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【手術症例】腸のリンパ節が腫れていると言われたら?〜空腸リンパ節切除と確定診断〜

こんにちは、さだひろ動物病院です。
健康診断や、下痢・嘔吐などの症状で受診された際、超音波検査で「腸のリンパ節が腫れています」とお話しすることがあります。

「リンパ節」や「腫瘍」という言葉を聞くと、やはりドキッとして不安になられる飼い主様も多いことと思います。
今回は、お腹の中の病気を正確に診断し、適切な治療へと繋げるために非常に重要な手術、「空腸リンパ節切除」について解説します。

【 空腸リンパ節切除とは? 】


小腸(空腸)に栄養を送る血管の根元にあるリンパ節を手術で採取し、病理検査を行うことで、確定診断をつけるための検査兼治療です。

どんな時にこの手術が必要?

ただの炎症で腫れていることもありますが、以下のような病気が隠れている可能性がある場合、詳細な検査が必要となります。

  • 消化器型リンパ腫の診断
    猫ちゃんに多い病気です。低悪性度か高悪性度かで治療方針が大きく変わるため、組織検査が重要です。
  • 消化管腺癌・肥満細胞腫
    腫瘍がリンパ節に転移していないかを確認(ステージング)します。
  • 原因不明の著しい腫大
    お薬で改善しない腫れの原因を突き止めます。

手術の難しさとリスクについて

この手術は、実は非常に繊細な技術が求められます。
リンパ節のすぐそばには、腸全体に血液を送るとても太い血管(空腸動脈・静脈)が走っているからです。

⚠️ 最も注意すべき点
血管を傷つけたり、誤って縛ってしまうと、血流が途絶えた先の腸が腐ってしまいます(腸管壊死)。これを防ぐため、血管を温存しながらリンパ節だけを剥がし取る高度な操作が必要です。

当院のこだわりと安全性

デリケートな場所だからこそ、当院では最新の機器と丁寧な手技にこだわっています。

  • 高性能デバイスの採用(Erbe社 VIO Premium)
    手術には、ドイツ・エルベ社の最高峰モデルである電気メスシステムを使用しています。狙った組織だけをピンポイントで止血できるため、周囲の血管への熱ダメージを極限まで抑えることができます。
  • 組織を傷つけない丁寧な剥離
    大切な血管を守るため、綿棒(ピーナッツ)など柔らかい素材を使って、血管とリンパ節の隙間を優しく、少しずつ剥がしていきます。

さいごに

お腹の中のリンパ節の異常は、外見からは分かりません。
しかし、勇気を出して確定診断をつけることで、その子にとってベストな治療プラン(適切な抗がん剤の選択など)を立てることが可能になります。

当院では、難易度の高い手術であっても、動物たちへの負担を最小限に抑えるよう努めています。
検査結果や治療方針についてご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。