、画面を見る時間を、愛でる時間に変えていきましょう。
それだけで、あの子の幸福度は劇的に上がります。

3. 人間をやめて、「動物たちの時間」で生きる

「来月まで生きられなかったらどうしよう…」
そうやって未来を憂いているのは、実は人間だけです。

動物たちには、カレンダーも時計もありません。
彼らは、過去を後悔することも、未来を怖がることもなく、ただひたすらに「今、この瞬間」を生きています。

「今、ご飯が美味しい」「今、日向ぼっこが気持ちいい」「今、大好きなパパやママが笑ってる」。
彼らにとって重要なのは、それだけです。

もし、飼い主さんが「来月の死」を怖がって、今日一日を暗い顔で過ごしてしまったら。
彼らにとっては、「今のパパやママが悲しそう」=「今が不幸」になってしまいます。

人間特有の「未来への不安」を、動物たちに投影するのはやめましょう。
その代わり、少しだけ「動物たちの時間軸」で生きてみませんか?

「明日のことは分からないけど、今日は最高に笑って過ごそう」

そう決めて、笑顔で接してあげること。
それこそが、彼らが望む一番の治療であり、最高の愛情表現です。

4. 「完治」だけがゴールではありません

インフレや生活不安の中で、高額な医療費に悩み、「治療を諦める=愛していない」という罪悪感に押しつぶされそうになっている方もいるかもしれません。
でも、これだけは断言させてください。

「医療の選択肢(松竹梅)」に差はあっても、「愛情」に優劣はありません。

私たちは魔法使いではないので、すべての命を完全に治すことはできません。
しかし、「痛みを和らげ、穏やかな時間を作る(生きるお手伝いをする)」ことはできます。

「治せなくてごめんね」ではなく、「できる範囲の中で、精一杯愛したよ」と胸を張ってください。
その「飼い主さんの納得した顔」こそが、ペットたちが最後に受け取る最高のプレゼントです。


まとめ:一人で戦わないでください

介護や闘病は、終わりの見えないマラソンのようなものです。
ネットの情報という「幻聴」に惑わされ、一人で走っていると、いつか心が折れてしまいます。

どうか、一人で抱え込まず、私たちを頼ってください。
当院は、動物の病気を治す場所であると同時に、飼い主さんの「心の荷物」を整理する場所でもありたいと思っています。

スマホを置いて、深呼吸をしましょう。
そして、画面の中ではなく、目の前のその子の目を見てください。
そこに全ての答えがあります。

皆様の「今日」が、穏やかで温かい一日でありますように。