診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
今回は、動物たちがご長寿になったとき、私たちとご家族がどのように病気と向き合い、支えていくのか、ある17歳のトイプードルさんの物語を通してご紹介します。
彼女の軌跡は、シニア期のどうぶつ医療における「緩和ケア」の重要性と、ご家族との連携がいかに大切かを教えてくれます。
ご高齢の動物は、人間と同じように、一つではなく複数の健康課題を同時に抱えることが少なくありません。この子が向き合っている主な慢性疾患について、少し詳しくご説明します。
これほど多くの課題を抱えながらも、彼女はご家族のケアのもと穏やかに暮らしていました。しかし、深刻な事態が発生します。
39.6℃の高熱と、極度の貧血、そして血小板が致命的なレベルまで減少するという、生命の危機的状況に陥りました。
これは「敗血症(細菌感染が全身に波及した状態)」が強く疑われるもので、私たちはただちに提携する動物救急センターでの集中治療を依頼しました。彼女の生命力と、ご家族の迅速なご判断がなければ、乗り越えることは難しかったかもしれません。
危機を乗り越えた今、私たちの治療目標は「完治」ではなく、彼女が穏やかな毎日を送るための「緩和ケア」と「支持療法」です。その具体的な内容をご紹介します。
「検査を運ぶ過程では解決は目指さない。価値観の共有と連携」
これは彼女のカルテに記された、私たちのチームが常に立ち返るべき指針です。
血液検査の数値を正常範囲に収めることだけが治療のゴールではありません。彼女が痛みを感じず、食欲を保ち、ご家族と共に安心できる時間を過ごせているか。その「生活の質(QOL)」を最大限に尊重し、ご家族のお気持ちと価値観に寄り添いながら、最善の道筋を一緒に探していくこと。それこそが、シニア期にある動物たちの緩和ケアにおいて、最も重要だと私たちは考えています。
ご高齢のどうぶつとの暮らしは、ご不安も多いことと存じます。しかし、病気を正しく理解し、ご家族と獣医療チームが同じ目標に向かって協力することで、穏やかでかけがえのない時間を紡いでいくことは可能です。
もし同様のお悩みをお持ちでしたら、どうぞ一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。