診察時間
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午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
無診断での抗がん剤投薬の極めて高い危険性と、適切な外科的介入について
今回の患者さんは、体重約3.6kgのメスの猫ちゃんです。他院で胸にしこりが見つかり、「癌の疑い」というだけの理由で確定診断(細胞診や病理検査)も経ずに、分子標的薬(抗がん剤の一種)を3ヶ月間も服用させられていたという経緯で当院へご相談にいらっしゃいました。
外科医として明確に申し上げます。確定診断がないままの抗がん剤・分子標的薬の投薬は、動物の命を危険に晒す極めてハイリスクな行為です。
腫瘍の細胞の種類や悪性度を特定せずに劇薬を使用することは、効果が不確実であるだけでなく、深刻な胃腸障害や骨髄抑制などを無意味に引き起こす可能性があります。当院では、「しこりが悪性であるかを正確に検査してからでなければ、今後の治療方針は決定できない」という論理的な原則をご家族に強くお伝えし、検査からやり直しました。
病態をご理解いただくため、猫の乳腺腫瘍の基本概要を解説します。
当院で細胞診を実施した結果、上皮性の腫瘍であることが確認されました。また、レントゲン検査(3方向)にて心臓や肺への明らかな異常(転移所見)は認められませんでした。肺転移がない現段階であれば、病変を物理的に取り除く外科手術が適応であると判断しました。
猫の乳腺がんの手術には、大きく分けて二つのアプローチがあります。
本症例は、左第2乳腺に1〜2cmの腫瘤が認められました。医学的なセオリーだけで言えば全乳腺切除が推奨されますが、患者さんのご年齢と現在の体力を総合的に考慮し、当院はあえて「腫瘤切除(領域切除)」を選択しました。広範囲切除による強烈な痛みと体力低下のリスクは、この子にとって最大の利益にならないと判断したためです。「再発率をゼロに近づけること」よりも、「今ある痛みや将来の自壊を防ぎ、術後も質の高い生活(QOL)を直ちに送れること」を最優先とする論理的な決断です。
また、痛みを最小限にするため、術前から鎮静・鎮痛薬を使用し、さらに術中には切開部周辺の組織に局所鎮痛薬をしっかりと浸潤させることで、痛みのシグナルを脳へ直接送らせない「マルチモーダル鎮痛」を徹底しました。





「高齢だから可哀想」と手術を見送った場合、将来必ず以下の残酷な苦痛に直面します。
外科手術は、これらの「確定している未来の苦痛」を未然に防ぐための積極的な手段です。
今回の患者さんは、1泊の入院後に退院としました。
当院では、命を最優先とするため、自院の限界を明確に定めています。
正しい外科的介入は、正確な「診断」の上にしか成り立ちません。根拠のない投薬は時に病魔以上の脅威となります。また、年齢を理由に外科治療を全て諦める必要はありませんが、教科書通りの過酷な大手術(全摘出)が常にその子にとっての正解とも限りません。当院は、事実とデータに基づいた論理的な判断で、動物が感じる「痛みと恐怖」を取り除くことに全力を尽くします。
This case report discusses the surgical management of a feline mammary gland tumor (tubular adenocarcinoma) using a regional excision approach. Tailored to the patient’s age and physical condition, this method was chosen over a radical mastectomy to minimize trauma. We strongly emphasize the critical danger of administering targeted cancer therapies without a definitive diagnosis—a high-risk practice the patient previously endured at another clinic. Our surgical approach prioritizes immediate pain relief, rapid return to a high quality of life, and multimodal analgesia, including local anesthetic infiltration. We also detail our post-operative care, which features early discharge and 24/7 remote monitoring, with a commitment to immediate veterinary intervention by the director if any signs of pain are detected.
本病例报告探讨了猫乳腺肿瘤(管状腺癌)的外科治疗。考虑到患猫的年龄和身体状况,我们选择了区域切除术而非创伤较大的根治性全乳腺切除术。我们强烈警告在没有明确诊断的情况下使用靶向抗癌药物的极高风险——该患猫曾在其他诊所经历过这种危险的治疗。我们的手术方案将缓解疼痛、迅速恢复生活质量以及多模式镇痛(包括局部麻醉浸润)放在首位。此外,我们还详细介绍了术后护理原则,包括主张早期出院以及24小时远程监控监控,并承诺一旦发现动物有疼痛迹象,院长将立即亲自介入处理。